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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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スイーツより甘い



馬車に揺られて…直ぐついたね。 (走ったほうが早いの)

それはそうだけど。多分形式的なものがあるんじゃないかな? (めんどくさーい)

王妃様はこっちでも王族だし…。


「到着いたしました」

親衛隊の人が馬車の扉を開けてくれる。



王妃様のお屋敷は、前回お邪魔した時と違い、メイドさん達が並んで待っていた。 (アリアさんもいるのー)

ホントだ。私服姿で他の人に混ざってるからすぐには分からなかったよ。

「ようこそ当家へ。 今夜は急なご招待と相成り申し訳ございません。ささやかでは御座いますがお食事をご用意しておりますのでどうぞお楽しみください。 と…形式的なのはここまででいいかしら?」

私達の到着を待っていたであろう王妃様から挨拶が…。

「…なんだかいつもの王妃様でホッとしました」

「失礼なこと言われた気がするけど…まぁいいわ。実際、苦手なのよこういうの」

そう言いつつ、王妃様自ら案内してくれて、お屋敷のホールへ。


ビュッフェ形式でたくさんのお料理が! (すごいすごい!)

「お城の晩餐会みたいね…」

「すごいの…」

「まずはお食事を楽しんでください。お話はその後でさせて頂きます」


私達は思い思いに料理を楽しむ。

相変わらずティーはレウィを見ててくれてる。 (取りにくいのもあるから!)

そうだね、器用とは言っても肉球だし…。

そんなレウィはユウキとおそろいのなんちゃってスーツを着てる。

シエルはいい仕事するよほんと。


王妃様は、お祖母ちゃんや母さん達に挨拶をしてる。

流石に母さんも落ち着いてて、以前のイメージ通りになってるな。 今は…。


父さんはお祖父ちゃんと二人でお皿を山盛りにしてる。

マナーもへったくれも無い、わんぱく坊主二人、みたいになってるけど大丈夫なのあれ…。

私が口を出すことじゃないんだけど。 (ママのママが言ってた!)

うん? (男の人はいつまでも子供だーって)

言ってたね、そう言えば…。 それで済ませていいのかは疑問だけど。


「アスカ、ちゃんと食べてるのかしら?」

「うん。このパスタみたいなの美味しかったよ」

「取ってくるわ!」

リアも今日は淡いブルーのワンピース。デザインは私とお揃い。


「お姉ちゃん、スイーツコーナーにアイスクリームあったよ!」

「王妃様に渡したレシピ活用してくれてるんだね。バニラビーンズは…なかったのかな」

と言うか未亜はもうスイーツに突入してるの?

「お姉ちゃん、私の服どうかな…?」

「未亜によく似合ってて素敵だよ。本当にピンクが似合うね未亜は」

「…ありがと」

照れるなら言わせないで?こっちまで恥ずかしくなるから。


「お姉様、うちは…?」

「シエル、可愛いよー。今日はいつもよりちょっと大人っぽいね?」

「うん! 髪をアップにしてみたの」

嬉しそうにしてるから撫ぜてあげる。

この後、未亜とスイーツコーナーで頑張るらしい。


「相変わらず姉ちゃんは…」

「なによ…?」

「いや、別に?」

「ユウキもスーツ似合うんだからもっと着たらいいのに」

「ほんと、そういうのいいから」

イラッ…

「やめっ…威圧漏れてる!」

別に褒めるくらいいいじゃない…。 (難しいお年頃)

確かに奈々も弟に過干渉しない方がいいとか言ってたね。 (素直じゃないからー)

逃げてったし…。 



「アスカちゃん、楽しんでくれてる?」

お祖母ちゃん達への挨拶が終わったのか、王妃様が私に話しかけてくれた。

「はい。ありがとうございます。お料理が美味しくて、食べ過ぎてしまいそうです」

「ふふっ、たくさん食べてね」

「はい。 王妃様はお身体、大丈夫ですか?」

「ええ。元気よ」

「無理、しないでくださいね」

「ありがとう。明日からのが大変になるから…よろしくね。また頼っちゃう事になるけど」

「任せてください。必ずアキナさんの元へお連れしますから」

「ふふっ。本当に頼もしいわ。 でも一つだけ忠告させてね」

「はい?」

「うちの母親には気をつけて」

「え? こないだお会いした方ですよね?」

「ええ。 可愛い子、美人な子、大好きだから…」

「…はい?」

「女の子大好きなのよ」

「それって…」

「そういう意味で、よ」 (百合の花が咲くのー)

ティー! またどこで覚えてきたの! (未亜の…はっ、しまった!)

…聞かなかったことにしとくよ。 (かたじけないの)

どこの武士だよ。 


「流石にアスカちゃんに手を出したりはしないと思いたいけど…アスカちゃんの可愛さって反則だから」

「ええっ…」 (レッドカードでママ退場!)

なんでよ! せめてイエローで猶予を頂戴。 (ママの可愛さには無理ー?)

褒められてるのか、遊ばれてるのか、もうわからんよ私は…。


「失礼ね、セルナ…」

「お母様!?」

突然現れた王妃様のお母様。

王妃様は咄嗟に私を後ろに隠して庇ってくれる。 なにこれ、ちょっと新鮮…。 (ママが照れてる…)

庇われたりとかあまりしないからびっくりしたー。 (ママは庇うほうだからー)

そうだね…。


「アスカちゃん、こんばんわ」

「はいっ!? お邪魔してます…」

「緊張しなくていいのよ?寛いで…ほら、あちらにソファーがあるから。そこでゆっくりお話しましょ?」

「お母様、ダメです。お願いですから自重してください」

「無理よー。可愛すぎるの!」

「それでもです!」

「…セルナの意地悪。いいわ、アリアちゃんのとこへ行くから」

「そっちもダメですからね!」

「はいはい。まったく…あっちもダメーこっちもダメーって。本当に堅くなっちゃって。昔はあんなに…」

「わぁー! わぁー!」

え?王妃様が急に大声出すから、みんなに注目されてるよ!?


「ふっ…これで許してあげるわ」

「やられた…」

「王妃様?」

「…なんでもないのよ?ほほっ…」

笑顔引きつってるけど…。 (聞こえちゃった…)

え? (王妃様も昔は女の子大好きだったって)

…親子やなぁ…。 (ママが訛った)



アリアさんとも話したかったけど、王妃様のお母様がいるから、怖くて近くに行けない…。

わかった。あれだ…キャンディに似た色気とねっとり感があるんだ。 (サキュバス?)

似てるってだけ。 多分、大人の色気ってやつなんじゃないかな…。 (ほぇー)

知らんけど…。 (……)


そんな感じにちょっと身の危険を感じつつ、夕食の時間は過ぎていった。 (お腹いっぱいなのー)


 



 




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