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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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娘なりの気遣い



母さんが父さんに首輪をつけてるタイミングでお買い物組が帰宅。

リビングでやってたものだから…みんなが目撃。 どちらにしても説明しなきゃだからいいのだけど…。

「…あー。ごめん。部屋に戻るから続けて?」

「ユウキ、待って。みんなにも説明するから」


母さんが父さんを自室に引きずっていくのを見届けてからみんなに説明。


…………

………

……


「朝のあれをさっきまでやってたのかよ…」

「取り敢えずみんなは首輪の機能を父さんにはだまっておいてね。GPSだけって事にするから」

「わかったよ、お姉ちゃん。これでお義母さんも安心してくれるかな?」

「そうだといいけどね」

「朝のお母様こわかったの…」

「わぅ…」

母さんはどんな姿を見せたのやら。 (さながら般若…)

怖いわ! うちはヤンデレの家系なんだろうか…。 (ママはまだセーフ…)

まだって…


「それより! シエルは街でいいもの見つけられたのかしら?」

「そうそう。私も教えてほしいな」

話を変えてくれて助かったよリア。


「えっと…たくさんの服やアクセサリーを見れたからお勉強になったの」

「すごかったよ? 知識もあるからさ、お店にスカウトされたりしてた」

「それはまた…すごいじゃない」

「でもうちはお姉様達と一緒にいたいの…」

「そっかぁ。ありがとね。 将来王国でお店を出す時は協力するからね!」

「もちろん私もよ。絶対買いに行くわ」

「お店の手伝いが必要なら言ってね?」

「ありがとう。ルナリア様、未亜姉様!」

「わぅ…じゃあボクは用心棒する」

「心強いねそれは」

シエルの出すお店は絶対、お客さんがたくさん来る。

それくらいシエルの作る服は素敵だから。

夕食までの間、そんな話で盛り上がった。



「失礼いたします…」

「はい?入ってください」

メイドさんの声だよね。

「失礼いたします。今夜はアキセルナ様のお屋敷から皆様をご夕食にご招待したいと使いの方が…こちらお手紙でございます」

「ありがとうございます」

王妃様から?明日からの試練の打ち合わせとかも兼ねてるのかな?

全く連絡がなかったから、どうなったのかと思ったけど…。


えっと…。

やっぱりそうだね。

今日正式に、アキナさんから試練に関して通達が来たらしい。

「姉ちゃん。なんて?」

「うん、試練に関しての詳しい話をしたいから、食事も一緒にしましょうって」

「じゃあ、僕らは明日からギルドに行くよ?」

「わかった、そういう予定だったね。でも夕食にはみんなお呼ばれしてるからね」

「お祖母ちゃん達もー?」

「うん。お祖母ちゃんも試練に参加してくれるんだから当然だよ」


「そのメンツだとダンジョンに同情するよ…」

「私は戦力外だから…」

「うちも…」

「シエルちゃんは戦えてたよ」

「でも苦手なの…」

「二人は戦えなくても大丈夫だから。来てくれることに意味があるはずだからね」

「そうなの…?」

「…?」

私の予想が正しいなら…だけど。



取り敢えずみんなには自室でよそ行きの服に着替えてもらう。

私も着替えるけど、先に母さん達やお祖母ちゃんを呼びに行かないとね。



母さん達の部屋に行ったら、部屋の隅がどんよりしてる。 (何あれ…)

落ち込んでる父さんかな?

「母さん、王妃様から夕食に招待されたから、準備してリビングに来てね」

「そうなの?わかったよー」

「…俺は行かないぞ」

「失礼になるからダメだよ」

「それならこれ外してくれ」

「イヤ」

あーうん…。ここはもういいや。 (次行こー!)




二階のお祖母ちゃんたちの部屋へ。

「お祖母ちゃん、入っていい?」

「いいわよー」


相変わらずソファでお祖父ちゃんを抱えて座ってるお祖母ちゃん。

二人とも幸せそうだからいいのだけど。 さっきの部屋との差よ…。 (こっちは桃色空間)

「王妃様から、明日からの試練について話もしたいからって、夕食に招待されたんだけど、来てくれるよね?」

「ええ。この人も?」

「もちろん」

「外出かい?」

「ええ。着替えるわよ」

「リビングに集合ね」

「わかったわ。仕度したら下へいくから」

「はーい」

私も着替えないとね。




「アスカ、これを着て!」

「お姉ちゃん、絶対こっちだよ!」

自室へ戻るとドレスを掲げたリアと未亜が待ち構えてた。

「……私は何処の舞踏会に行くのかな?そのまま花嫁にでもなるの? ないでしょ!」

「お姉ちゃんが…」

「花嫁!?」


「お姉様、これなら…?」

「ありがとうシエル。バッチリだよ」

「「やられた!!」」

「ふっ…」

今一瞬シエルがドヤ顔で勝ち誇らなかった? (見逃したっ…)

シエルが渡してくれたのは落ち着いたデザインの黒のワンピース。 (リアのはセクシードレス…)

未亜のはアレもうウエディングドレスよね。 (うん)


ティーも可愛いよ! お揃いだね。 (ふふー♪)


着替えてリビングへ行ったらお祖母ちゃん達も準備できたみたいですぐに降りてきた。

入学式かな…。お祖父ちゃん一年生おめでとう。 (あははっ)

「姉ちゃん、母さん達は?」

「呼んだよ。そのうち来ると思う」

たぶん…。


「外してくれよー」

「自業自得でしょ!」

廊下からそんな声が…。

「お待たせー」

「……」


「ぷっ…遂に落ちるとこまで落ちたわね? ふふっ…あははっ」

部屋に入ってきた父さんを見るなり、お祖母ちゃん大爆笑。 崩れ落ちる父さん。 流石に申し訳なくなるな。

「アスカぁ…外してくれ。これは流石に酷すぎると思わないか?」

「…ちょっとは。 でも、私も被害にあったからね?」

「うぐっ。 それは、確かにそうだが…」

「諦めなさい。自分の撒いた種なんだから。娘にまでセクハラした父親が何を言っても無駄よ」

「…はい」

お祖母ちゃんに叱られて諦めたらしい。

まぁ…こんな事もあろうかと仕込んでおいたんだけどね。 (わくわく!)


パチンッ!


私が指を鳴らすと首輪が消える。 (おおっ! やってみたい!)

多分ティーにも反応すると思うよ? (わーい♪ んっ! よっ! …音ならせないの…)

あー…。それは練習するしかないかな。 (はーい…)


「アスカ!? 外すタイミングは私に任せてよ!」

「外してないよ?見えなくしただけ。 一応、仕込んでおいたの」

「アスカぁ…助かったぜ。ありがとう。本当に…」

「…ほんとに優しいんだから…」

そう言ってお祖母ちゃんは撫ぜてくれた。


「こういう正式な場面でつけてる訳にもいかないでしょ?母さんだって誤解されたり、白い目で見られるよ?」

「うっ…確かにそうだね。ありがとう」

「姉ちゃんナイス」

「…一応、父さんだし」


「わぅ?ボクはいいの…?」

「レウィーのはアクセサリーだからね。父さんのは罰だから」

「わう! 主様のくれたアクセサリー!」

意味合いが全然違うもの。 (でも首輪…)

ティー、しぃー! (あい)



みんな揃って玄関を出ると、大きな馬車が…。

すぐ近くなのに!?

「お迎えに上がりました」

鎧からして親衛隊の人だよね? (うん)


内部が空間拡張してあるのか、見た目以上に広い。

みんな乗り込んで座っても余裕がある。

「それではご案内いたします」


私達は馬車に揺られ、徒歩数分の距離を馬車でゆっくり移動した。 (ナンダコレ!)








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