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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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フィア



リアの実家は元々洞窟を掘り広げて住んでいたのをフィアの希望で改装した家。

その家にはルナシアさんが居るはずだったのだけど…。

「え?誰?かあ様!?」

「おかえりなさい、リア。 って! アスカさん!?ようこそ。お久しぶりです」

「お久しぶりです。お邪魔します…」

「いえいえ。 ご自分の家だと思っていつでも来てくださっていいのですよ。いっそ住んでいただいても…」

「ありがとうございます…?」

流石にそれは…。他のドラゴン達に申し訳なさすぎる。洞窟から出られなくなるよね? (引きこもりドラゴン量産計画)

ヤダよそんなの! 


「…え? ちょっと…かあ様?本当に?」

「なんなの?リアは少し会わないだけで母親の顔を忘れてしまったの?」

「忘れてないからこの反応なのよ! どうしたのよ、その髪! 瞳まで…」

そう、髪は銀色で、瞳は薄い紫色になってる。 前はどちらも淡い水色でリアと同じだった。

今はお祖母ちゃんや、私に近い。


「いいでしょ?魔力も満たされていてすごく体調もいいの」

そう言えば…前はお疲れだったのか目の下にクマがあった。それもないからか以前より若々しく見える。


「アスカ!?どういう事? 説明して!」

「…え?そこで私に聞かれても…」

「りあおねえちゃん、おねえちゃんをいじめたらだめー」

「いじめてる訳じゃないのよ? だからその目はやめて?なんだかダメージがすごいのよ…」

フィアがすっごいジト目してるもんね…。 (ママもたまにあの目するの)

マジで!? (うん、こないだママのパパにしてたの)

あぁ…。


「お邪魔するわよ」

お祖母ちゃんだ。長老様とのお話は早く終わったんだね。


「お客様かしら?」

あれ?そういえば、フィアもだけどルナシアさんもお祖母ちゃんに怯えてないな…。

って、それよりもお祖母ちゃんの事、ルナシアさんに説明しなきゃ。


「すみません。今日は私の祖母が付いてきてくれたんです」

「それは、ご挨拶しなくてはいけませんね」

ルナシアさんがお祖母ちゃんを出迎えに行ってくれた。


「リア、ドラゴンって、私やお祖母ちゃんくらいの魔力には怯えるんじゃなかった?」

「フィアそれヤメ…え? ええ。そうよ。私はアスカの魔力循環をしてもらってから慣れてしまったけれど」

それか! 原因。 (ぽいのー)

ルナシアさんへはフィアを通して私の魔力がずっと流れていってた。

姿が変わったのもそれか…。

また私のせいで…。 (嬉しそうだったよ?)



「みんな居るわね」

「お祖母ちゃん、長老様とのお話は済んだの?」

「ええ。怯えてばかりであまり話にならなかったけど。 本当失礼しちゃうわ」

やっぱり…。 でもお祖母ちゃんもわかってるからか言葉ほど怒ってるようには見えない。


「でも、大体の事はわかったわ」

「そうなの?」

「ええ。 貴女はルナシアでよかったわよね?」

「はいっ…」

「この子もセイントドラゴンに限りなく近い、ルナドラゴンよ」

「え?かあ様が?」

「ええ。 そして、フィア。その子は完全にセイントドラゴンになるわね」

「うちの娘が…セイントドラゴン!?」

ルナシアさんがオロオロしてるんだけど…。


お祖母ちゃんはわかる範囲でだけどって前置きをして話してくれた。


私がセイントドラゴンの血をひいていて、かつ魔力が膨大。

そして、魔力体でもあった魔王を経験していることで、限りなくドラゴンに近いらしい。

らしいなのは、お祖母ちゃんもさすがにこんなのは初めてのケースだから、断言はできないと。

確かティーも似たような事を言ってたね。 (うん!)


その魔力をずっと受け取り、循環していたフィアはセイントドラゴンに。

フィアから橋渡しされていたルナシアさんは、完全なセイントドラゴンではないけど、私の魔力との差。それくらいセイントドラゴンに近いと。

「そうね…93%くらいかしら。感じるのは…」

「てことは、かあ様とアスカの魔力差って…」

「そう、93:7って事よ」

「アスカ貴女どれだけなのよ! ルナドラゴンはドラゴンの中でもかなり魔力が多い種族なのよ!?」

「私に言われても…」

「おねえちゃんはすごいの?」

「そうよ?私の孫はすごいの。 フィア、貴女も立派なドラゴンになるわ」

「わーい♪」


ただ、私やユウキがドラゴンになったりできるのか、そこまではやっぱりわからないらしい。

ある日突然、王妃様のように覚醒するかもしれないし、しないかもしれない。

一応、前兆は教えてもらったから、ユウキにも教えておこう。 (ママは暴走しないの?)

覚醒したとして? (そう。ママがそうなったら誰も止められないの…)

国がいくつも消えて、私も死ぬって? (うん…そんなのヤダ!)

大丈夫よ。魔力の暴走は起こらないから。 (そうなの?)

魔力制御のスキルはマックスだし、私自身と私の使う魔法には安全装置、所謂ティーの元になったのと同じ術式が組み込んであるから。 (どゆこと…?)


私の使う魔法は全部オリジナル。通常の魔法に安全装置を足した物になってるの。

無意識で使おうとしたらその安全装置が働く。使いたかったら意識して安全装置を解除しなきゃいけない。 (何でそんな事を…)

魔王時代、強くなった時に不安になったから?

もし、精神操作とかの魔法で操られたら危ないって思ってね。 (なるほど…。 本当だ。ママの魔法ややこしい! でも今はそっち系の耐性もマックスだよ?)

うん、それも後から上げたからね。


ファリスが精神操作が得意でね。無理言って訓練に付き合ってもらったの。

魔王時代の最初期だし、安全装置を作るキッカケでもあるからティーは知らなかったか…。 (うん)

だから大丈夫。それに私は多分覚醒はしないと思うよ。 (魔力体を経験してるから?)

うん。すでにドラゴンに限りなく近いって言われてるのに今更じゃない? (かなぁ…)

それに、仮に私がそうなったらティーなら止められる。 (同じ安全装置だから?)

そう言う事。私にもついてるでしょ?安全装置。 (スキル欄に…あった!)

私がそれを任意でオフにしない限りは大丈夫。仮にイレギュラーでオフになってたら、ティーがオンにしてくれればいいよ。 (わかったの!)

最近オフにしたのはエルフの森を直したときかな。 (あぁー。もうあんなのは絶対にだめ! あのときに知ってたら止めれたのに…)

それはごめん…。



「セイナ様、私やティアねえ様はルナドラゴンのままなんですか?」

「そうね、母親であるルナシアとのリンクは切れているでしょう?」

「はい…」

「仮にだけど…もし、うちの孫のアスカちゃんと“そうなったら”…間違いなくセイントドラゴンに変化するわね」

「わかりました。ありがとうございます」

そうなったら…? (ママーフィアがウトウトしてるの)

ホントだ! さっきまでジト目をリアに向けてたのに。

「リア、フィアが眠そうだから寝かしてあげて」

「え?ホントだわ…ごめんね。抱いてたのに気が付かなくて」

リアはフィアを子供部屋へ寝かしに行った。

もう入り口につけてあった脱走防止の柵は取ってあるみたいだね。



「セイナ様、まさかお会いできるとは…」

「そういうのはいいわ。 ある意味、私達も親戚みたいなものだから…かしこまらないでいいのよ」

「!! ありがとうございます」

お祖母ちゃんとルナシアさんはソファでお話を始めてしまった。

話題はやっぱり、お祖母ちゃんとお祖父ちゃんの恋バナ。

お祖母ちゃんは隠さずに真実を話すから、ルナシアさんの顔が引きつっていってる…。

気持ちはものすごーくわかる。

お祖母ちゃんの愛は深く、重たいんだよ。 大切に想ってるのは間違いないんだろうけどね。




ん?未亜からファミリン? しかも緊急!?

慌てて外へ出てこちらからファミリンを未亜へつなぐ。

「未亜、どうしたの?緊急って…」

“それが…お義母さんが!”




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