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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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㏌ベッド



よくわからないまま一緒にベッドの布団に入り…、リアは直後に寝ちゃった。まぁこれはいつも通りだけど。

リアの寝付きの良さは天下一だね。 (だよねー、知ってた!)

未亜は会話もままならないくらい緊張してて。どういうことか聞いてもまともな返事は聞けなかった。ほんと何これ?

うーん。気にしないようにするか…。それより気にかけるべき事があるし。


ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー!



「…っ…イヤっ…こないで…」

未亜のうなされてる声で目が覚める。 いつの間にか寝てたみたい。

「やっぱりなるよね…」

魔力の乱れだけ整えて様子を見る。


「…アスカぁ?何よもぅ…」

「起こしてごめんねリア。寝てていいよ」

「何かあったの?」

「…未亜がうなされてるの」

「…?」

「ほら、未亜は今日初めて戦闘を経験したでしょ?だから…ね?」

「あぁ…。 って、ちょっと待って…じゃあアスカが一緒に寝ようって言ったのって…」

「うん、こうなるのが分かってたから。 なるべく傍に居てあげたくて」

「そう…そうよね? うん。わかってたわ!」

「うん? だからリアは寝てていいよ」

「わかったわ」

そう言ってリアは私の腰へ抱きついてくる。 ちょっと困るんだけどなぁ…。

でも幸せそうな顔を見ると、やめてとも言いにくい。


その後も何度も繰り返しうなされる未亜の魔力の乱れを整えたり、涙を拭いてあげたりしてたら夜が明けてしまった。

寝不足だけど、仕方ない。 ぶっちゃけ数日程度なら寝なくても体調的には問題はないし。

魔力ドームで鑑定しつつ未亜の様子を確認。 自身と未亜に疲労回復と、血行促進だけしておく。

流石に一晩では耐性は手に入らないか。

魔法の勉強会の時に、見ただけで魔法を使えてたから或いはと思ったけど…甘かったか。


「ママおはよー!」

「おはよ、ティー」

「未亜は?」

「うん、まぁ思ってた通りだね」

「そっかぁ…平気そう?」

「どうだろうね、しばらくは様子を見るよ」

「うん。 リア起こすのー」

「まだいいよ、リアも途中で起こしちゃったからギリギリまで寝かせておいてあげて」

「わかったの」


ティーと、ちょうど起きたレウィを連れて庭へでる。

朝は流石に少し冷えるな。ストレージから適当に上着を出して羽織る。

こっちの世界は北と南で季節が変わらないみたいね。

「主様、走ってきてもいい?」

「いいよー。朝のお散歩しておいで」

「ティーも行くのー!」

二人は広い庭を駆け回ってる。



テラスから二人を眺めてたら、未亜も起きたみたい。


「お姉ちゃん、おはよー…ってなんて格好で外にいるの!?」

庭への掃き出し窓から顔を出した未亜がご立腹。

「…着せたの未亜達だよね? なんで怒られるの私」

「そうだけど! 外に出たらダメだよ!」

「未亜も似たような格好じゃない…」

「私も着替えるから! 早く中に入って!」

わかったよもぅ…。 理不尽が過ぎると思うのだけど。



服も着替えたし、もう一度未亜の確認をしておこう。

「未亜、ちょっとおいで」

「…なぁに?」

「鑑定するからね」

「うん?」

魔力ドームで未亜を包む。

「あれ?起きる前には無かったのに…」

「どうしたの?お姉ちゃん」

「未亜、耐性を色々手に入れたね?」

「起きた時に色々見えたけど…寝ぼけててよくわからなかったよ」

「未亜は昨日、初めての戦闘を体験したよね?」

「…うん…怖くて何もできなかったけど」

「次からは少しはマシになるよ」

「え?」

「戦闘に関する耐性を手に入れてる。 恐怖やパニックになって取り乱したり、そういう事になりにくくなるの」

「そうなんだ…」

「まだスキルのレベルが低いけど、無いよりかは遥かにいいから」

「でも、もう戦闘は嫌だよ…」

「それならそれでいいよ。無理強いするつもりはないし」

「ありがとう…」

私やユウキは耐性を手に入れるまでそれなりにかかったから、予想していたとはいえびっくり。

だけど未亜が苦しまないのならその方がいい。

未亜のお母様である聖女様の影響とかかな…。元々魔法適性とかは高そうだし。



「未亜達は今日から街へお出かけだよね?」

「うん、ユウキ君だけじゃなく、お義母さんも来てくれるから」

「そっか、でも一応魔道具はつけておいてね。 後、何かあったら遠慮せずにファミリンで呼ぶ事」

「わかったよお姉ちゃん」

別行動になるからね。いくらユウキや母さんが一緒でも心配はする。


「お姉様?おはようございます。昨夜はお楽しみでしたか?」

「シエル、なんの話?」

「え?」

「…?」

「シエルー!」

ティーがいつの間にか庭から戻ってきてるな。レウィは…まだか。


「ティーちゃん… うん、え?そうなの? じゃあ次はもっとすごいの作らなきゃなの」

シエルはティーと何を話してるのやら。


「そうだ、シエル? これ渡しておくね」

「え? お金!?こんなに…」

「何か気になるものがあったら買っておいで。それもお店をする時の勉強になるからね」

「お姉様…ありがとうなの。大切に使います」

「うん、判断は任せるけど、遠慮はしない事。この国でしか使えないお金だからね」

「はいなの」

アキナさんに貰った、例のミノウシとかの代金からお小遣いを渡しておく。

当然、未亜やレウィにも渡す。欲しいものがあったら買えるように。

残りは纏めてユウキに預けておこう。足りなくなったら渡してもらえるようにね。



朝食ギリギリに、ティーがダイブしてリアを起こす。

相変わらずよね。 (楽しいの)

毎回、リアはぐえって言ってるけどね?

お散歩に満足して戻ってきたレウィも、ソワソワしててやってみたそうにしてるのが不安…。

ティーよりは重いんだからやめてあげてね?



朝食後の休憩中に、転移魔道具へ昨日記憶したドラゴンの里と、ツリーハウスの座標を魔刻刀で刻み込む。

これでいつでも飛べる。

後はお祖母ちゃんを待つだけ。

「アスカ、フィアは元気かしら?」

「大丈夫だよ。私から魔力はしっかり流れていってるし」

「私のこと覚えてるかしら…」

「そんなに不安なら里に残る?」

「嫌よ! どうしてそんなこと言うの!?」

「フィアと一緒に居たいのかな?って思っただけだよ。なんで怒るのよ」

「アスカが私を捨てようとするからよ!」

「そんなつもりないよ? 試練の始まる前には迎えに行くし」

「…あぁそういう? てっきり里に返されて置いて行かれるのかと思ったじゃない!」

「そんなわけ無いでしょ?私もリアと一緒に居たいもの」

「そうよね! 知ってたけど!」

ならなんで怒るの…。


「じゃあ…一晩だけ向こうで過ごしてもいいかしら?」

「うん、ファミリンで呼んでくれたら迎えに行くから」

「それがあったわね…使わないから忘れてたわ」

確かにあまり離れる事がないから使わないけども! 悲しくなるから言わないでほしい。 (すごい魔道具なのに)

使われない道具は、無いのと同じなんだよ…。 (ママ、よしよし)

もっと、みんなの役に立つ魔道具作りたいよ。 (まだ頑張るママはすごい)



「待たせたかしら?」

お祖母ちゃんが、母さんとユウキと一緒に私達の部屋へ来てくれた。

「ううん。お祖母ちゃん、今日はよろしくね」

「ええ、任されたわ」


「ユウキ、父さんは?」

「今日はこの屋敷で訓練するとか言ってたよ」

「そうなんだ。頑張るね」

「うんうん。 見直しちゃった」

母さんも嬉しそうで何より。

ユウキにお金も渡して、みんなのことを頼む。

「大丈夫だから。安心して行ってきて」

「ありがと」



「アスカちゃん、魔力隠蔽の魔道具は外していくわよ」

「そうなの?怯えさせちゃうからオンにしていこうかと思ったんだけど」

「最初が肝心なのよ。ドラゴンは舐められたら終わりだから」

私はもう別の意味で手遅れで終わってるけどね…。 (ママは怖いって里に根付いてる)

泣きたい…。

でも、お祖母ちゃんが言うならちゃんと従っておく。


みんなに見送られ、私とティー、リア、お祖母ちゃんを魔力ドームで包み、ドラゴンの里へ転移。

フィア大きくなってそうだなぁ…。







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