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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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VS超弱体化魔王軍



「ここは50階層! Sランクをかけて力を示しなさい!」

リアの口上が変わったね。 (なりきってたのに出鼻くじかれたから…)

なるほど…。 ちょっと恥ずかしくなったのか。


まずチョコが左右へジグザグにジャンプしながらブレスを吐いて先陣をきる。

その合間を湖からラムネのウォーターブレスが飛ぶ。


上空からはクッキーが時々急降下しては一撃離脱。

みんなちゃんと加減してるから、威力は抑えてるし攻撃頻度は少ない。

それでも纏まって戦ってるアキナさん達は完全に押されてる。


耐えられなくなったのかアキナさんがドラゴンハーフ姿に。

それを見計らったように姿を消してたキャンディが奇襲をかける。


時間は無制限で、一応今回も私へ攻撃を入れることができたら合格っていうルールなんだけど…。

「アレ、ここまでたどり着けるのかしら」

「むりそうー?」

だよねぇ。

キャンディの奇襲を警戒しなきゃいけなくなったアキナさんも不用意に動けないらしくてみんな防戦一方。


リアとティーは定位置から動いてもいない。

「ねぇアスカ、私のこの位置いいわよね?」

「うん?」

「ほら、魔王って傍にいい女をはべらせてるってイメージじゃない?私はその配役なのよ?」

あぁ…なんとなく言いたい事はわかった。確かに右には魔王軍でも随一の美人なファリスがいたっけ。

ただそんな風に、しなだれかかってきたりはしてない。どちらかというと厳しく目を光らせていた。

まぁそれは私が勝手に一人で何かしたりするからだったけど…。


「リアはいい女ー!」

「そうよ?魔王の女なの」

楽しそうね?戦闘中なのに…。 (だってひまなのー)

じゃあ交代する? (おおー)


チョコ、後退してティーとバトンタッチしてあげて。

バックステップで後退したチョコと入れ替わりに、魔剣と聖剣を持ったティーが飛び出していった。


「リアはどうする?」

「私はここにいるわ。ピンチの時に身を呈して魔王様を守るの。それで最後の時に魔王の腕の中で告白されるの。 ドラマチックじゃない?」

「縁起でもないよ! リアは守るから。そんな事には絶対させない!」

「ふふっ…ありがとう! やっぱりアスカは最高ね」

「ちょっとますたぁ、私達が頑張ってるのに何をいちゃついてるのよ〜それなら私もここにいるわ〜」

突然姿を表したキャンディが抱きついてくる。

「ちょっと! それは私の役目なのよ」

「ふんっ! 私とますたぁは契約してるの〜。素敵なセリフで縛られているの〜」

「なにそれ!? アスカ!」

「いや、二人とも落ち着いて。戦闘中だから!」

「ここも戦闘中よ〜?」

「そうね、その通りだわ」

なにこれー…。仲間割れしてるし。 (ティーはしーらないっ)

助けてほしかったよ?


私を挟んで左右から言い合いしてるから、こそっと玉座(仮)から降りる。

クッキー、ラムネ、私と変わろう。 少し休んでて。



ティーだけを避けるように、アキナさんのパーティメンバーだけを追尾させてファイアボールを飛ばす。

攻撃のパターンが変わったことで、アキナさん達の動きも変わる。

「ラスボスが降りてきた! みんな援護して!」

私に気がついたアキナさんがそう叫ぶ。

「行かせないのー」

だけどそのアキナさんへティーが斬りかかって足止め。

「くっ…その小さな体でなんて重い攻撃をするの!?」

「まだまだ行くのー」

凄まじいスピードでくるくると回るように繰り出されるティーの二刀流。

「ちょっ…ま…はやっ」

何とか受けるのに精一杯で完全に足止めされてる。なら私は…。


他の三人だけに絞って氷の槍を撃ち続ける。

これで魔法使いの二人も援護もできないでしょ。

次は近接に移りますか。


そう思ったのに、剣を出そうとしたら後ろから抱きしめられて止められてしまった。

「ますたぁ〜? 王が前線に出てどうするのよ〜」

「ちょっとキャンディ!?戦闘中!」

「まったくも〜。ちゃんと守られてて〜」

私はキャンディに抱きかかえられて玉座(仮)へ戻されてしまう。

私の抜けた分はチョコ達がすぐに埋めてくれてる。


「キャンディ、有り難いんだけど戦闘中なんだよ?」

「知ってるわよ〜。私達はますたぁを討たれたら負けなのよ〜?だからちゃんと守られてて」

あぁ、そういうこと…。 キャンディ達にとってもプライドがかかってるのか。

私に攻撃があたったら負けっていうある意味本気の戦い。

加減はしていたとしてもプライドがあるものね。


「ごめんねみんな。わかったよ! しっかり私を守って。攻撃を届かせないで!」

「当然よ〜。ルナリアちゃん、ここは任せたわ〜」

「ええ。任せて!」

キャンディはそれだけ言うと霧になって消えていった。

多分また奇襲する気だね。


「まったく…アスカが動いてどうするのよ」

「ごめん…」

リアにまで叱られてしまった。でも元はと言えばここで口論しだしたのも悪いと思うんだけどなぁ。


ティー、疲れたら戻ってきていいからね。 (はーい。でも平気ー。楽しーの)

それならいいけど。

私の今回の仕事はみんなを信じて守られている事らしいから。 (うん!)









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