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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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もう一度あの場所へ



未亜ちゃんもユウキも私の行った異世界へ行ってみたいらしい。

なら一度先に行って王様や王妃様に許可を貰わないと…。


リングの魔力は?っと。少し魔力注げば…うん、充分だね。

思ってたよりかなり貯まるのが早いけど…大丈夫かな。

ピアスの魔道具は召喚対策用だから大丈夫。このリングは転移だし。

手土産にお菓子ももったし…


「アスカ姉ちゃん、連休明日で終わるんだけど今日はどうする?」


リビングで転移しようとしてたらユウキに見つかった。

広い場所のがイメージしやすいからってリビングを選んだのが仇になったね。

そっか、長かった大型連休も終わりかぁ…まぁでも私にはあまり関係無かったけど。

長く異世界にいたし。


「…というかアスカ姉ちゃん何してるの?」

「うん?…別に何も?」

ふいっとユウキから目をそらす。

「「………」」


「未亜姉ちゃ〜ん! アスカ姉ちゃんがなんかコソコソしてるよー」

「あ、こらユウキ! それは反則だよ!」


階段を駆け下りてくる音がしてリビングに未亜ちゃんが。

「ユウキ君どういうこと!?」

ぁぁぁ〜…怒られるよぅ。



というのも、ここ最近未亜ちゃんに頻繁に怒られてるからだ。

私の女子力が低すぎるらしい。それは仕方ないよね?

椅子に座るときに脚を閉じないとダメ! とか。

下着姿でうろついたらダメとか…

最初はお風呂上がりについ癖で半裸でうろついたらから…もう、ね?

無防備過ぎるって怒られた。いや私強いよ?って言ったらそうじゃないって。

警戒心もないから心配って。探索スキルとか使えるし大丈夫だよ? そういうことじゃないって。

あとは時々言葉使いが戻っちゃったりとか…。



連休が終わって学校が始まるまでに最低限何とかしようと未亜ちゃんが頑張ってくれてる。

もちろんそれはすごく有り難いんだけど…。


「少し息抜きしたくて…黙って異世界行こうかなーって。てへっ」

「ーーーーーー!!」

「はい…、ごめんなさい。でもちゃんと理由があるんだよ?」

「その理由ってなぁに?お姉ちゃん?」

「…未亜ちゃんもユウキも私の行った異世界に行きたいって言ったよね?」

「うん、それは言った」

「私は一度も異世界とか行ったことないから…余計に」

「だから一度向こうに行って許可を貰ってこようと思ってたんだよ」

ユウキは納得したように頷いてる。

「許可が必要なの?どこに?」

未亜ちゃんは、いまいち分かってないようで首を傾げてる。


「えっとね、行き先がお城だから、王様に?」

「えええええ!! お城?お城ってあのお城?」

あのお城がどのお城がわからないけどたぶんそのお城です。

何考えてるの私…



「だからちょっといってくるね!」

「「ストーップ」」

お、おう…。二人に止められた。

「な、何でしょう?」

「アスカ姉ちゃん…そんなちょっとコンビニ行ってくるみたいなノリで大丈夫なの?」

ん?どういうことだろ。

「お姉ちゃん、危険はないの?」

あぁ〜………そういう?

「大丈夫だと思うよ?このリングの解析はしたから。問題はないよ?」

「そうだった、アスカ姉ちゃんは元魔王で魔道具のエキスパートだったね」

「うちのお姉ちゃん、超ハイスペック…なのにポンコツ…」

ちょっと未亜ちゃん!?

「僕も最近のポンコツっぷりを見慣れて忘れてたよ」

ユウキまで!?

何?この私への低評価の嵐。心当たりなんて……最近ありすぎるけど…。



「じゃあそういうことだから! いってきまーぐぇぇ…」

誰!?髪引っ張ったの! 痛いよ?


「ユウキ君、気持ちはわかるけど女の子の髪を引っ張ったらダメだよ」

ユウキか! 美亜ちゃんは気持ちはわかるけどって言った?

「ごめ…、慌ててつい…」

「ねぇ…私お姉ちゃんだよね?」

「「うん」」

「この仕打ちはどうかと思うのだけど!?」

ちょっと泣きそうなんだよ?


「ごめん、アスカ姉ちゃん。いつ帰るのか聞きたくて。またあんなに長く返ってこないかもって思ったら心配になっちゃって」

ユウキ…。でも髪ひっぱるのはやめよう?


「ごめんなさい、お姉ちゃん。なんか一人にするのが心配で…やらかさないか不安なの」

………。

「うん、それだよね、一番は」

「うわぁぁぁん…ばかぁ〜!」

リビングから玄関の扉へ走りながら、リング魔道具起動…


アスカは光に包まれリビングから消えた。




「ア、アスカ姉ちゃん…。 これ、もしかして僕たちがやらかしたかな? 女の子になってから、なんか見てても不安定で、前よりメンタル弱くなったみたいだし」

「え?それって…」

「前はもっとこう…なんていうんだろ。だってさ、アスカ姉ちゃんって元魔王だよ?最強の」

「あぁ…うん。私も最近怒ってばかりだったからかな…お姉ちゃんのこと大好きだから心配で。帰って…来るよね? お姉ちゃん」

「…それは大丈夫だと思うけど。いつ帰るのかまでは…」




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