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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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バトルフィールド



ユウキ達を見送って、私とティーはボス待機部屋へ戻ってきた。

25階層で私が通過させたパーティも殆どが30階層まではたどり着けなかったらしい。

何とかたどり着いたパーティも規定戦闘力が足りない、またはリアに負けて終わったと。

「頑張ったのよ?褒めてほしいわ」

「お疲れ様、ありがとねリア」

ハグしてあげたら満足してくれたみたい。嬉しそうにしてるし。


心配だった王妃様はまだ寝てる。

お祖母ちゃんが言うには安定するまでは起きないほうがいいらしい。

なのでこのまま寝かしておいた方がいいと。



私の受け持った40階層を突破したパーティも既にリタイアして戻ったそう。

「そうなると今ダンジョンにいるのはアキナさん達のパーティとユウキ達だけだね」

「そうでもないよー」

「未亜、どういう事…?」

「ちょっとその事でお姉ちゃんに相談があって…」

「うん?」


未亜から話を聞く。


最終日、最下層は将来冒険者になりたいっていうまだ幼い子ども達や、その保護者。または転職して冒険者になりたいとか、そういう人達へ開放されているらしい。

「隊長さんや親衛隊の人達がその案内をしてくれるの」

あーだから途中から隊長さん見なかったのか…。


「それでね、私達も行ってきていいかな?」

「ダンジョンの見学ツアー?」

「そう。 ダメ…かな?」

「…そっか。 行ってもいいけど、私達ってことは一人じゃないのね?」

「お姉様、うちも行きたいの…。レウィちゃんについてきてもらうから…」

危ないことは無いだろうし、ずっとここで待たせちゃっていたものね。

親衛隊のお手伝いもしてくれていた未亜とシエルは、隊長さんが参加するなら優先的に枠を空けてくれると言ってくれたらしい。



「わかったよ、ただし気をつけてね。渡してある魔道具は外さないように」

「いいの!? ありがとうお姉ちゃん!」

「ありがとうなの…!」

「レウィ、二人をよろしくね?」

「わう! 任せて主様」

ツアーかぁ。 (ティーも行こうかー?)

大丈夫よ。それにティーは50階層で私と暴れるんじゃないの? (そうだった!)

それに分体は送るんでしょ? (当然!)

ならそれでいいよ。 幼い子供達も入るなら安全対策は万全でしょうし。 (うん、わかったの)

レウィもいてくれるんだから大丈夫。 (レウィなら安心なのー!)

後はあの子達次第…。



未亜とシエルは出発前に私の着替えを手伝ってくれた。

「ねぇ、なんでドレスなの? 私戦うんだよ?」

「魔王をイメージしたの…。アシンメトリーのプリンセスラインドレスなの…」

確かにそれっぽいけど。漆黒のドレスはスカートがアシンメトリーになってて、左脚は太ももから露出してる。

スカートには黒と赤のレースが幾重にもあしらわれてて豪華になってる。


「でも魔王なのにプリンセスなの?」

「それはドレスの形の話よ。Aラインとか色々あるのよ?」

なるほど、わからん。

頭には黒いバラとレースのあしらわれたアクセサリーをつけられた。 (ママかっくいい!)

ありがと。

お祖母ちゃんはずっとニコニコして見てるし…。


「わぁ…お姉ちゃんすごいよ。ウエディングドレスみたい! 写真撮っていい?撮るね?」

返事をする前に未亜はスマホを構えてる。

「未亜、後でユウキに頼んで印刷してもらいましょう」

「うん!」

拒否権ねぇんだよなぁ…。 (ママ?)

…ごめんなさい。 (うむ)


「チョコ達を出して説明しなきゃだから早めに行くね」

「アスカ私も行くわよ」

「ティーも!」

「うん、なら行こうか。 未亜、シエル気をつけてね。 レウィ、二人をお願い」

「「はーい」」

「わう!」




50階層。

アキナさんが広いって言ってたけど、どうなんだろ…。

心配しつつ、魔法陣で飛んだ先は…屋上だった。空が見えてるもの。

「凄いわね、森や川、湖まであるわよ」

「すごーい! なにここー!」

言われなかったら塔の最上階だなんてわからない。そんな景色だった。

おそらく50階層のフロアが全部こうなってるっぽい。念の為探索したけど、流石に魔獣とかもいない。


たしかにこの広さなら召喚獣を出しても問題はないね。

「チョコ、ラムネ、クッキー、キャンディ、おいで」

呼ばれてみんな一斉に出てくる。


みんなキョロキョロしてるね。

「ますたぁ? ここは?」

「今からみんなに説明するよ。今回はみんなに戦ってもらうけどいいかな?」

「ますたぁのお願いなら勿論従うわ〜でも急よね? それにドレスがとっても素敵よますたぁ〜」

そう言ってハグしてくるキャンディを取り敢えず抱き止めておく。

お願いを聞いてもらう訳だしこれくらいは…。だからリア、抓らないでほしいなぁ。


甘えてくるチョコ達も撫ぜてあげて、母さんたちが倒した森の魔獣を処理してくれたお礼もしっかり伝える。

それから状況説明。

一応加減だけはするようにお願いした。この子達が本気出したら確実にこの階層が消し飛ぶ…。 (それはママも…)

気をつけます。 (うんっ!)


あくまでも試験であって敵と戦うわけではないって事もちゃんと理解してくれるからありがたい。

「それなら私は、ますたぁの守りを固めるわ〜」

クッキーとチョコも自分も守れるからって張り合ってるな…。

ちゃんと指示したほうが良さそうね。


「クッキーは空から援護お願いね」

クー…。

「頼りにしてるからね」

クーー!

飛び上がり、大きくなったクッキーは上空を旋回してる。


「チョコは走り回って撹乱しつつ好きに暴れていいからね」

グォォォォーン!

「うん、でも森を燃やさないように!」

グォ!?


「ラムネはみんなの援護をして…うん?湖?行ってもいいよ、じゃあそこから援護してあげて」

嬉しそうに湖へ飛んでったなぁ。ほんと水が好きだよね。


「キャンディは、姿を隠しつつ遊撃してほしいんだけど、イヤ…?」

「ずるいわ〜ますたぁの上目遣いは反則よ。任せて〜頑張るからまたハグしてね〜?」

「うん、終わったらね」


「ママ、ティーとリアは?」

「取り敢えずは近くにいて、個々の判断で動いてほしいけど、大丈夫?」

「ええ。任せて。いざとなったらドラゴンになってもいいのよね?」

「多分…この階層では好きにしていいって言われてるからね」

「わかったわ!」

「ティーはママのお膝の上ー」

「じゃあ椅子作ろうか」

「それならアスカ、少し高くして、いかにも魔王! ってやつにしてほしいわ!」

ふむ、禍々しくすればいいのかな?


地面に魔力を流して玉座っぽく高さをつけて、リアの言うように、いかにも! って椅子を作る。

「こんなのでいい?」

「完璧よ。アスカはそこに座って」

「はいはい」

「ティーはお膝ー」

よじ登ってくるティーを抱き上げて膝に乗せる。


リアはどうするのかと思ったら、右側の肘置きに座るらしい。

「それなら私も〜」

キャンディは左側ね。

チョコは右側少し前に伏せをしたし、クッキーも降りてきて左前方に待機。

湖へいってたラムネまで戻ってきて、私の背後に浮いてる。


これ見た人腰抜かさない? (うんー?)

だってこれ…魔王と幹部大集合! って感じじゃない…。 (ママ、スマホかしてー)

いいけど。なにするの? 

ティーに渡したら、実体のある分体が出てきて…あっ、写真撮る気だな? (当たりー!)

「ティー写真よね?それなら待ってちょっとポーズ決めるわ」

そう言ってリアはドラゴンハーフ姿になって、ちょっとセクシーポーズ。

「なになに〜?私も〜」

キャンディまで…。貴女は普通にしてても色気しかないから!

チョコ達まで察したのかしっかりポーズ取ってるし。



ティーの分体が何枚か写真を撮って戻ってきた。

それをティーが確認して分体とハイタッチしてる。 双子か!! すぐに分体は消えちゃったけど…。

「私にも見せて?」

「今はだめなのーだって…」

あっ…アキナさん達到着したのね。 ティー、スマホはマジックバッグに預かっておいて。 (あい!)


さぁいよいよ最終決戦だよ!











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― 新着の感想 ―
パーティーメンバー失禁しそう笑 こんなん倒せるのおばぁちゃんくらいやろ…… いや、主人公と命をかけてギリギリ勝てるかどうかって言ってたからな……
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