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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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自業自得



話が終わった私とユウキは食事をしているみんなの元へ戻る。

「お姉ちゃん、何かあったの?」

私の顔を見るなり未亜にそう言われてしまう。

「どうして?」

「元気ないから…」

「そうかな?」

「アスカは私達に隠し事ができると思ってるのかしら?」

リアまで…。

「姉ちゃん、諦めなよ。 みんなにも話してあげたら?」

「わかったよ…」 (ママ平気?)

うん。大丈夫よ。ありがとね。 (あい…)

心配そうに寄ってきてくれたティーを抱いて椅子に座る。


………………

…………

……



お祖母ちゃん達も含めたみんなへ、ユウキへ話したのと同じようにノアの話をした。

食事をしながらでいいって言ったんだけど、レウィでさえ食べずに聞いてくれた。

お腹空いてたでしょうにごめんね…。


「お姉ちゃんから魔王時代の話をこんなに詳しく聞くのは初めてかも…。あまり話したがらなかった理由もわかった気がするよ」

「…そうね。ごめんなさいアスカ…。知らなかったとは言えメイド服を着せようとして」

「それはいいよ。懐かしかったし…」


「主様、今はボク達がいるよ!」

「うん…お姉様元気出して」

傍に来て甘えてくれるレウィとシエルを撫ぜる。



「アスカちゃん、会いたいのなら私が保護した魔族の人たちの所へ案内するわよ」

「そういえばセイナは助けた人達をどこへ連れて行ったんだい?」

「ハルナのところよ」

「それなら安心だね。さすがセイナ」

「そうでしょ?ふふっ」

お祖母ちゃんはお祖父ちゃんとイチャイチャしはじめて詳細は聞けなかった。

でも、ハルナって名前からおそらく母さんのお姉さんにあたる人だろうとは予想ができる。 (春いた!)

うん。後は冬だね。 もう間違いなくいるよなぁ…。 (冬子?)

いや、男の人かもだし…。 (それもそっか)



気を取り直して明るい話題をと、魔王時代のチョコ達の話をしつつ夕食を済ませて、みんなが交代でお風呂に入ってた頃に父さんを引きずった母さんが帰ってきた。

「…母さん?それ…」

またボロボロで白目を向いてるんだけど、大丈夫なのかな。

「アスカ、ごめんね。夕夜が…」

「うん。 殴り飛ばしたからもういいよ」

ここまでボロボロにはしなかったけどね。容赦ないなぁ母さん。

父さん本人もあのメイドが私だとわかって凄まじいショックを受けてたらしい。


「また姉ちゃんに冷たい目をされる! とか言ってたね。自業自得だと僕は思うけど」

ユウキもかばう気は一切ないらしい。

でも、明日の試験に差し支えて、ユウキの足手まといになるのは避けたいから、治癒だけはしてあげた。

お祖母ちゃんは、ほっとけばいいのにって言ってたけどね。



その日の夜は、私の話を聞いた事で心配になったのか、みんな私のベッドへ潜り込んできた。

狭い…。 (耐えるのも甲斐性)

なんのよ。 まぁでもみんなの気持ちが嬉しいのは確かで。

寄り添ってくれるみんなの想いが温かくて、安心して眠る事ができた。 



朝には当然の様にリアが床に落ちてたのはお約束。

毎度の事なんだけど、落ちた音がしないんだよな…。翼とか出てるし。 (翼でふわって落ちてるから)

そうなの!? 器用な事を…。無意識なんだろうね。

翼を出したりしても服が破けないのはドラゴンが魔力の塊だからなんだろうか…。 (すり抜けてるの)

そうなのね…。 取り敢えずベッドへ戻してあげないと。


今日は私も忙しくなるだろうから心の準備しておかなきゃ。 (50階層はティー達も行っていい?)

いいよ、チョコ達も出す事になってるし。 (ママの衣装カッコいいから期待してて!)

あー。うん…。 露出が少ないといいな…。 (……)




朝食を終え、みんなで塔へ向かう。 私達が向かうのはボス待機部屋だけど。

途中まではユウキ達とも一緒だった。 父さんはなぜか遠くから謝った後、近づいてこなかった。

「姉ちゃん相手に、その距離になんの意味があるのさ?」

「…いや、合わせる顔がなくてだな…。 それ以上に冷たい目をされるのが怖い…」

自業自得でしょうに。


「アスカ、何があったの? 今日は、一段とお父様の挙動が不審だわ…」

「リアちゃん言い方。でも本当にお義父さんどうしたのかな…」

「だって…不自然で気になるのよ」

リアと未亜が気にしてるから掻い摘んで昨日の話をする。

詳細は濁しておこうかと思ったのだけどユウキがぶっちゃけちゃったものだから…。


「さいってーだわ。 信じられない!」

「…流石に私も庇えないよお義父さん」

二人から冷たい視線を浴びて、更に距離を取る父さん。

母さんも今回はまだ怒ってるのか、父さんの近くに行こうともしない。


かなり後方をぽつんと一人歩く父さん。 (悲惨すぎる…)

流石に可哀想になるよ。 (どうするの?)

まぁ、母さんに頼るしかないかな? (そうだね!)


「母さん、父さんをほっとくの?」

「姿が違ったとはいえ娘にセクハラをする父親なんてダメでしょ?それに…相変わらず美人に弱いのがムカつくの!」

そっちが本音か…。

「母さんは私に妬いてるの?」

「…はぁ?そんなわけ無いでしょ!」

「私が父さんの好みの美人になってたから妬いてるんだよね?」

「…よしアスカ! そのケンカ買おうじゃない! ユウキ、夕夜、私を臨時でパーティーに入れて」

後方にいた父さんも近づいてきた。

「いいけど、大丈夫なのか?」

「アキナに頼んでなんとかするよ!」

「いや、確かメンバーの入れ替えや追加は日に一回は許されていたはずだが…」

そんなのあるんだ。 途中で戦えなくなったりした時の補充とかかな。


「でもそれは、最初にパーティーとして申請してないと通らないはずだろう」

それは確かに当然だよね。後から急に強いメンバー連れてくるとか、まかり通る訳が無い。

「あぁ、それなら僕が家族全員パーティーとして申請してあるよ。みんなも後から参加したいとか言うかもと思って。最初はまさか敵として出てくるとは思ってなかったし」

「ナイスだよユウキ! アスカ、覚悟してなさい!」

いや、ちょっと煽ることで、怒りを父さんから私へ移してくれたらーっと思っただけなのに。

効果覿面すぎたよ…。 (図星だったんじゃない?)

そうなのかな?


「いや、母さんボス役は?」

「…アキナに何とかさせる」

アキナさんごめんなさい…私のせいで仕事増やしちゃう。




結果的に仕事が増えたのはアキナさんじゃなくて私だった。

「アスカちゃんにも責任があるんだから、抜けた階層のボス役お願いね」

「…はい」


なんでこうなるのよぉ〜!! (ママ頑張れー)

こうなったら50階層で暴れてやる… (ひぃ…)










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