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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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三人で初めてのお出かけ



予約の時間までまだ時間があるし、三人で外食しようと今はファミレスにいる。


「何にしようかなー。久しぶり過ぎて悩む…」

「アスカ姉ちゃん3ヶ月居なかったもんね。」

未亜ちゃんと私が隣り合わせ、向かいにユウキ。


「好きなもの頼んでいいよ。未亜ちゃんは苦手なものとかある?」

「辛すぎるものは無理だけど、それ以外はあまり好き嫌いはないよ」

これ私のが好き嫌い多くて姉としての威厳が……


「アスカ姉ちゃんもここなら食べれないものそんなにないでしょ?」

「そうだね。でもユウキストップ。その話題は私に効く」

「いや発端はアスカ姉ちゃんだからね?」

うぐっ…

「…私はサラダと唐揚げにする。未亜ちゃんは?」

「グラタンがいいー!」

「はぁい。ユウキは? いつものハンバーグセット?」

「だね〜。美味しいし」

店員さんにドリンクバーと一緒に注文をお願いする。



それぞれドリンクを持ってきたとこでユウキが私の右手中指につけてる転移リングを指差して

「アスカ姉ちゃん、そのリングの話なんだけどさ」

「うん?転移リング?」

「そうそう、それ」

「(お姉ちゃん達! こんな所でそんな話したらダメじゃない?周りに人沢山いるよ?)」

小声で話す未亜ちゃんに、説明してなかったのを思いだす。

「ごめん、話してなかったね。私達は外出してるとき、周りに音が漏れないように魔法使ってるから大丈夫だよ」

「うえ?なにそれ!」

「ユウキ、ちょっと大声出してみて?」

「食後にアイス食べたい!!!」

いや、希望を聞いたわけではないのだけど…。アイスくらいいいよ?


「ほら、誰も気にしてないでしょ?」

「ホントだ。なんか魔法って何でもアリ?」

「割とそうかも?…で、アスカ姉ちゃん、アイスはー?」

「頼んでいいよ。未亜ちゃんもね」

「やった」と喜ぶユウキは呼び出しボタン押して未亜ちゃんのアイスと合わせてすぐ注文してる。

え?私?私はいらないよ。


「ねぇ、お姉ちゃん。声が聞こえないようになってるのになんで注文は出来てるの?」

「あぁ、あれぐらい近くで、話す相手をしっかりと意識していれば声は届くよ」

「ほぇ〜。なんかすごく適当?」

「あはは。それは否定しないよ。魔法はイメージに左右されるからね。ほら、昨日の明かりの魔道具を思い出してくれたら分かりやすいんじゃないかな?イメージする力が強ければ魔法も強くなる、基本はね」

「あーうん。なんとなくわかった」

納得するように頷く未亜ちゃん見てるとなんか微笑ましくなる。

「姉ちゃん達、もう話の続きしても大丈夫?」

そうだった、リングの話だね。



未亜ちゃんにも昨日ユウキと話したように詳しいリングの説明をして、どうしたいか確認をした。

異世界へ行けるけど行ってみたいか?

ただそのためには私に一切抵抗せずに身を委ねて、流れる魔力を受け入れなきゃいけないけどどうする?と。

私としては異世界へは行ってみたいけど身を委ねるのは…ってなると予想してる。

「行ってみたい。でも…」

ほらね?

「迷惑じゃない?お姉ちゃん達にも行く先の人へも…」

そっち?

「えっと未亜ちゃん?行くために必要な条件は理解してる?」

「うん?お姉ちゃんに無抵抗に、されるがままになれーってことだよね?」

合ってる、合ってるけどさ。言い方!

「嫌じゃないの?」

「なんで?」コテンっと首をかしげる未亜ちゃんに昨日のユウキが重なる。

ホントにこの二人は…大丈夫なのだろうか。と警戒心のなさに不安になる。


なお、これが特大ブーメランになるのをアスカはまだ知らない。




食事のあと、予約の時間に美容院へ行き、未亜と美容師さんによる熱い議論の末、私の意思とは関係なく。

「うん、もういいよ。好きにして」と諦めたから、かなり長いままになった。

前髪をキレイに作ってもらったくらい。

カットが終わり、買いたいものがあると言って別行動してたユウキと合流し帰宅した。



「母さん達まだ帰ってないのかな?」

「五時前だし、でもそろそろじゃない?夜ご飯の仕度もあるし」

んー嫌な予感がするし、私がご飯しようかな。

台所で仕度を始めたら「お姉ちゃん、私も手伝うよ」って未亜ちゃんが来てくれて、かなり早く夜ご飯ができた。

ユウキも手伝おうとしてくれたんだけと電話がかかってきて席を外した。


「アスカ姉ちゃん、母さんから」

「ん?」

なんで私に?と思いながらユウキからスマホを受け取る。

「電話かわったけど。なに?」

「”アスカ、なんか冷たくない? 電話かけたのに出てくれないからユウキにかけたんだよ?”」

ご飯してたからスマホは部屋に置いたままだった。


「ごめん、未亜ちゃんとご飯の仕度してたから」

「”そうだったの?じゃあ仕方ないけど…。お父さんが急に仕事が入っちゃって。それを伝えたかったの。それと、未亜ちゃんのことよろしくね?”」

「言われなくてもわかってるよ」

大事な妹だもん。でも…やっぱりこうなったかぁ。

「”そっか、ありがと。 突然でごめんね。ユウキのこともお願いね”」

「うん、大丈夫だよ」

通話を切る。


「ユウキ、スマホありがと」

「まぁこうなるとは思ってたし」

ユウキも先に説明を受けたのかな。少し怒ってるところをみると母さんと口ゲンカでもしたんだろう。


「お姉ちゃん?どうしたの?」

「あぁ、母さん達が急な仕事でもう出発したって連絡があったんだよ」

「えぇ! そんな急に?」


不満を隠そうともしないユウキが

「いつものことだよ。未亜姉ちゃんは気にしなくていいよ」

そう言うと部屋へ行ってしまった。


「お姉ちゃん、ユウキ君なんか怒ってた?」

「母さん達にね。うちの両親いつもこんなだからさ。ユウキが怒るのもわかるよ。でも大好きだからこそ怒ってるんだと思うよ」

「そっか…私のとこと少し似てるね」

「そうだね。でもさ?」

「うん?」

「未亜ちゃんにはこれから私とユウキがいる。私とユウキには未亜ちゃんがいる。でしょ?」

「っ…うん、うん!」

これで少しは安心してくれるといいけど。

「ちょっとしたらユウキも落ち着いて降りてくると思うし、そしたらみんなで夜ご飯にしよ」

「はーい!」





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