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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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25階層ボス



ナツハSide



私の最初の出番。多分相手は夕夜とユウキ。

評価役は今日だけって頼み込んでお母さんに来てもらった。部屋に籠もりきりも良くないし、お父さんにも一人の時間をあげたいから。

それに夕夜の成長を見てもらいたいってのもある。

戦闘には一切手を出さないって条件でなんとか来てくれた。

「折角のんびり旅行気分だったのに」

「ごめんってば…。それより、お母さんの魔力を殆ど感じないんだけど…」

「凄いわよね。 これが無かったらナツハの頼みでも無理だったわ」

「それ…アスカの魔道具?」

「ええ。私達が街へ出掛けたり出来るようにってわざわざ作ってくれたのよ」

お母さんもお父さんも魔力が高すぎて、アキナに街へは出ないでって言われてたもんね。


「街もいいわね。少し出歩いてみたけど、色々あっていいわ。こっちに住もうかしら…」

「それもいいんじゃない? お父さんも自由に出歩けるでしょ」

「……やっぱり森へ帰るわ」

相変わらずお母さんは過保護というか、独占欲がすごい。それだけお父さんが大切なんだろうけど。


「ナツハ、きたわよ。私は気配消してるから」

「うん、お願いね」

「まぁ程々にやるわよー」

そういいつつお母さんはキッチリやってくれるのを私は知ってる。


今回、人の姿で戦う私は剣を二本装備してる。所謂二刀流。


「やっと25階層のボスか、魔獣と罠で疲れたぜ…」

「…父さん、軽口叩いてる場合じゃないよ。ほら…」

「ん? げぇっ! マジかよ…」

なんてリアクションするの?ひどいなぁ。


「私が25階層のボスだよ! 力を示して、上層へ上がる権利を勝ち取りなさい!」

「父さん、今回は一人みたいだ。だけど油断しないように」

「…おう。任せろ」


ユウキは相変わらず冷静だねー。夕夜に指示を出した直後に真っ直ぐ斬りかかってきた。 っ…早いっ!

訓練の時は手を抜いてたね、これは。


「後ろを取ろうなんて甘いよ?」

ユウキに気を取られてるスキに、夕夜が背後へ回ったのはお見通し。

「ちっ、読まれてたか…流石だぜナツハ」

あっ…。 夕夜の攻撃を受け止めてる間にユウキを見失った!


まさか夕夜さえも囮?

どっち?右?左?  …上かっ!

真上から振り下ろされたユウキの攻撃をギリギリで受け止める。

「っくぅ… なんて力…」

「ガラ空きだぜ?」

二刀を使って、なんとか上からの攻撃を凌いだせいで…。


首筋に夕夜の剣を突きつけられる。

「参ったよー。 二人とも合格」

「やったぜ。 ユウキの力を借りたがナツハに勝てた!」

嬉しそうにしちゃって…。ふふっ、子供みたい。


二人に25階層突破の証を渡す。

「おめでとう。まだ半分だから気を抜かないようにね」

「抜けないよ…。この先、やばい予感しかしないし」

「ユウキがな、アスカがいるはずだって、ずっと警戒してるんだぜ?」

夕夜は笑ってるけど、ユウキが正解。上層は魔王アスカの支配領域みたいなものだからね。

どっちにも頑張ってほしいから私としては複雑だけど…。


上層へ向かう二人を見送る。



「あのポンコツ、随分いい動きをするようになったわね。強さも文字通り桁があがってたわ」

「そっか、お母さんは戦闘力を把握してるんだっけ…」

「ええ。アキナの決めた、この階層の最低突破ラインを満たしているか確認する為にね」

この短期間でそんなに強くなってたんだ。 

逆に考えるならそれだけ成長できる可能性を私が潰してたって事。

本当、アスカの言うとおり…良かれと思ってやってた事が間違ってたんだって今ならハッキリわかる。



「ほら暗い顔してないで。まだボス役は終わらないんでしょう?」

「…そうだね。うん」

反省も後悔もした。もう二度と同じ事は繰り返さない。 




アスカがお世話になった国の王妃様と騎士の連携の上手さにびっくりしたり、私の前なのにいちゃいちゃしながら余裕で戦ってるアキナにイラってしたり…。 

まったく! そういう事するから夕夜がハーレムを羨ましがるんだよ!


当然、どちらも問題なく通過。

この後はうちの子達が立ち塞がる。


私も挑戦したい気持ちはあるけど、アスカにあれだけ一方的にやられてるとね?

さすがにチャレンジするのはまだ早いかな?って。


夕夜だけじゃなく私もまだまだ鍛えないと。

この世界にだって危険はあるのだから。


いずれ家族みんなでこちらへ移住するつもりだし。

アスカ達が同意してくれるといいけど…。



「さて、まだまだ挑戦者は来るよね。ボス役を果たさないと」

「そうね、通過させるのが危ない相手の時は私も止めるから」

「うん。でも程々にね?」

「…ふんっ」

戦闘はしないって言ってたのに。やっぱりお母さんは頼りになるよ。





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