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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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強制力は仕事した



「ぅぅ…ん…」

未亜ちゃんも起きたかな?落ち着いてるといいけど…。



「未亜ちゃん、大丈夫?」

「お姉ちゃん?あれ?私…」

「ごめんね、ちょっと話が出来なさそうだったから少し眠ってもらったの」

「っ! ごめんなさい! 私、お姉ちゃんやユウキ君に…」

未亜ちゃんなりに必死だったのだろう。無自覚な私の代わりに怒ってくれたのだから。


「大丈夫だから落ち着いて。私が悪いから。まさか一番上の引き出しに下着入ってるとは思わなくてね」

「? え〜っと…どういう事?お姉ちゃんのタンスだよね?」

「そうだよ、でも昨日話したことを思い出して?」

「召喚とかの話?」

「そうそう。私が最後の召喚でどうなったか」

「あ!!」

「うん、それをふまえた上で私のタンス開けてみて。引き出し全部開けて。未亜ちゃんならいいでしょ?女の子だし」


私の言いたい事がわかったのか、未亜ちゃんはおそるおそるタンスを開けていく。

「…お姉ちゃん、服を出してみていい?」

「いいよー私も見たいし」



それぞれの引き出しから何着か出してくれたけど、どれも女性物。男性物は一着もない。

やっぱりそうだよね。わかってたけど…流石にひくわー。

でも、考えようによっては良かったのか?態々買いにいって出費しなくて済む。



出した服を並べて未亜ちゃんが悩んでいる。

ユウキもなんとも言えない顔になってる、たぶん私も。

「お姉ちゃん、もしかして中身が知らないうちに全部変わってたの?」 (いい仕事した)

「そういう事」

「でもさ、お姉ちゃん…」

「うん?」

「なんで可愛い服が一切無いの?全部…なんていうかクール系ばっかり」 (……)

「「気にするのそこ!?」」 ユウキとハモったし。


「私としてはその方が有り難いんだけど?」

可愛い服とか似合わないでしょうよ。


「お姉ちゃん美人なのに勿体ない…もっと色々着るべきだよ!」

お、おぅ…女の子の服への情熱はやっぱりすごいね。ちょっとユリネさんを思い出した。


「…じゃあ女の子の先輩な未亜ちゃんが色々教えてくれるかな?身体を動かしたりする事には慣れてきてても常識には慣れないからね」

「わかったよ! 任せて」

元男だったことを理解した上でアドバイスしてくれる未亜ちゃんの存在はすごく助かる。

怒ると魔王以上に怖かったけど…。 (個人の感想です)

「お姉ちゃん?」

「ごめんなさい!?」

「え…? 取り敢えずお姉ちゃん着替えよ?せっかく長くてきれいな髪も手入れしなきゃだし」

そうだった、髪を切りに行きたかったんだ…。

「ユウキ君、悪いんだけど部屋から出ててもらえる?ごめんね」

「ああ、そだね。わかったよ。リビングにいるから何かあったら呼んで」


私の部屋から出てくユウキに「ごめんね、ありがと」と声をかけたら

「気にしないでいいよ。また後でね」だって。

爽やかイケメンかよ。我が弟ながら末恐ろしい。




それから未亜ちゃんに下着の着方やら髪の手入れ、それはもう頭がパンクするくらいに色々教わって…。

髪を切りたいって話したら「勿体ない!」って反対されたけど、今の私じゃこの長さを手入れして、維持できないって説得してようやく納得してくれた。

だって腰まであるし…。

私がするからーとか最後まで渋ってたけどね。


結局二時間以上もユウキを待たせてしまって申し訳ない。

女物でもジーンズなら抵抗ないし、よかったよ。



タンスにはショートパンツやスキニージーンズとかばかりだった。

ショートパンツでコーデしようとする未亜ちゃんとの攻防は語るまい…。

今度着るから、ね? 流石に今日は許して…。



せっかくだし三人で出かけようって話になった。

仕度しようとしたら、カバンや財布まで変わってるのにはもう諦めるしかなくて…。


未亜ちゃんが行きつけの美容院に予約してくれたからね。やっと髪を切れる。






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― 新着の感想 ―
なんかちょこちょこ入る意味わからん合いの手、作者か
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