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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第四章

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準備期間



アキナさんからの依頼を受けた翌日から、私達はそれぞれ作業を開始。


私は魔道具。 シエル達は衣装。 ティーとレウィは私の癒やし要員 (任されたの!)


ユウキは父さんと試験に向けて特訓してるみたい。無事に母さんの説得もできたようだし。

アキナさんと計画してたくらいだから、母さんも最初から許可するつもりだったんだろうけどね。


父さんの剣は今朝直してあげた。ユウキに余計な事はせずに直すだけにしろって釘を刺されたけど…。

まだ父さんの腕では切れすぎるのは危ないからわかってるよ…。過ぎたるは及ばざるが如しって言うし。

母さんはアキナさんと準備に忙しくしてるのか、見かけなかった。


お祖母ちゃんはお祖父ちゃんとここの屋敷の二階にこもってる。

まぁこれには理由があって…。

私もなんだけど街へ出るのは控えてほしいって言われてるからだね。

多かれ少なかれ魔力に敏感な人が多いからパニックになりかねないと。

遠距離からでも把握できる人は、それだけ魔力の高い人だからまだいいけど、そうじゃない一般の人にとっては驚異でしかないもんなぁ。 (お買い物に出た街角でバッタリ魔王と遭遇…)

あー…うん、恐怖でしかないわ…。


と言うことで、私のピアスに戦闘力がわかる機能と魔力を隠蔽させる効果をつけました! (仕事が早い!)

ドラツーにつけてる隠蔽の応用だからね。 


それにしても…部屋のソファーにティーと座ってローテーブルで作業をしてたんだけど…、前屈みになるから姿勢がきっついな。

レウィみたいに床に座ったほうが作業しやすそう。 (ふわふわのラグ敷いてー)

わかったよ、レウィも喜ぶだろうし。

ラグを敷いたらティーもドラゴン姿になってレウィとコロコロしてる。二人ともかわええ…。


折角だからお祖母ちゃんとお祖父ちゃんにも作った。 ただ…魔石は青色にできなかったけどね。

二人の魔力量から考えると、いつもの三点セットも付けようとすると必然的に透明の魔石になる。

お祖母ちゃんのはそれでも気休めにしかならないのは私と同じ。

お祖父ちゃんのはユウキみたいにブレスレット、お祖母ちゃんはネックレスにした。


アキナさんのも女王陛下だから王妃様やシルフィ様と同じように色々てんこ盛り。

そこへプラスで戦闘力が見える効果も足して、透明の魔石でネックレスに。


そこまで作ったら、ちょっと休憩しつつティー達とのんびり。

ちょうどメイドさんがお茶とお菓子を持ってきてくれたからね。

クッキーみたいな焼き菓子が美味しい。 (サクサクー)

こっちのはしっとりクッキーだよ。 (ほんとだ!)


リア達は作業をしてるラグの上でそのまま休憩してるね。

布とか大量に散らばってて大変そう。手間かけてごめんよ…。




さて…。後はギルドとかで使う用の魔道具だね。

ユウキに作ったのや私達のは、情報として頭に流れ込んでくるものだから、可視化される様にしないといけない。


アキナさんが渡してくれたデザインのラフを見つつ貰った石材や金属等の素材を加工してまずは土台。

手をかざした本人と、確認するギルド職員にだけ見えるようにって事だね。

電子マネーのリーダーみたいだな…。 かざすのはカードとかじゃなくて手だけど。

魔刻刀で術式を刻んだ赤い魔石を中心に、それっぽく光るだけの魔法陣も書き込んでおいた。

雰囲気大事。 魔法陣にはなんの効果もない。 

ただ、詳しい人が見ても怪しまれないよう、解析させない為に真ん中の魔石の術式で全体を偽装させてある。多分私しか全容はわからないはず…。


「ティー、ちょっとこれ使ってみて?」

「もう出来たのー? どうしたらいいの?」

「ここへ手をかざすだけでいいよ」

私の真正面に設置して、向かい合う形でティーに手をかざしてもらう。


「おー魔法陣が緑色に光ったのー。かっくいい!  目の前に数字がでた! 2億超えたー!」

「うん、私にも見えてる。 レウィからは見えないよね?」

「わぅー? 魔法陣が光ってるのだけは見える!」

「じゃあ成功だね! 後はこれを大量生産だ」

数が多いから、さすがに今日中には終わらなさそう。

参加者が多いらしいし、当然と言えば当然だけど。

ま、頑張りますか。



お昼にメイドさん達が運んできてくれた昼食を食べて、午後からも作業。

楽しいから苦にはならないけど、しっかり休憩を挟みつつ、目標の3割程が完成。

もう夕方だし、今日はこれくらいにしよう。 (うん、無理したらだめー)




次の日も私達は部屋にこもり作業を続けた。

途中、飽きたティーとレウィがお屋敷の中庭で走り回ったり、リアと未亜が私の採寸に来たり…。

サイズ把握してなかったっけ?念の為? 

「ちょっと、そこは…ふにゃぁ! リア! どさくさで何するの!」

「サイズチェックよ? ピッタリにしなきゃ。 ふむ、これはなかなか…」

「うぅ…もうやめてよぉ…力抜けるからぁ… はぁんっ…」 (……!)

「…お姉ちゃん、なんかヤバい…」

「なの…///」


リアのせいで力が抜けてしばらく作業にならなかったりもしつつ…。 

それでも3日目のお昼には目標数と、予備に5個ほど余分に完成。


シエル達の衣装はもう少しかかるらしいけど、今日中には終わるみたい。



メイドさんを呼んで届けてもらうつもりだったんだけど、昼食後に母さんがアキナさんと一緒に部屋を訪ねてきた。

「みんないい子にしてたー? 忙しくて顔出せなくてごめんね」

母さんは何をしてたんだろ…。 (ユウキ達のとっくんとか)

そうなの?アキナさんのお手伝いかと思ってた。

「私達も忙しかったからね、部屋にこもってたよ」


「アスカちゃんごめんねー。 数が多いから大変だよね…。できるだけでいいから」

「ちょうど届けようと思ってたんです。予備も含めて必要数は完成しました」

「…え?まだ3日目だよ? あったら嬉しいけど、間に合わなくて当たり前って無茶な数だったんだけど…」

えー。頑張ったのに…。 (ママはプロの職人さん)


「ちょっとアキナ、うちの娘に何させたの?」

「魔道具をお願いしたんだけど…予想以上に仕事が早かったからビックリして」

「まぁ、私達の娘だし」

「はいはい、そういうのは後にしてね。お姉ちゃんが惚気ると長くなるし」

「むー。 それで、アスカは何を作ったの?」

完成した魔道具を一つアキナさんに手渡す。


「これが完成品?あの適当な絵でよくここまで作ってくれたよー。想像より素敵だし!」

「これで何するの?」

「ふふー。お姉ちゃん、ここへ手をかざして?」

「うん? なんか光った! 8500万?何これ…」

「へぇーお姉ちゃんはそれくらいなんだ」

「ちょっと! なにか教えてよ」

「後でね! アスカちゃんは?」

「私は…」

「ほらほらー」

まぁいいけど…。魔道具に手をかざすと魔法陣が光り、数字が……だよね。

「文字化けして見えないよ! どういう事?」

「ママとお祖母ちゃんは、そくてーふのーなの! 強すぎるから」

魔道具が壊れなかっただけよかったよ。

魔石に負担かけてるのは間違いないからあまり私は使わないほうがいいのは確かだけど。


「なるほどね…あの数字は魔力ね?」

「近いけど、少し違うんだなー。 これはねー戦闘力だよ」

「魔力と何が違うの?」

「母さんなら知ってると思うけど、魔力だけでは測れない強さってあるよね?」

「スキルとか、経験とか?」

「そうそう、そういうのを全部ひっくるめた上での総合的な戦闘力が数字で出てるの」

「へぇ〜。便利だね…って! 私声に出しちゃったよ!」

「まぁまぁ、どうせボスとしてどこの階層へ配置されるかを決めるために、みんな測るから」

「ふーん…。でも誰にも言わないでよ?みんなもお願いね」

うちの子達もそれは当然理解してるから頷いてる。


50、45、40階層が私。 35階層、ティー。 30階層、リア。 25階層、母さん。 20階層、レウィ。

相談の結果、各メインボスが決定された。

ただ、相手はパーティーが殆どだし、うちの子達もそれぞれ相手の戦力に合わせて救援はすることに。

ボス部屋への移動は一瞬だし、準備ができるまでは、ボス部屋の扉を開かなければいいだけらしい。


「人として問題のある言動をする様な冒険者は叩き潰してね! その後の処理はギルドでするから」

「結構厳しいねー」

「仕方ないよ、問題が起きてからじゃ遅いからね」

私が絡まれたようなのが量産されたら、たまったものじゃないしなぁ。 (あいつら許すまじ…)

みんな、何らかの処罰を受けたらしいけどね。 (うん!)


アキナさんに、完成したアクセサリーも渡して波長の登録。魔刻刀で刻んで完成。

「ありがとう! うわぁ、素敵だよー。大切にするね」

「はい。そうして頂けると嬉しいです」

「それと、これってパーティー単位での戦闘力は出せる?」

「いえ、そのままだと個人だけです。必要ならカスタムします?」

「うん、上位パーティーの固定で組んでる人たちはそれもあると助かるよー」

「わかりました」

「明日までにできればいいから。慌てないでね」

とは言っても基本は完成してるから少し術式を弄るだけ。

今は手をかざした一人分の範囲を測ってるけど…魔法陣で範囲をわかるようにして、その中を測るようにすればいい。

ま、すぐ終わるよ。10個もあればいいでしょうし。 (それママの基準…さすが職人)

自称だけどね?



後はお祖母ちゃんとお祖父ちゃんにも作った魔道具を渡しにいきたいな。






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