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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第三章

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温かさにつつまれて



部屋へ戻って暫くして、両親とユウキ、お祖母ちゃんも部屋に集まる。

そこへアリアさんを連れた王妃様も到着。


さっきの謁見の時にした話をして、王妃様も同行するって説明をする。

「突然のことで申し訳ありません」

「家族に会いに行くっていうのなら反対なんてしないよ! ねぇみんな」

うん、母さんはそう言うだろうって思った。

みんなも母さんに同意するように頷く。


お祖母ちゃんだけは複雑な顔をしてたけど…。あれはアキナさんに会うことになるかもしれないからだろうね。

多分数百年か、下手したらそれ以上…会ってないんだろうし。


母さんはあちこち旅をしていた時に、女王になったアキナさんに何度か会いに行ってたみたい。

女王様は完全なドラゴン化できる唯一の姉妹で、潜在的な強さもおそらく一番高いと。

ただ、母さん曰く一番泣き虫で、甘えんぼだったアキナが?って当時びっくりしたんだとか。

「まだまだ私のが強いし、いつも負けて泣いてたからね」

ドヤ顔で妹イジメを話すのはどうなの? いや違うか。ドラゴンって強さにこだわるから仕方ないのかも。



今回もドラツーは魔術師の訓練場から離陸する。

同乗者は私達家族に、お祖母ちゃんと王妃様。それと今回は騎士様一は人で当然アリアさん。

全部で12人。

ティアねえ様は長老様がいるからお留守番。

不貞腐れてたけど、その後暫く私達について地球へ来る許可が出たからって諦めてた。


ドラツーをストレージから出して、意識下で船内の確認と、部屋数を人数に合わせて整える。

今こちらは冬だから少し暖かい雰囲気で統一した。暖色を基調にしてある。

「ティー、今回も専属パイロットお願いね?」

「うんっ! 任せてー」

てててっとドラツーへ先に乗り込んでいった。多分コクピットに行ったんだろうね。 (当たりー)


両親とお祖母ちゃんが、ドラツーにびっくりして質問攻めにされたのはもうお約束。


「さすが私の孫だわー」

お祖母ちゃんは純粋に褒めてくれたけど、両親は…

「私の娘が…規格外過ぎて頭がついていかないよ」

「……母さんで驚き慣れたと思っていたが、甘かったか」

「貴方は私をなんだと思ってたの!?」

「あ、いや…」

なんか揉めだしたし。


揉めてる両親を未亜とシエルが仲裁してくれてる。

今回はユウキもギルドに行かず同行してくれる。

「初めて行く国だし、姉ちゃんがやらかさないか心配だからね」

「大丈夫だよ! でも来てくれるのは心強いよ」

母さん達もいるからユウキの存在は本当に心強い。



王妃様は見送りに来た陛下やシルフィ様、王子と話をしてる。

今回はシルフィ様もわがままは言わなかったみたいだね。

海を超える事になる今回の距離は流石に王妃様とシルフィ様でも通信は届かないかもしれない。

なので…念の為、改良型簡易版の方を私とティアねえ様で登録しておいた。 念の為、だね。

「これがあればいつでもアスカと話せるの? やった…」

「うん。でも、人に見られない様にだけ気をつけてね」

「わかったよ!」

喜んでくれてるからいいけど…あまり頻繁だと困るかも?


この改良型簡易版通信魔道具、長いな…。作ったのには理由がある。

私達が持ってる通信魔道具、ファミリンをシエルとレウィのも用意しようかと思ったのだけど…。普段はファミリンを持ってる誰かと一緒にいるからって遠慮するんだよね。

だからせめて…と二人にも簡易版を持たせる為に改良した物。音での通知や緊急連絡ができるようにしてある。

まぁ私にしか繋がらないんだけどね。

遠慮しつつも二人は喜んでくれたっけ。

私は今回のを含めると腕時計が4つになるけど…流石に全部付ける訳にもいかない。

なので、ストレージへ。通信が来たら分かるから普段は収納しておく。



アリアさんは両手に持ってるマジックバッグの荷物を運び込みたいって事だったから、そのまま母さん達も一緒に船内へ案内することに。

荷物を持とうかと思ったけどアリアさんに固辞されてしまったので、倉庫へ案内だけした。

女王様への手土産とか、色々あるみたいだね。




ドラツー船内の部屋割は王妃様用のVIPルームと、その隣のアリアさんの部屋以外で好きに選んでもらった。

「母さん達はどうする?」

「私達は一部屋にしてもらってもいいかな?」

「うん、じゃあ部屋を広げてベッドも2つにしておくね」

「そんな事もできるの?」

母さんはびっくりしてるけど、それくらい意識下で一瞬。


「それなら私もいつもどおりアスカと一緒の部屋がいいわ」 (ティーも!)

ティーはいつも一緒でしょう? (うんっ! ふふー♪)

「リアちゃんズルい…」

「未亜も一緒にしてもらったらいいじゃない」

「お姉ちゃん…」

「わかったから。そんな不安そうな顔しない」

全くもう。自分の部屋があったほうが落ち着くでしょうに…。


「レウィと、シエルはどうする?」

「主様と一緒がいい!」

「うちも。でも散らかしちゃうから…」

あぁ、シエルは服作ったりしたいのね。そういう事なら…


「じゃあ、シエルにはアトリエルーム作ろうか?」

「いいの…? お姉様、ありがとう!」

私の部屋も広げて、収納やベッドも増やす。 

シエル用のアトリエルームも広めにして、ストレージから素材類も出しておく。

「姉ちゃん達は相変わらずだよな」

「私のせいでは無いと思うのだけど…。ユウキはなにか希望ある?」

「まぁ、そうだけどさ。 部屋は前のままで充分だよ」

なら少しだけ広げるくらいにしておくか…。部屋数は減ったし。


「みんな種族も違うのに…本当に仲がいいのね。みんな私の孫ってことでいいのかしら…」

お祖母ちゃんは私達を微笑ましく眺めてる。


そのお祖母ちゃんの部屋も希望を聞きながら手直し。ベッドは大きくして、室内にお風呂も設置。

一人でゆっくり入りたいって言ってたから。 お風呂が付いた旅館の部屋みたいなものだね。

「ありがとう、アスカちゃん。 私の家より落ち着くわ」

「それは良かったよ。のんびり寛いでてね。 あっそうだ、これ…お祖母ちゃんにお土産用意してたの」

遊園地で買ったお饅頭を手渡す。

「ありがとう、初めて見るわ。これは何かしら?」

食べ方とかを説明して一つ食べてもらう。

「…美味しいわ。 本当にありがとうね、あんな事したのに…」

そう言ったお祖母ちゃんに優しくハグをしてもらえて、温かさと幸せな気持ちで満たされる。

母さんや、リア達とはまた違った安心感。これがお祖母ちゃん…。

「ううん、私、お祖母ちゃんに会えて嬉しいよ。 お祖母ちゃんって初めてだから…」

「そう…私も孫って初めてだから。うまく接してあげられるかわからないけど、これからよろしくね」

「うん、よろしくね」

優しく笑顔を向けてくれる、見た目はお姉さんのようなお祖母ちゃん。

これから仲良くしていけるといいな…。



出発前にこれだけしておこう。 (メタいやつー)

そうだけどね!?言わないで。 (ふひひ)

えっと…今回の船内配置は、前から王妃様のVIPルーム、アリアさんの部屋。

今回は王妃様の希望で、アリアさんとの部屋同士を繋ぐ扉を室内に設置してある。

次にお祖母ちゃんの部屋、私達の部屋、シエルのアトリエルーム、ユウキの部屋、一番後ろに両親の部屋。


陛下達との話が終わった王妃様も乗り込んで出発! ティー、よろしくね。 (あーい!)


「みなさまーようこそドラツーへ。これからしばらく空の旅とかをお楽しみくださいなのー」

ティーの船内放送がかかり、王妃様が窓を開けて手を振ってる。途中でドラツーの偽装をしたから陛下達からは見えなくなってる。それでも手を振り返す陛下達があっという間に小さくなった。


予定としてはお祖母ちゃんの希望でまずお祖父ちゃんを迎えに行く。

それから女王様の治めるドラゴライナ王国へ。


お祖母ちゃんはめちゃくちゃ飛ばして来たけど、帰りは安全運転でって事だから数日の旅になる。

数日の距離を数十分で飛んできたお祖母ちゃんはとんでもない速さだよね。

「下が海じゃなかったらこんな無茶しなかったわ」って言ってた。

移動の圧だけで街とか吹き飛びそうだもん。ドラツーでもそんなスピードは出せない。

お祖母ちゃんかっこいい…。






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