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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第三章

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ツリーハウスの住人



母さん達の謁見はちょっと長引いてるみたいで、ユリネさんがお茶や軽食を持ってきてくれた。

メイドさんも忙しいみたいですぐに部屋を出てっちゃったからあまり話はできなかったけどね。


私の膝を枕にしてるレウィを撫ぜながらソファーで優雅なティータイム。

しかもお城の一室だからね。お金持ちにでもなったみたい。 (お姫様じゃないの?)

そんな柄じゃないもの。 (えー?魔王なのに…)



ユウキが王妃様のお誕生日に撮ったシルフィ様の写真を渡して、それを見たシルフィ様は大喜び。

絵とは違うものね。 ある程度のサイズで何枚か印刷してきたみたい。

「大きいのは店に頼んだんだけどさ、コスプレ写真だと思われて意外にあっさりしてたよ」とユウキが。

そう言われたらそう見えなくもないけど…。


写真を見ていたシルフィ様が思い出したように

「アスカ様、一つ確認したい事があるのですが…」

「はい、何かありましたか?」

「ツリーハウスの事なんですが、アスカ様は管理者の様な人か…なにか配置されましたか?」

そんな覚えは無いのだけど…。ティーがいる? (ううん、あそこはたまにしか人が来ないから)

その言い方だと最初はいたの? (最初だけー。つまんないからてっしゅーした!)

ふむ…。


「私も何もしてませんし、ティーもいないみたいです」

「そう…ですか」

「何かあったのですか?」

「ええ…。お母様のお誕生日に忙しくて参加できなかった聖女様が、話を聞いて見てみたいって仰って…」

あぁ…あのわがまま聖女様か。


「お母様に頼み込んで、騎士を数名つれて見に行かれたのですが、すぐ帰っていらして。何やら見たと…。

しかも、浄化も効かなかったって怯えて…」

「聖女様の浄化が効かないって事はそういった類の者じゃないって事ですね?」 

「はい。それで逃げ帰ってこられたみたいです」


なんだろう…。鍵が必要だから普通には入れないはずだし (ママ、髪が葉っぱみたいな変なのが居るの)

ティー、見に行ってくれたの? (うん、ママのツリーハウスだから変なの居たら追い出さないと)

いや、もうアリアさんに渡したから私のじゃないけど…ってそれより何がいるの?


「お姉ちゃん、ティーちゃんと話してるでしょ?」

「う…。 最近、未亜はすぐ見破るね?」

「お姉ちゃんのこと見てたらわかるよ」

そうですか…。


「シルフィ様、ティーが確認に行ってくれて、見つけたみたいです」

「ええっ! 何が居るのですか?」

「えっとねー、木の精霊?」

なにそれ… (説明するのー)


「ママが前回ツリーハウスを魔改造したときに、木に負担かけたからって魔力流してたから」

「また私のせいかぁ!!」

「…うち聞いたことがあるの。”大いなる魔力を纏いし大木には精霊が宿り森を守る。その精霊樹がある森は実り豊かとなり、森に住むすべての者にとっての楽園となる”って…エルフの言い伝えに。エルフにとっては神様みたいな精霊様なの。その森に住めばエルフは繁栄できるって。もうずっと現れたことのない精霊様…」

えー…


「姉ちゃん、またかよ!」

「……ごめん。色々イジって負担かけてたから木に申し訳なくて…わざとじゃないの!」

「お風呂入ってめっちゃくつろいでるのー」

「「「え?」」」

ツリーハウスに馴染んでるのね…。 (うん、話してみていい?)

危険がないのならいいけど、せめてお風呂を出てからにしてあげてね。 (はーい。実体のある方でいくー)

わかったよ。気をつけてね。 (はーい)




小さなドラゴン姿のティーを窓から送り出すと、ものすごい速さで飛んでいった。機動力よ…。

「アスカ様、詳しい話を私にも聞かせてくださいね?」

「ええ、勿論」



ーーーーーーー

ーーーー

ーー



「ママ、話せたよ!」

「ありがとう、大丈夫だった?」

「うん、ママの事も知ってたー。ありがとうってお礼言われたの」

「ん?どういう事?」


ティーが精霊から聞いた話はこうだった。


私が魔力を流したことで精霊として覚醒。 森や大地と繋がり、安定するのを暫く待って実体化。それから木と森を守っているらしい。

ツリーハウス内が充実してるし住みやすいんだとか。

ティーの魔力から、覚醒の発端となった魔力の持ち主だと気がついたみたいでお礼を言われたと。

波長が同じだもんね、私とティーは。 (うん!)


「お姉様凄いの。精霊様を覚醒させたなんて。さすが蒼白の癒やし手様。 エルフみんなの悲願が…」

シエルの話を聞くと確かにエルフにとってプラスになる精霊なんだろうけど。 (うん?)

ツリーハウスでお風呂入ったり、くつろいでる姿を想像したらね? (だらけたお姉さんだよ?)

だろうなぁ…。シエルやエルフ達が見たらがっかりしないか心配。 (大丈夫だと思うけどー)


聖女様達が来たときも別に攻撃したりした訳でもなく、びっくりした聖女様が一人で暴れてただけらしい。



「ティー様、私達はどうしたらいいのでしょう?」

「えっとねー気にしないで欲しいって。森に行ったり、自由にしてるからって。ただ、ツリーハウスは使わせてほしいっていってるの。ある意味ツリーハウスが本体だし」

「わかりました、お母様にも報告しておきます。 エルフの方々には連絡した方がいいのでしょうか…」

そっか、前回の事があってから正式に協力関係を結んだって王妃様が言ってたもんね。


「それは好きにしてーって。ツリーハウスのある森からは出られないからって」

「でしたら判断はお母様に任せます。アスカ様もそれでいいですか?」

「私は大丈夫ですけど…シエルはどう思う?」

「伝えるだけでもしてもらえると…みんな喜ぶの」

「わかりました。それもお母様に伝えておきます」

政治的な話になるのなら私にはわからないからね。



また迷惑かけちゃうなぁ…。 (精霊の存在はみんな喜ぶよー?)

まぁ、マイナスになることはないと思うけど。 怒らせない限りは…。 (ツリーハウスがあれば大丈夫)

どれだけ気に入ったのよ。 (ペントハウスで優雅に過ごしてるの)

私が壊そうとしない限り壊せるのは…お祖母ちゃんくらいかな? (そんな事しないと思う)

だよね、優しいドラゴンだし。 (ママをいじめたのは忘れないの!)

それはもう許してあげて。 (むぅ…)






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