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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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閑話 義妹



「未亜ちゃん迎えに来たよ!」と

誰?どういう事?


「お母さんから聞いてない?今日から未亜ちゃんもうちで同居する家族になるんだよ」

あぁ、そんなメールがあったね。


「引っ越しの手配は済んでるから行くよ!」

え?ちょっと…私学校から帰ったところで…

「うん?だから家に帰るんだよ!」

???え?


結局そのまま女の人の車に乗せれられて

運転手は、知らない男の人

10分もかからず家?についた。


「ここが未亜ちゃんの新しい家だよ!」

え……。お、お邪魔します。


「ただいまっていうんだよ!」

た、ただいま。知らないお家。


すごくグイグイくるのは苦手だけどうちの母親より温かい気がした


「え、母さん?お、おかえり」

「ただいま! 久しぶり!」

そう言ってハグしようとした女の人は男の子に避けられた。

「そういうのやめてってば」


男の子と目があった。

どうしよう…

「こ、こんにちわ…」

「こんにちは! 母さんこの子は?まさか隠し子?」

「違うよ! 私の親友の娘さん! 可愛いでしょ」


「そうなんだ?僕はユウキ、よろしくね」

「未亜です。よろしくお願いします」

優しそな男の子だ。私と同い年くらい?


「ユウキ、アスカは?せっかく帰ってきたのに出迎えてくれないの?」

「ア、アスカ兄ちゃんは今いないよ」

「そうなんだ。帰ったら驚く発表があります!」

「そ、そうなんだ…」


目まぐるしく進む会話に唖然として玄関で固まってたら、女の人に”早く入っておいで〜”って言われた。


知らないお家、緊張する…ホントに私ここに住むの?


それから少ししたら運転してた知らない男の人も家に来た。

あ、ここの家のお父さん?失礼しました。


私を迎えに来てくれた女の人が奥さんらしい。お姉さんみたいに若々しいな…。

それに息子さんが二人。ユウキ君は私の一つ下。

今帰りを待ってるもう一人が私の一つ上でアスカさんと言うらしい。


帰りが遅いからユウキ君だけ先に説明を聞く。

私がこれから一緒に住むこと、ユウキ君のお姉ちゃんになるよ と。


私に弟?それにアスカさんはお兄ちゃん?

どんな人なんだろう。

あれユウキ君が手招きしてる。

なんだろう?



2階に上がり私の部屋になる場所を教えてくれた。

使ってない部屋だからここを使っていいんだって。


隣がアスカさんの部屋で、その向こうがユウキ君の部屋?

「わかりました、ありがとうございます」

「もう家族なんだし敬語使わないで?普通でいいから。僕もそうするけど。いいよね?」

「うん。そういう事なら…」


「あの、未亜さん?未亜さんにお願いがあるんだ。突然でホントにゴメンなんだけど…」

「私にできる事?」

「うん、あ、無理にとは言わないから聞くだけでも。ダメかな?」

上目遣いやめて〜中性的な美形でその仕草はダメ!


「わかった、取り敢えず聞くよ」

「ありがと、助かるよ。えっとね、うちの兄ちゃんの事なんだけど」


うん?まだ帰ってきてない私のお兄ちゃんになる人?

「アスカさんの事?」

「そう、訳あって何日か帰れないんだけど…父さんや母さんに言えない事情があって」

アスカさん不良疑惑!?優しいお兄ちゃん期待したのに…


「未亜さん?多分考えてる事と違うからね?」

「不良で遊び歩いてるんじゃ…」

「違うから! ちょっと人助けをしたらそのまま頼られて、帰るに帰れなくなってるみたいで…」

なにそれ…すごくいい人?


「お人好しで優しいお兄ちゃん?」

「あーうん、お人好しは合ってる。優しい…も合ってるな。怒ると怖いけど…」

「わかったよ。協力する。かわりに私からもお願い」

「うん?」

「アスカさんの事たくさん教えて。帰ってくるまでに。勿論ユウキ君のことも教えて欲しいな。お兄ちゃんと弟になるんだから」

「わかった! なんでも〜は兄ちゃんの許可がいるけど話せることは話すよ」

「ありがとう!」



私はこの時気がつかなかった。


友達といる訳じゃないほぼ初対面の相手に


自然に笑って

自然に話して

お願いを聞いて

お願いをする

それができてることに


友達とはまた違ったその温かさに



そして私は初めてできた弟とちょっとした秘密を共有した。


お兄ちゃんになる予定の人に関する秘密。



「それでね、兄ちゃんが暫く帰れない上手い言い訳何かないかな?」

いきなり難題!


「えっと、どれくらいで帰れるの?」

「それは…正直わからない」

「難題過ぎるよ!?」

「わかってるんだけど…。あ、でもね。母さん達のが先に出かけるかもしれない。長くいても2、3日だと思う」

「どういう事?」

ユウキ君から聞いて、彼の両親も仕事で留守がちで今回もかなり久しぶりの帰宅だったと知った。



なんだ…うちと一緒か…



ううん。違うよ! 弟がいる。まだ会ってないけどお兄ちゃんも。だから独りじゃない。

もう独りはいやだよ…


「いい案が出ないね…」

「ごめんね、未亜さんまで巻き込んで…普段はもっと早く帰るんだけど」

「いいよ。と言うか、普段はって。そんな頻繁にアスカさんはでかけてるの?学校は?」

「あ、いや…そう言う訳では、無いんだけど、ね?」

なんか隠してるなぁユウキ君。…ちょっと悲しい。


「あの、えっと兄ちゃん帰ったら話してくれるかもだから…」

「わかったよ。じゃあ、案も出ないしアスカさんの事を聞かせてくれないかな?」

「そうだね、気分転換にもなるし、いいかも」


そうしてユウキ君からアスカさんの話をたくさん聞いた。

お兄ちゃんが大好きなのがたくさん伝わってきた。


私もユウキ君のいいお姉ちゃんになれるかな…。


いや、ならなきゃ。そしていい妹にも。


こんなに前向きになれたの何時ぶりだろう。

もう独りになりたくなくて、必死なのは自分でもわかってる。


でも それさえも楽しくて嬉しいから。


失う怖さが無い訳じゃないけど…なんとなくそうはならない。



そんな予感がするから。





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