お土産って悩むよね
お土産屋さんも覗きつつ二人が興味を惹かれたアトラクションをいくつか乗った。
メリーゴーランドに、子供用のジェットコースター。
怖がるかな?って思ったけど…大はしゃぎしてた。
よく考えたらスピードには慣れてるよね。ティーもドラツーを飛ばしてたわけだし。
身長制限に引っかからないジェットコースターをいくつか乗って、少し休憩。
飲み物とポップコーンを買ってベンチへ
「自分で飛ぶのとは、また違ってこれはこれで楽しいわ!」
「もう少し速さがほしいのー」
いや、これ以上スピード上げたら危ないから…。 (ちぇー)
「二人とも疲れてない?」
「全然平気よ! 次はどれにしようかしら…」
「ティーも!」
「それならいいけど…」
反動が心配だわ。
パンフレットを見つつルートを決めて移動。
映画みたいなショーをやってたからそれを見る。
爆発とか演出がすごい。私の魔道具花火と違って本当に炎だから迫力が…。
リアとティーは興奮して見入ってた。
途中、リアが興奮しすぎて魔力を纏って飛び上がりそうになり慌てて止めたりとか、波乱のショーだった。
さすがに興奮しすぎて少し疲れたのか、リアがちょっと眠そう。
身体強化でも睡魔までは防げないか…。
二人を連れてとある建物へ。
「ママ、ここは?」
「部屋を借りて休憩できるんだよー。ここで休みながらお弁当にしようかと思ってね」
「ママのお弁当!」
「アスカの手作りかしら?」
「そうだよ、食後はお昼寝してもいいからね」
ホテルの一部屋を閉園まで借りておく。一度借りておけばいつでもまた来れるし。
園内だけあって中も可愛くしてあるね。
家族部屋は埋まってて、少し高めのいい部屋を取った。
普通はカップル用なんだろうと安易に想像はつく。
「すごいわ! 遊園地が見渡せるのよ!」
「おー。あれさっき乗ったやつなのー」
エレベーターで結構上がったもんなぁ。夜景もきっとキレイなんだろうね。
二人が窓から園内を見下ろしてる間にお弁当を出しておく。
飲み物は室内設備をかりて紅茶を淹れる。
「お弁当たべないのー?」
「「食べる!」」
サンドイッチに、エビフライや肉団子も串に刺して入れてきた。
「ママのご飯ー♪んま〜」
「アスカのお母様のご飯も好きだけど…私はアスカのご飯が好きよ」
「ふふ、ありがとね」
作ってきたかいがあるよ。
二人が食べるのを見ながら私もサンドイッチをつまむ。
午前中に乗ったアトラクションの事とかで二人が盛り上がってるのを聞いてたんだけど…。
リアが途中で限界。ウトウトしだしたからベッドへ寝かしてあげる。
「ティーも少しお昼寝したら?」
「うんー。ママは?」
「私ものんびりしてるから大丈夫よ」
それを聞いて安心したのかティーもお昼寝。
あまり寝すぎて時間がなくなったらショックだろうし、ある程度で起こしてあげないとね。
デジカメやスマホで何枚も写真を撮ったのを確認しつつ、母さんに数枚メールで送る。
すぐ返事は帰ってきた。 うん。喜んでるね。
紅茶を飲みつつのんびり。
遊園地に居るって忘れそうになるよ。
窓から見下ろすとすっごい人。さっきまであっちに居たんだよね…。
二時間ほど寝かしてあげたところで、ティーを起こす。
ここでリアに寝ぼけて襲われたら後が気まずくなりそうだし、ティーに起こしてもらわないとね。
「ママおはよぉ…」
「おはよ、そろそろ遊園地の続き行こうか?」
「…おー! 遊園地にいたんだった! リアー!」
また飛び乗るのね…。
「ぐえっ…ティー?なによもぅ…」
「遊園地の続き行くの!」
「…はっ! そうよ、今何時?」
「15時前だよー。まだ時間はあるから大丈夫」
「よかった…夜だったらどうしようかと思ったわ」
そんな残念な事やらかさないよ!
部屋は借りたままなので、暗くなったら一度夜景を見に来る事にして、またアトラクションを回る。
ただね?この子達絶叫マシン大好きなんだよ…。
前後に揺れる海賊船とか、一度なんて微妙にティーの背が足りなさそうだなって思ってたら…身長測るまでの間に伸ばしてたのには流石に笑うしかなかった。
「ティー?」
「ふいっ…」
「まったくもぅ…」
確かに自在なんだろうけど…ちょっとズルい気がするわ。 (一回だけ…)
せっかくの遊園地だし、いいよ。楽しまないとね? (ありがとーママ!)
ここに来るきっかけの観覧車も当然乗った。
「すごい、人が砂粒みたいだわ」
「見ろー人が砂のようだー!」
そういえばこないだそのアニメ見てたね…。
父さんがウロウロして邪魔してたけど。
夕方になったから、お土産も色々買い込んだ。取り敢えずは手に持っておく。
どこでストレージに入れるかが問題だな。こういう所って監視カメラ多いし。
家族みんなへ色々なお菓子をたくさん買った。奈々と麻帆にもお菓子の詰め合わせ。
フィリアータへはお祖母ちゃん達にはお饅頭。なんとなくだけど…。
王妃様やティア姉様達には向こうでは見ないようなゼリーとかを買ってみた。
リアとティーはお手伝いをして、母さんからお小遣いを貰ってきたらしく、自分でお買い物したいって。
ここのキャラクターがよほど気に入ったのかリアは例のクマのぬいぐるみを選んでた。きっとまた私のベッドに乗るんだよね。 前に買ってあげたぬいぐるみも私のベッドにいるし。
またそのうちベッド広げなきゃかなぁ…。もういっそ部屋ごといくか…?
ティーはいくつか試食した後、お気に入りのお菓子を見つけたみたい。
それと、気に入って何度も乗った絶叫マシンのミニカー。良くできてるねこれ…。
ただ…レールごと走るミニカーの形は納得いかない。 (レールが無いと何かわからないの)
それもそうなんだけどね?
シエルには追加でパレードやアトラクションで使う特殊なデザインの服がのってる写真集。
あの子が服を作る時の何かヒントになればいいなと。
パレードが始まるまでもう少しあるから一度部屋に戻ろうってことに。部屋から夜景も見れそうだし。
ロビーで鍵を受け取ろうとしたら
「お客様、よろしければお土産の輸送サービスもこちらで承っています」
そんなのもあるのか…ただそれだと明日、お土産が必要な私達には間に合わない。
でもストレージへ入れて帰りに手ぶらなのも不自然だしなぁ。
悩んだ末に部屋で詰めるからって箱を貰った。
「お部屋の電話からご連絡頂ければ受け取りに伺います」
「ありがとうございます」
ストレージから適当なものを詰めて輸送を頼めばいいか。
コンビニで買って持ち歩いてる、日持ちするお菓子とかを適当に詰めて宛先を書いてスタッフの人を呼んで箱を手渡した。
明日フィリアータへ持っていくお土産はストレージへ。
リアはぬいぐみの輸送を断固拒否。
「可哀想よ! そんな中に詰めるなんて…」
持ってたいって言うから無くさないようにと汚れないように魔法だけかけておいた。
「ママ、それティーのにも」
「いいよー」
例の変わったミニカーにもかけてあげた。
暫く夜景を部屋から眺めて過ごす。
「昼間と全然違って見えるわね」
「乗ったのがどれかわらないのー」
まだほんのり明るいけど夜景はきれいに見えた。
「そろそろパレードを見に行こうか」
「そうね…。締めくくりのパレードは絶対に見ないと。 一日があっという間だったわ」
「楽しいと早いのー」
私も一日が早く感じたから…きっとそういう事なんだろう。 うん、楽しかった!
部屋に忘れ物がないか確認して私達はパレードへ向かった。




