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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第三章

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遊園地の中には



翌朝、土曜日の早朝。キッチンでお弁当の仕度。

悩んだけど、食べやすいよう小さめのサンドイッチにした。

そのかわり挟む具材は豊富にして種類は多め。フライとか摘める物も入れた。

お弁当箱に詰めてストレージへ入れておく。

落ち着いて食べられる場所が確保できるとも限らないからね。気軽に食べれるものがいいかなと。



途中、未亜も起きてきて少し手伝ってくれた。

「ありがとね、未亜」

「ううん、あまり手伝うとティーちゃんガッカリしちゃうかもだけど…」

「それは大丈夫だと思うよ」


「お姉ちゃん。はいコレ」

「うん?この服、私の持ってるのじゃないよね…」

「シエルちゃんとお姉ちゃんに似合いそうなの作ったから」

「そんなことしてくれたの!?大変だったでしょ」

「それが、そうでもなくて。シエルちゃん凄いんだよ?ミシンもないのにすごい速さで作るから」

そういえばあの子は裁縫系のスキルを色々待ってたね。今回の魔力不調が心配で鑑定した時にみたわ。


「ありがとう、シエルにも改めてお礼言わないとだね」

「うん、お姉様喜んでくれるかな?って頑張ってたから」

そっか…ありがとうシエル。


そんな二人が用意してくれたのは赤いタータンチェックのミニスカート風ショートパンツに、長めのシャツ。アクセントに鎖とか安全ピンがついてて…所謂パンクロック風なデザイン。それに網タイツ。

この短さでスカートだったら抵抗感がヤバかったよ…。

わかってるから避けてくれたんだろうけど。 (ママおはよー!)

おはよーティー。リアは? (起こしたの! 今から着替えるの)

わかったよ。部屋に行かないほうがいいかな? (うん。後でのお楽しみ)

りょーかい。


「お姉ちゃん、ティーちゃん達も起きたんだね?」

「また顔に出てた?」

「うん、わかりやすいから」

気をつけたいけど、難しいな。意識してる訳じゃないから。


私は洗面所で着替えを済ませて、いつもの化粧リングをつけたんだけど…服に合わない。

仕方なく、最近本を見ながら練習してた化粧を試す。

服に合わせて少し濃い目に。

スカートが赤だし、前髪を右側の一束だけ魔法で赤に染めてメッシュにしてみた。

うん、大丈夫かな?未亜にも確認してもらおう。


リビングへ戻ると母さんも起きてたから二人に化粧を見てもらって少し手直し。

未亜がポニーテールに髪も纏めてくれた。

「お姉ちゃんかっこいい!」

「雰囲気変わるねー。それも可愛いよアスカ」

「ありがと…」

なんか恥ずかしい。


ティーとリアも起きてきて、二人の姿にびっくり。

二人ともお揃いのパンクルックなんだもん。シエルどれだけ頑張ってくれたの?

ティーは私と同じような色とデザインで、下は動きやすいようにかチェックのハーフパンツ。

リアは私とデザインはお揃いでスカート部分が色違いのブルー。


私が髪を染めてるのを見てやってほしいって言うから二人にも。

ティーはピンク、リアは濃いブルーでメッシュに。

二人も母さんと未亜に化粧をしてもらって、準備完了。


シエルも起きてきて着替えた私達を見て喜んでた。

「みんな素敵なの! 髪の色もオシャレでかっこいい」

「シエルの作ってくれた服に合わせてみたよ。作ってくれてありがとね、シエル」

「うん! またつくるの」

これはお土産奮発しないとだね。


母さんにデジカメを渡された。

「思い出をいっぱい撮っておいで。それで見せて!」

あぁ…母さんが見たいのね。了解。

その母さん達はフィリアータへ持っていくお土産とかを買いにモールへ行くんだとか。

お城の陛下や王妃様へと、母さんの両親へのお土産だね。

私は遊園地で買うつもり。


出かける時間になってもユウキと父さんは起きてこないから見せられなかった。仕方ないね。


レウィは出発ギリギリに起きてきて

「主様…? 雰囲気が違って魔力でしかわからなかった」

化粧も相まっていつもとかなり違うから仕方ないか。




8時少し前、三人で家を出る。

駅まで手をつないでのんびり歩く。

「二人ともゆっくり眠れた?」

「ええ。大丈夫よ! 楽しみだったからすぐに寝れたわ」

そういうパターンもあるのか。

「ティーもぐっすり!」

「そっか、でも疲れたら早めに言うんだよ」

「わかったわ」

「はーい」

念の為家を出るとき、二人へこっそり身体強化をかけてきたけどね。疲れにくくなるし…。 (知ってた!)

まぁティーにはばれるか。 (うんっ)



駅前のコンビニで、チケットと飲み物を買う。電車に乗る時間も長くなるからね。


駅から専用の電車に乗る。降りる駅は遊園地の為だけにある駅。

降りたら遊園地が目の前っていう直通だから、電車が駅へ停車する度に車内へカップルや家族連れが増えてくる。

ティーとリアは窓から外を眺めてる。二人は電車に乗るの初めてだし。

車はお買い物へ行くときに乗ったらしいけど。

父さんの車は大きめのワゴン車だからみんなが乗っても余裕がある。



「凄いわねコレ、景色が飛んでいくわ…」

「早いー。 でもママのドラツーのが早いの」

「アレと比べたらダメよティー。私だって飛んだらコレよりは早いわよ?」

ドラゴンなら新幹線よりも早そうだもんなぁ。

ただ電車が走るような低空を飛ぶことなんてないから、こっちのがスピードを体感しやすいのかも。


一時間ほど電車に揺られ、降りる頃には車内はすごい混雑だった。

「こんなにどこに人がいたのよ…」

「あちこちー?」

ここ迄の混雑は普段はなかなか体験しないものね。


慌てて降りても危ないし、落ち着くのを待って下車。

入園の列に並ぶ。

「思ってたより人が多いなぁ」

「……多すぎよ。王都よりずっと多いわ」

「はぐれたら大変なの」

「手をつないでおこうね」

魔力を辿ればすぐに見つけられるけど、短時間でも独りにして不安にさせたくはない。



あんなに並んでたのに、それほど待たずに入園ゲートをくぐり、園内へ。

入ってすぐの所にはお土産屋さんがいくつも並んでるから二人が目移りしてる。

「見るのはいいけど、買うのは帰りにしようね?荷物増えちゃうし」

「マジックバッグ持ってきてるわよ?」

「おおっぴらに使えないから…」

「そう言えばそうね、わかったわ…って!! アスカ、モンスターよ!」

「え?」

まさかこっちに!?って思って振り返ったら…着ぐるみかよっ! (ママ?)

イヤだって…。


「アレはここのキャラクターの着ぐるみだから大丈夫。ほらパンフレットに乗ってたでしょう?」

「そういえば見た気がするわ…危険はないの?」

「大丈夫、ティーの着ぐるみパジャマみたいなものよ」

「そうなのね、じゃあ近くに行ってみたいわ」

「ティーもー」

二人を連れて青いクマの着ぐるみの元へ。


写真を撮ってくれるらしいから、カメラを渡してスタッフさんに撮影してもらった。


クマに撫ぜられて嬉しそうにしてるのガチのドラゴンなんだよなぁ…。 (ウケる)





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