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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第三章

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フライデーナイト



一週間、学生としての本分を頑張り、まぁ1日休んだけど…。 今日は金曜日。



この一週間、私とユウキに何度も召喚魔法陣が襲いかかってきたけど魔道具がしっかり打ち消した。

それを見てた母さん達も魔道具の効果に安心しつつも、自分達のせいで私達が頻繁に召喚されていたっていうのを目の当たりにして落ち込んでた。

ただなぁ…今回のは頻度が多すぎる上に全く同じ魔法陣だったんだよね…。

私が気にしてたらティーが解析をしてくれるって張り切ってた。

フィリアータから帰って、落ち着いてからでいいって言っておいたから、その時に結果を聞こうかな。


他に私がしてた事といえば、召喚獣を出せるかどうか試したくらい。

地下で呼ぼうとしたのだけど、一切手応えがなかった。

地球だから呼べないだけなのかわからないけど…異世界へ行ったらもう一度確認してみなきゃ。

あの子達に会えないのはヤダし…なんとかしないと。



シエルの魔力もあれから乱れる事もなく安定してるし、こっちの生活にも随分と慣れたみたい。

母さんが買い物へ行くときには毎回シエル達を連れて行ってくれてたらしく、こちらの服も色々買ったり、見れたって喜んで報告してくれた。新作の服も見せてくれたよ。

母さんもシエルに服を貰ったのだとか。すごく喜んでた。

シエルの裁縫技術はすごいからね。

私が連れて行ってあげなきゃいけなかったのだけど…これ以上学校休めないから母さんに感謝。


そんなシエル作、ツナギのような服を着て、腰の部分に小さなポシェットを付けたレウィ。

ポシェットは勿論ワッペン式のマジックバッグになってる。

レウィは朝晩、父さんのランニングについて行ってお散歩するのが日課になってる。

何度か私も付き合ったけど、フェンリルって忘れそうになるくらい犬として馴染んでて…。

本人は大丈夫なのか気になったのだけど、楽しんでいるみたいだから気にしない事にした。



もう一つ、大きな変化としては母さんが髪と目の偽装をしなくなった事だろうか。

私がこの姿だから違和感が無いようにって事らしいけど…。

「髪を染めるのをやめてカラコンを外した〜って設定よ」

「設定って…そもそもあまりこっちに居なかったからあまりご近所付き合いもなかったんじゃ無いの?」

「ううん、アスカたちを置いていってるし、帰ったときにはご近所に手土産持って挨拶にいってたから」

そんな事までしてくれてたのね…。 だから近所の人達に挨拶されたり、元気にしてる?とか世間話で話しかけられてたのか。

今までは知らないままだった母さん達の気遣いをまた一つ知ることができた。




ユウキのお誕生日は来週の水曜日、買い物とか下準備は済ませてあるから大丈夫。


土日は連休になるけど、土曜日はリアと約束した遊園地へ連れて行ってあげたい。

じきに梅雨だからその前にね。日曜は母さん達をつれてフィリアータへ向かう。

なんか毎週末が過密スケジュールなのは気のせいじゃないよね。


「と言う訳でリア、ティー。予定を立てましょう」

「突然何よ?順番に話してくれないとわからないわ」

金曜の夜、夕食後に部屋で寛いでるリアとティーに話を振る。

未亜には予め話をして協力を取り付けてある。シエル達を置いていくことになるからね。

レウィは今、父さんとお風呂。あの二人仲がいいんだよね。謎だけど…。


「リアが行きたいって言ってた遊園地なのー。ママが土曜日に行こうって」

「そうなの!?」

「うん、日曜はフィリアータへ行くでしょ?それにそろそろ梅雨に入るから、雨が続くからね」

「梅雨前線がーとか言ってたやつかしら」

「よく知ってるね。 梅雨が開けると本格的に暑くなるし、行くなら今かな?と」

「わかったわ! でもシエル達は?」

「約束だと、私とリア、ティーで行く事になってたでしょう?」

まぁ、まだあの時は居なかったからだけど…。勝手に私が予定を変えるわけにいかないからね。

一応、リアはデートって言ってたし。


「アスカの気持ちは嬉しいけど…シエル達に我慢させるのはイヤよ」

「いいのー?デートって言ってたのに」

「だって、雨が続いたり、暑くなって出かけにくくなるのに…」

リアってこういう優しい子だったね。


「うーん、暑くなった夏には、また違った楽しみもあるから、その時には家族みんなで行こうって思ってるよ」

だって、遊園地にレウィ連れていけないもの…。仮に入場が大丈夫だったとしても乗り物には乗れないし。


まだ納得行かない感じのリアに、海水浴や夏祭り…本物の花火や屋台のことを教えてあげた。

「こっちはなんでそんなに楽しいイベントが盛り沢山なの!?全部行きたいわ」

「そうだね、みんなで行こう? だから今回は約束通り、ね?」

「わかったわ! ありがとうアスカ!」

「うん、抱きつくのもいいけど予定立てようか?」

「ええ!」

嬉しいと抱きつくのは姉妹共通だね。


うちから遊園地へは電車で一時間ほど。

未亜の時みたいに待ち合わせはしないでうちから一緒に出発。

小さいティーもいるからね。リアも見た目は学生にしか見えないし…。 (ママも)

そうでした…。




遊園地のパンフレットを見ながら予定を立てていく。

朝のオープンから入って、最後のイルミネーションパレードまで見て回る。

二人ともそこは譲れないらしい。


帰りが遅くなるし、多分二人とも電車で寝ちゃうと思うけど…。その時はその時だ。

楽しめるようにしてあげないとね。


チケットはユウキがネットで調べてくれて、コンビニでも買えるらしいから、駅までの通り道にあるコンビニで買っていくつもり。


服は、”今回も私達に任せて!” って未亜が張り切ってた。

コーディネートしてくれるらしい。 未亜は私のタンスの中身を把握してるのかな?



乗り物系は二人の背が低いから乗れるものが限られてくるけど、身長制限の無いものもあるし大丈夫。

見て回りながらどれに乗るかを選びたいらしい。

きっと人気なのは並ぶことになるけどそれもまたいいか。


お弁当は私が作る。

それを聞いた母さんはがっかりしてたけど…ティーが私のご飯食べたいって言ってたし、ここは譲れない。

「いつの間にか本当に母親みたいになっちゃって…」

そう母さんにいわれて、聞いてた父さんがえらく落ち込んでいた…。知らんし。



「じゃあ、朝は8時に出発ね。寝坊しないように」

「わかってるわ、楽しみだけど…ちゃんと寝ておかないと」

「お昼寝できないのー」

まぁ、どうしてもーって時はアテがあるけど。


遊園地なんていつ以来だろう? 小さいときに行った気がするけどあまり記憶にない。

パンフレットを見てても知らないアトラクションばかりだった。

私もせっかくだから楽しまないとね。





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