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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第三章

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加減って難しい



お昼休み、今日は母さんがお弁当を持たせてくれている。三人分を重箱で…。

そういう訳なのでユウキと未亜も一緒に食べる事になる。

ストレージに入れてきてるから、目立つとこで出せない。悩んだ末に使われていない空き教室に来た。


私が出した重箱を見て

「母さん、これはやりすぎだと思うよ僕は…」

「流石お姉ちゃんのお母さん…」

ちょっと未亜? (加減を知らない母娘…)

心当たりがあって否定できないのが悔しい!! (そんなママが好きなのー)

…喜んでいいのかしら。


母さんのお弁当は和洋折衷の豪華なもので…それはもう美味しかった。

文句を言ってたユウキも喜んで食べてたしね。 (ティーたちも美味しいお昼ごはんなの)

それは何より。 (でもね、ティーはママの作るご飯も食べたいの…)

また作るから大丈夫だよ。 (うんっ!)


五段の重箱もきれいに空になって、またストレージへしまう。

「さすがに苦しい…」

「あれだけ食べたら、そうなるよ」

「いや、姉ちゃんたちが食べなさ過ぎだから!」

母さんは多分、私が男だった時の量で作ってるな…。それか単にノリと勢い。

減らすように言っておかないと、またユウキがお腹パンパンになるね。


「残したら母さん悲しむかなって私も頑張ったんだよ?」

「姉ちゃんは兄ちゃんだった時より本当に食べないもんなぁ…」

「その頃のお姉ちゃんを見てみたいよ」

「未亜は学校で見かけたりした記憶はないの?」

「うん、写真で見た姿を朧気に覚えてるくらい…?」

強制力つよいなぁ。 (呼んだー?)

いや、ティーが頑張ってくれたなぁと。 (うん…?)


「僕はまだ記憶はしっかりあるなぁ。 だから…母さんが言うみたいに元から女の子だったって言われても、ね?見た目は納得するけど…。 判断に困るよ」

「そうだよね…やっぱりまだ違和感がある?」

「いや、それは大丈夫かな。 記憶があるだけ。だからそんな不安そうな顔しないでよ」

そんな顔してたのね私…。


「ユウキ君はまだお姉ちゃんになった事に納得できないとかあるの?」

それ、私が一番気になるやつ…でも聞きたくても聞けない。怖くて…

「…う〜ん。姉ちゃんが納得してるならそれでいいって思うよ。ただ…」

!?

「姉ちゃんが、まだ納得できない、戻りたいって思うのなら全力で協力はするよ」

「…ユウキぃ…」

「姉ちゃん、姉弟で抱きつくのはダメだって! 離してよ」

だって…ねぇ。

思わぬところでユウキの本心を聞けて、安心したから…。





放課後、ユウキは友達と遊びに行くらしいから、未亜と二人で下校。

「未亜、ちょうどいいし、ユウキのお誕生日の買い物付き合って」

「勿論いいよ。私達はお料理担当だよね?」

「うん、だからその材料かな」

「何にするの?」

「悩んだんだけど…母さんも多分色々と作ると思うんだよ」

「確かに! これからは家にいてくれるならそうなるよね」

「だから私はユウキが食べたがってたものを作ろうかと」

「うん?カレーとか?」

「茶碗蒸しだよ」

「あー言ってたね。お姉ちゃんの茶碗蒸し私も気になるよ」


そんな訳でスーパーに寄って、卵や鶏肉、エビなど定番の具、うどんの入ったやつってユウキは言ってたから、うどんも。

ストレージに入れておけば傷まないのって本当にありがたい。

後は母さんとも相談しようと思う。作るものが被ったらつまらないしね。

未亜は私のつくる茶碗蒸しのレシピを覚えるって張り切ってた。



帰宅後、夕食の仕度をしている母さんを手伝いながらユウキのお誕生日の話をする。

「勿論考えてたよ! 一緒にいられるからね。ケーキも焼くから手伝ってね」

「うん、私と未亜は茶碗蒸しを作るつもりなんだけど…」

「ユウキ君が食べたいって言ってたから」

「…ユウキって茶碗蒸し好きなの?」

母さんはあまり私達の好き嫌いを把握していないものね。


私は知る限りのユウキの好みを母さんに教えてあげた。

「ありがとう、アスカ…。ずっとユウキを見ててくれて」

「いや、私もユウキに何度も助けられてるからね」

「そっか…」


「私もお姉ちゃんとユウキ君の好み覚えなきゃ!」

未亜はそう言って私の話をメモしていた。


私達が茶碗蒸しをつくるなら、と母さんは和風のオードブルを作るらしい。

煮豚や、天ぷらとかね。私も母さんの味付けを覚えるチャンスだからがんばろうと思う。




今日の夕食は筑前煮。

母さんは和食が一番得意みたい。父さんの影響だよねこれ。

未亜は愛だね! とか盛り上がって母さんは照れてたけど…。


夕食を食べながら話しておかなきゃいけないことを報告。

「母さん達をつれてフィリアータへいくなら、お城に許可をもらわないといけないから私は一度向こうへ行ってくるよ」

「ママ、それならもう許可もらえてるの」

「え…? ティーどういう事?」

「ママから貰った指輪のおかげで向こうのティーが実体化できたから!」

一度向こうへ行ってからしかできないと思ったのに…。 (意識のリンクができたからー)

てことは、一度ティーは向こうへ行ったってことか。 (うん!)

そうなると、もしドラツーを置いてきてたら私も…。 (意識するだけでいけちゃう?)

ヤバいな…。 驚かせるだろうからやらないほうがいいね。 (臨機応変?)

まぁそうだけど。



「姉ちゃん、二人だけで話してないで説明してよ…」

「あ…ごめん。つい」

心の中だけで会話成立しちゃうからやりがちだよなぁ。 (便利ー)


みんなに、一通り説明。母さん達にはドラツーの説明からしなきゃいけなくて大変だった。

「ある程度は聞いていたけど…アスカって何者なの!?」

「魔王だろ? たぶん俺たちが苦労した魔王よりヤバいぞ?」

そうなんだけど! 両親に言われるのはちょっと…。 (ママ、ヨシヨシ)

ありがとう…ティー。


「王妃様がねー”アスカちゃんのご両親!? それはぜひ来ていただかないと!”って。いつでもいいよーって言ってたのー」

王妃様から快諾が貰えてるのなら問題はないね。


ティーの向こうの分体は、用事がなければ小さなドラゴン姿で、いつもの部屋に待機してるらしい。

ふらふらする用は別に置いてきたのだとか…。また変な知識を拾ってこないか心配だわ。 (〜♪)


私へ伝言がある時は、部屋のティーに事付けると。

なんか王妃様がお城の中で明確なルールを作ったんだとか…。


伝言は必ず王妃様にまず確認を取ること、急用じゃなければ保留とかにもなるらしい。

ティーもそれに同意してるんだとか。

私の知らないところで、何かが起こってるな? (ママの平穏を乱さないためなの!)

それはありがたいけど…ティーや王妃様の手間を増やしてしまった気がしてね。 (ティーは平気なの)

いつもありがとね。 (あーい!)







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