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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第三章

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早い再会



学校へ行くユウキにお弁当を渡して見送る。

こないだ食べ損ねてた焼きおにぎりと、アリアさんの村で作ったアップルパイも入れておいた。

休む私達の言い訳をさせてしまうからね。



シエルとレウィに家の中を案内しつつ色々な物の使い方とかを説明して回った。

二人とも頭のいい子だからすぐに慣れると思う。

その後シエルはレウィの服とカバンを作ってあげるからって地下へ。

ティーとリアも手伝うってついて行った。


お昼の仕度をするにはまだ早いし、未亜とリビングで寛ぐことに。

未亜がお茶を淹れてくれたから寛ぎながら飲んでたらチャイムがなる。

「こんな時間に誰かな?…宅配とかかも」

「いや、私達はいつ召喚されるか分からなかったから、宅配を使う習慣はないよ。とりあえず出てくるね」


何かの勧誘か?

そう思いながら玄関へ向かってたら…。

あぁ…。そういう事ね。でもなんでチャイム鳴らすのよ。

入ってこればいいのに。 いや、私のせいか…。

探索使ってればすぐ分かったんだろうけどさ。


玄関のドアを開けると…。

「アスカ…」

「母さん。おかえり」

「…怒ってないの?」

「うん。 あの時はごめんなさい。取り敢えず入って」

母さんには昨日の今日だけど…私達には数日、時間があったからね。


「驚くかもしれないけど…紹介したい子達も居るから」

「うん?お友達?」

「というより大切な家族、かな」

「そう。詳しく話してね?」

「母さんも、隠してることまだあるよね?」

「そう…だね。ちゃんと話すよ」

「父さんは?」

「お隣にいるよ。 止められたんだけど…どうしても我慢できなくて私だけ来ちゃった」

「呼んできてもいいよ?」

「ううん、もしかしたら召喚されるかもだし…」

「あぁ…。それなら大丈夫だよ。こないだ母さん達が弄ってた魔石あったでしょ?」

「うっ…ごめん」

「それはもういいよ。 それでね、あの魔石は空間扉の認証用で、地下に召喚を阻止するための魔道具が置いてあるの」

「…え?」

「だからこの家にいる間は召喚はされないよ」

「嘘…じゃないね。 アスカはそんな嘘つかないもの。じゃあ呼んでくるね!」

母さんは慌ててお隣へ戻っていった。


私もユウキを呼ぶか…。ファミリンを緊急にして呼び出す。

暫くすればあっちからかけてくれるはず。


早っ…間髪入れずかかってきたよ。授業大丈夫なの?

”姉ちゃん!?なにがあったの? 緊急って!”

「悪いけど、すぐに帰ってきて」

”何があったの?”

「母さん達が帰ってきた」

”…わかった。すぐ帰る”

そう言ってユウキは通信を切った。

たぶん…怒ってるなアレ。声のトーンがあからさまに落ちたし。

もしもの時は私が止めるしかないか…


数分後、母さんが父さんを連れて戻ってきた。

ユウキもすぐに帰ると思うから、まず家族の紹介だけしておこうかな。


母さん達は私とケンカ別れの後、まだ召喚の前触れもないからって事でお隣でお世話になってたんだって。

私が追い出しちゃったものね…ごめん。

そこへ私達が帰ったのを魔力で感じて…母さんはすぐ来ようとしたらしい。

でも、父さんに止められて…それでも我慢の限界でさっき一人でうちに来たと。


「アスカ、昨夜はすまなかった…」

「ううん、私もごめんなさい。取り敢えず入ってよ」

「いいのか?」

「当たり前じゃない。紹介したい子達もいるから…」

「わかった」


ティー、リビングにみんなと来て? (はーいママ)

リビングへ戻ると未亜が…びっくりしてるな。

「おかえりなさい! お義父さん、お義母さん。お仕事にキリが付いたの?」

「ただいま、未亜ちゃん。うん…まぁそうだね」

「ただいま」


2階からティー達も降りてくる。

「お姉ちゃん! いいの!?」

「大丈夫だから…」

「……」


「ママーみんな連れてきたよー」

「「ママ!?」」

あ…これ不味い?


「アスカ! いつ子供を産んだの!?」

「いや、相手はどこのどいつだ! 挨拶もしないのか!」

「待って待って…落ち着いてよ二人とも」

「これが落ち着けるか! まさか産ませるだけ産ませて消えたのか!?」

「そんな…」

だから落ち着けって…。


「ちゃんと話すから聞いて!」

少し魔力を込めて二人へぶつける。前よりちゃんと加減したよ?

「ちょっ…アスカそれダメ…」

「ふぐっ…」




ようやく落ち着いた二人に順番に説明する。

「ということはこの子は魔法?」

「そうだよー。ママが作った魔法なの!」

「なんだ…そういうことか…。 訳がわからんが、相手の男が居る訳じゃないのならいいか…?」

まったくもう!


「アスカ、そっちの子はドラゴンよね?」

「よくわかったね、ルナリアはルナドラゴンだよ」

「アスカのお母様とお父様、初めましてルナリアよ」


「エルフのシエルと、フェンリルのレウィ」

「フェンリル!?ちょっと…アスカ! エルフはまだわかるよ。フェンリル!?」

「うん、いい子だよ」

「主様に仕えるフェンリル、レウィです」

「貴方、私頭痛い…」

「大丈夫だ、俺はもう訳がわからないから」


「お姉様、大丈夫なの?」

「まぁ…そのうち慣れるでしょ」


…ユウキがすごい勢いで帰ってきてるね。

探索かけといて正解だった。 これ大丈夫かな…。

玄関がすごい音で開かれてユウキが飛び込んでくる。

ちょっと! そのまま父さんへ殴りかかるの!? まったくもう!


とっさの事で反応できてない父さんを守るためにユウキの前に飛び出して拳を受け止める。

流石に加減はしてるみたいだけど…

「姉ちゃん! なんで止めるのさ!」

「落ち着いて、ユウキ。 お願いよ…」

「っ……わかったよ」

不満ながらも拳を引いてくれる。


「アスカ、ありがとう。ユウキを止めてくれて…」

「ううん。でも、ちゃんと全部話してね? そうじゃないと次は止めないよ…」

「うん。わかってるよ」


「お姉ちゃん…私にもわかるように説明してほしいな?」

「わかってるよ、未亜にも関係あることだから」

「え? お姉ちゃんちの事じゃないの?」

「未亜ちゃん、大切な話なの。未亜ちゃんのご両親の事も話さなきゃいけないから…」

「……わかりました」

たぶん未亜の両親の事で隠してることがあるもんね。

後は、たぶん母さんの事…。





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