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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章

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コクピット



ルニアさんがお昼をどうするかの確認に来てくれたのだけど、私達は大丈夫と伝える。

忙しいでしょうからね。自分たちの事はこっちで済ませるよ。 


未亜とドラツーのキッチンでミートソースパスタを作ってみんなで食べた。

家族しかいないし、気楽なもの。

ファミリンで確認したら、ユウキはギルドで食べてくるらしいし。


ご飯を食べてて私を含めたみんながびっくりする出来事があった。

レウィがティーのマネをしてフォークを器用に使うものだからね?

手と言うか前足でフォークを掴んで、上手に食事をする。

「クレープはまだスルーしたけどフォークまで使えるの? その手どうなってるのよ!」

リアがレウィの前足を掴んで確認してる。

見た感じ普通に犬の前足で肉球もあるんだよね。 (肉球で挟んでるっぽい?)

そうなんだ、器用なことを…。


当の本人は変な事した?って感じでキョトンとしてるし。


未亜も気になったのかスプーンや箸を渡してるね。

「レウィちゃん、これは持てる?おー、すごいね。 じゃあこっちは?」

流石に箸は無理か…。


レウィは四足で走ったりするから、食事前には手をキレイにさせないといけないな。



食事の後片付けも終え、のんびりしてたらアリアさんがドラツーに。

「アスカ様、こちらでしたか。 王妃様がお話があるとのことなので…よろしいでしょうか?」

「はい、私だけですか?」

「できれば皆様もご一緒に。 フェンリルの事もありますので」

シルフィ様達から聞いたのかな?

「ユウキはギルドに行ってていなくて…すみません」

「ユウキ様なら先程戻られまして、先にご案内しております」

そうなのね。なら私達も急がないと。




家族揃ってアリアさんに案内され、以前に謁見の二次会をしたテラスへ。

レウィは初めてのお城でキョロキョロしてて、心配したティーに手をつながれてた。

ティーが弟の面倒をみてるみたいに見えて微笑ましい。 (面倒見るの!)

お願いね。



テラスには王妃様とユウキだけじゃなくティアねえ様と、長老様二人も同席。

「アスカちゃん達には、お待たせしちゃったわね」

「いえ、私達はドラツーでのんびりしていただけなので…」


王妃様からは改めてお誕生日パーティーの時のお礼を言ってもらった。

それから話の本題に入る。

「まず、ドラゴンの長老様お二人は、当分お城に滞在される事になったから、帰りの心配はしなくていいわ」

人の文化や、街のこと…、ノワルレイナさんは魔道具の事も知りたいからって事らしい。

ティアねえ様は今まで通りお城でお仕事。


「次はフェンリルね、その子よね? 興奮したジルスから聞いたのだけど要領を得なくて…」

あるある言ってるからだよ! (うんうん)


「フェンリルのレウィです。主様に仕えることになりました!」

「王妃のセルフィよ。それにしてもあんなに大きかったのに…可愛らしくなったわね?」

経緯を王妃様に説明。もう暴走の心配もないし、連れて行く事になる旨を伝える。


「またアスカちゃんの勢力が拡大するのね…」

「ティーの弟なのー!」

「そう…。ちゃんと面倒見てあげるのよ?」

「はーい!」

仲良くしてる二人を見て王妃様も安心したのかな?



「では、私達は一度帰ろうかと思います。 ドラツーはどうしますか?」

「え? 残せるの?」

「はい、操縦は専属パイロットのティーの分体がしてくれますし、維持も問題ありません。お邪魔なら消していきますし」 (任せてー!)

「そうね…でも実体のないティーちゃんと会話ができないわ」

「それなら恐らく、ティアねえ様なら会話出来るかと…」

「え、私?」

「うん、長老様も大丈夫なのー!」

「どういう事!?」

魔力に敏感なドラゴンなら分体で実体のない状態のティーと会話ができるからね。 (うん!)

それを王妃様に説明した。


「そう言えば…森で怪我をしていたルナリアちゃんと、ティーちゃんが会話をして救助に向かったのだったわね」

「はい、なので長老様が帰られる時も私へ伝言を伝えていただければ」

「アスカ姉ちゃんはついに異世界間通信まで始めたよ…」

ユウキが呆れた目を向けてくるのが納得いかない。 (便利なのにー)


「じゃあアスカに会いたくなったらティーに言えばいいね!」

まぁ、そうなるね…。ティアねえ様からどんな頻度で呼ばれるかちょっと不安…。 (ママが忙しいときはティーが止めるの!)

ありがとね、ティー。 (ママへの窓口はティーなのー)


「ねえ様が呼んだってアスカも忙しいんだから! そうそう来れないわよ?」

「私はこっちでの仕事があって、ついて行けないんだから呼んでもいいじゃない!」

「アスカだって学校があるんだから!」

「アスカ〜。リアが意地悪だよー」

また始まっちゃったよ姉妹ゲンカ…。



王妃様は取り敢えず陛下にも相談するからってドラツーの事は保留になった。


今回はシエルの事もあって、帰りは私の作った転移魔道具の方を使う事になる。

「それだといつものようにみんなで見送りができないわね…」

あまり大っぴらにできない魔道具だものね。

なので夜に簡単だけど晩餐会をしてくれるって事で、その時までにドラツーの事は決めておくそう。


後は王妃様に渡したいものがあるくらいかな。

使い方の説明もして、例の花火の魔道具を王妃様に渡す。

「ありがとうアスカちゃん。 お祝い事の時とかに使わせてもらうわ〜! 本当に素敵だったもの」

喜んでもらえたみたいだね。 



長老様達はドラツーに荷物を置いたままらしく、取りに戻ることに。

「お姉様、私も部屋の片付けしにいきたいの」

「じゃあシエルも一緒に行こうか」

わかってたけど、うちの家族は全員ついてきたよ。



シエルの片付けは未亜とリアが手伝ってあげるらしい。

「私達も一緒に散らかしたから…シエルちゃん一人にさせられないよ」

「そうね。可愛い服をたくさん作ってもらったもの」

三人でならすぐ終わるはず。


私はその間にドラゴン姿のティーを頭に乗せてドラツー内を確認して回る。

残すことになった場合に備えてね。

「ティーはなにか希望はない?専属パイロットとして」

「いいの!?」

「うん。それくらいしてあげるよ?」

「じゃあ操縦席ほしいの! 形だけでいいからー」

「なるほど…確かに。でも分体だと意味あるのかな?」

「あ…。 でもでも、気分の問題なの!」

「そうね…。 それにティーがいる場所ってわかるってのはいいかもね?」

「うんっ!」

「となると…場所はどこがいいかな。 やっぱり展望室?」

「見晴らしがいいのー」

「じゃあそこにしようか」

「わーい!」


展望室に移動して、一番前にティーの希望を聞きつつそれっぽい雰囲気を作る。

イルミネーションにも使った魔石がはめてあるから計器類は光る本格仕様。

ここだけめっちゃSFだわ…。 どこで得た知識なの!? (アニメ!)

なるほど…。 

人型になって嬉しそうに操縦席に座りそれっぽい計器を楽しそうに操作してるからいっか…。

なぜか椅子は二つ欲しがったから私も隣に座る。


「ティー、いくつかここから本当に操作できるようにしてあげようか?」

「ほんと!?」

「窓の開け締めとか、明かりとか…船内放送もここからできるように」

「ママありがとう!」

魔石を計器のスイッチ部分にいくつか埋め込んで操作できるようにしておく。

マイクも設置。 こんな物かな?

「すごいすごい! かっけー! ママすごい!」

「ティーが喜んでくれるならこれくらいね?」

実際に触って確認してて可愛すぎる。

ティーの事だからすぐ覚えて使いこなすでしょ。


王妃様にドラツーは片付けてって言われたらこのままストレージへ入れてちゃえば済むし。

カスタムも無駄にはならない。


「お姉ちゃんがティーちゃんを甘やかしてる…」

「姉ちゃん、程々にしなよ?」

「私も甘やかしてほしいわ…」

「なにこれ…さすがお姉様。蒼白の癒し手様は伊達じゃないの」

みんないつの間に…。可愛いティーの為だからいいじゃない。


レウィはティーに教わりながら色々スイッチを押してる。

そのせいで船内のライトがついたり消えたりしてるけど…。


長老様達が降りた後、個室も全部確認して全体をクリーン。

これで残すことになっても大丈夫だね。





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