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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章

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褪せぬ思い出を



「ユウキ、アリアさん達がいないんだけど、何か知らない?」

「あぁ、ほら、姉ちゃんが花火上げるでしょ?この近くでさ」

「うん、見えやすい位置に上げるからある程度は離れるけど…」

「城下街までの距離考えたら見えるでしょ?」

「だね、遮蔽物もないし…。対策したほうがいい?」

「いや、むしろ見えるように城下街とこのツリーハウスの間くらいに上げてほしいんだ」

なるほど、理解した。なら街からもしっかり見えるよう上げた方がいいね。


「アリアさん達は街へ通達?」

「そういう事。王妃様のお誕生日に城下の人達にもサプライズって感じかな」

「街の兵士さんやお城の騎士様達も総出って事ね」

「多分ね。ここには陛下つきの騎士様もいるから、護衛は任せたんだと思う」


「タイミングは?」

「街の方の準備ができ次第、誰か来るはずだから、その後打ち合わせかな」

「わかったよ。 ユウキ、この飾りといい準備大変だったんじゃない?」

「んーまぁ。でも姉ちゃんも僕らもお世話になったしさ」

「だね。ありがと」

「姉ちゃんはまだこれから大仕事が残ってるけどね?」

「大丈夫。ここで目立つよりは…」

「今更だと思うけど」 (うん)


「ユウキ、ここの展望デッキってどうしたの?」

「あ…そういえばあったね。上がった事ないから忘れてたよ…」

「ならさ?………………とかどう?」

「うん? いいね。わかった。 じゃあそっち任せる。僕は話を通してくるよ」

「お願いね」




ここの展望デッキは以前使ったときアリアさん達が周りの監視をしやすいようにと設置したもの。

それを陛下と王妃様専用のエリアに改装してしまえって事だね。

花火も見えるし、そのままゆっくり夜をあかせる様、ちゃんとした部屋にするつもり。

イメージはペントハウスだね! (手伝うのー)

ありがと、ティー。なら一緒に行こう。


未亜達には少し席を外すって伝えて二階の居住エリアをこえて展望デッキへ。


360度見渡せるようにしつつ、しっかりとした部屋に。

窓は魔道具を使って魔力で出来てる。実体があって見える魔法防壁みたいな物だね。

扱い方はドラツーの窓と同じ。開け閉め自由だよ。


「ママ、この辺にお風呂は?」

「いいね。素敵だよ」

「ふふんー」

丁度街の方向だから花火も見えるし、中からだけ外が見えるお風呂を設置。

そうなると、この近くに寝室がいいよね。

キングサイズのベッドに、ソファーとテーブル。

小さい保冷庫には飲み物も入れておこう。

明かりもつけたし…。


だいぶこの木にも無理させてるから、魔力を流して活性化させておいた。

ごめんね、負担かけちゃって…。


「こんな感じでどうかな?なにか足りないものある?」

「うーん…大丈夫そうー?」


案内して説明するのもなんか無粋だし、メモを残しておこう。

室内設備の説明だね。

「よしっ、こんなものかな」

「ママーユウキが来てるー」

「わかったよ」


部屋にユウキが入ってくる。

「うっわ…マジか。 まさかここまでするとは…」

「やりすぎた…?」

「いや。良いんじゃないかな?雰囲気いいし。ちょっとラ…」

「ユウキストップ! ティーもいるんだよ? 後それをなんで知ってるのか問いただしたいんだけど?」

「ごめんって。 テレビで見たからだよ。姉ちゃんだってそうでしょ?」

「まぁそうだけど…」

作っててちょっとそんな感じはしたけど、気にしないようにしたのに! (うーん?)

なんでもないよー。 (むー)


「それより! そっちは話通せた?」

「王子様を通して陛下に伝えてもらったから大丈夫」

「わかったよ。 そろそろ暗くなるし、イルミネーションはどうする?」

「抜かりないよ。夕食は外でバーベキューだからね。その時にお願い」

「了解。でもバーベキューか…凄いね! 私は何か作らなくていい?」

「あーまたハンバーグお願いしてもいいかな?」 (ハンバーグ!!)

そうみたいだねー。前と少し違うけどね? (楽しみなの!)


「バーベキューなら網焼きになるねー。 わかったよ、材料は…」

「バッチリ手配済み」

「了解だよ。 焼きおにぎりもつくるね?」

「姉ちゃん、わかってる! 頼むね」

ユウキも準備があるからって足早に降りてった。


私も忙しくなるし着替えていいよね?油かかるし…。 (魔法防壁はー?)

使えば防げるけどさ…そこまでしちゃうのもね。 (ママ着替えたいだけ…)

うぐっ…そうだよ。早く着替えたいの! リアとシエルには悪いけど…。 (写真はー?)

あぁ…そうだった。 家族写真撮らないとね。 (うんっ!)


「その前に…ティー」

「なーに?」

「このキレイな夕焼けをバックに母子写真撮ろう?」

「うんっ!」

スマホをタイマーでセットして…。

「ママ抱っこー」

「わかったよー」


ティーを抱いて二人の写真を撮った。

「ありがとねティー」

「うん! 見せてー!」

スマホを渡してあげる。


「ママ、ティーもこの写真欲しいの」

「じゃあ家に帰ったらユウキに印刷してもらう?」

「うん!」



一階に降りて、未亜、リア、シエルにこの後の予定を説明。

「と、いう訳で、料理の準備に、花火も上げなきゃいけないから私は着替えないと。だから今から皆で写真撮ろう?」

「お姉ちゃん、ハンバーグは私も手伝うね」

「うん、お願いね」

リアとシエルは写真がわからないみたいだけど、取り敢えず撮って見せる方が早い。

「姉ちゃん達、お待たせ」

ユウキはティーに呼びに行ってもらった。 ありがとね。 (あい!)


「どこで撮ろう?」

「ここだと邪魔になるから外とか? でも…もうだいぶ暗いよな」

「それは何とでもなるから、みんなツリーハウスの外に行くよ!」

「アスカ、説明してほしいのだけど…」

「えっとね、思い出をカタチとして残したいってことかな?」

「お姉様が何を言ってるのかわからないの…」

「見てもらったほうが早いから、今は我慢してね」



みんなでツリーハウスの外、森の近くに移動。

集まってもらって魔力ドームで覆う。

「なるほど、その手があったか…」

「これなら明るさも演出も自由だからね? スマホは私のでいい?」

「うん、印刷する時にデータ貰うよ」

「ユウキ君、私もほしい」

「わかったよ」


スマホはタイマーにして魔力操作してドーム内に浮かせてる。

というか魔力体作って操作してもよかったね。

タイマーで上手く撮れなかったらそうするか…。


そんな感じでドーム内の演出も変えつつ何枚か写真を撮った。

リアとシエルは撮った写真を見て驚いてたよ。 

「私達がこの中にいるわ…そういえば前にアスカもいたわね…」

あぁ…例の動画のことかな…もう忘れてたよ。

「これもお姉様の魔道具なの?」

「ううん、違うよ。 でも確かに魔道具に近いかもね。私の生まれた世界の道具だよ」

シエルは首を傾げてるけど、私では説明のしようが無いんだよ、ごめんね。



「じゃあ私、着替えてくるね」

「あー、姉ちゃんごめん…ちょっと待って。 この辺にバーベキュー用にグリルを…」

「わかった、幾つか作っておくよ」

「炭を使うから魔道具にしなくていいからね」

「はいはいー」

ツリーハウス前の平原にユウキが言うポイントへグリルを転々と作る。

土魔法で形を整えるだけだし簡単。


「テーブルとかは?」

「それは大丈夫、ありがとう。姉ちゃんは着替えてきて」

「わかったよ」


「待ってアスカ。私達も行くわ」

「お姉様、着替えるの手伝うの」

「そうだね、この服特殊だから…お願い」


まさかこれが罠だとは思いもしなかった…。








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