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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章

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お誕生日は盛大に



王妃様のお誕生日パーティー。


陛下のご両親に、王妃様のご両親。王宮魔術師のミルフィさん。

聖女様はいないけど…。 忙しかったのかな。

晩餐会のときのメンバー大集合だね。

一人知らない男の人がいるけど…誰だろ。


私はリアに呼ばれてホールに来てから、階段下のキッチンの隅っこで極力目立たないようにしてる。

リアはシエルの着替えの手伝いに戻っていったし…。

「お姉ちゃん、キレイ…」

未亜も着替え終わったんだね。というかよく私を見つけたね?隠れてたのに…

「未亜も今日は大人っぽいね?キレイだよ」

「ありがとう! 嬉しいよ…」

普段可愛い服が多いから新鮮だね。

薄いピンクのタイトなドレス、私もこれくらいの露出にしてほしかった…。


「アスカ、なんでそんな隅っこに隠れてるのよ?そろそろ主役の登場なんだからそんな所にいたらダメよ!」

戻って来たリアに引っ張られてホール中央にあるケーキがよく見える所へ連れ出されてしまう。



シエルもここに居たのね。

スレンダーな体型によく似合う白と薄いグリーンのドレス。

「シエルもドレスよく似合ってるね、可愛いよ」

「お姉様! ありがとう…うちこんなパーティーとか初めてで…」

森からあまり出られないからそうなっちゃうのかな?楽しんでくれるといいけど。


「ママー!」

「ティー!」

呼ばれて振り返ったら天使がいたよ…。可愛すぎる!

普段、ズボンだったり短パンだったりと動きやすい服を好んでるから…。

スカート姿は初めて見た。何着てても可愛いんだけどね? (♪)

私と同じ色のワンピース、背中には大きなリボンがついてて、動くたびに揺れてるの。

「あぁ…もぅ可愛いよ…」

「ふふっ、大成功ね! 私を見た時よりリアクションが大きいのは悔しいけど…」

「ティーちゃんは仕方ないよ。 お姉ちゃんが蕩けてる…」

ティーと手をつないでるとようやく落ち着いてきた。 (ふふーん♪)

ドレスには慣れないけど…。 (ママキレイなの!)

ありがとうティー。



「アスカー。…すっごいね、そのドレス。私ももう少し露出すればよかったなぁ」

「ティアねえ様! …なんで角出てるの?」

「オシャレじゃない?」

「確かに…キレイな角だし、ドレスにも合ってて素敵だけど、びっくりしたよ」

「ふふん、翼も出したかったんだけど、邪魔になるかなーって」

テーブルとかにぶつかりそうだもんね。でも、そういうオシャレもあるんだ。素敵かも…。



ティアねえ様と、長老様二人は魔力でドレスを作ってるらしい。

長老様二人はもうなんて言うか…大人の色気!! って感じ。さすがだよ…。

それぞれ髪に合わせた、赤と黒のドレスなのはイメージカラーなんだろうなぁ。

ティアねえ様も髪と同じ薄緑のドレスだし。


「姉ちゃん…なんて格好してるのさ」

「ユウキ…何も言わないで。 お願い」

「まぁ…どうせルナリアあたりが選んだんだろうけど。嫌なら断ればいいじゃん」

「できると思う?」

「姉ちゃんには無理だろうなぁ…」

わかってるなら言わないでほしいよ。


「ユウキはそのスーツどうしたの?カッコいいじゃない」

「あぁ…王子様が用意してくれたんだ」

へぇーあの王子がねぇ…。センスはいいんだ。


「うわっ…ユウキ君、凄いカッコいい! お姉ちゃんと並ぶと絵になるね」

そう未亜に言われて。ユウキと顔を見合わせて、何故かお互い距離を取る。

いや、なんか恥ずかしくてね?


「何を付き合いたてのカップルみたいな反応してるのよ! 姉弟でしょ?」

いや、そういうのじゃないんだって。慣れないから…。

「姉ちゃんとカップルとかやめてよ、冗談キツイよルナリア」

……なんだろうなぁ?そういう言い方されるとそれはそれでイラってするわ…。

「ユウキ…そんなに私がキライなんだ?」

「ちょ…いやそういう訳じゃなくて! それ反則だって! ホント誰だよ姉ちゃんに怖いこと教えたの…」


「お姉ちゃんと…ユウキ君が…カップル?」

リアが変なこと言うからまた未亜が暴走しそうだよ!

そうだ!

「ねえ、未亜。せっかくだし後で皆揃って写真撮ろうか?」

「写真…うん! そうだね。素敵な思い出になるよ!」

この姿が写真に残るのはアレだけど、今は未亜の暴走を止めないと。

それに…ティーの可愛い姿は写真に収めておきたい。 (写真はマネージャーを通してなの!)

誰だよ! ティーのマネージャー! (ママ?)

ならいいじゃない…。 (おっけーなの!)

びっくりしたわ。またどこで覚えてきたのやら…。 


「ママ、ティーはちょっとお仕事があるから!」

「え? ちょっとティー?」

せっかく手をつないでたのに…それにお仕事ってなに?


「姉ちゃん、そんな落ち込まなくて大丈夫だから。頼んだの僕だし」

「そうなの?」

「ほら、ドラツーで船内放送してくれてさ?好評だったから今回も司会を頼んだんだよ」

「あぁーなるほどね。いいキャスティングだよユウキ!」

「はいはい、ティーの事になると姉ちゃんはバ…」

「なによ?」

「なんでもないから! 威圧はやめてね?あれマジでシャレにならないから」

まったく…。


ホールが薄暗くなり、みんな静かになる。

「それではー今日の主役のご登場でーす!」

ティーの声だけがホールに響く。


階段の明かりだけがついて、そこにドレス姿の王妃様が…。

「賢者として、この世界を脅かした魔王を倒し! 今もこの国をいろんな事で支えるー

唯一無二の王妃様! 麗しきセルフィ様に盛大な拍手をー」

ティー凄いな…。

拍手と共に王妃様は階段を降りてくる。

階段の下には陛下が待機してるのね。


「セルフィ、誕生日おめでとう。いつも苦労をかけてばかりだが…これからも傍にいて支えてくれ」

「…陛下。 はい…勿論です」

なんだか素敵だなぁ…。

あのお二人がいるからこの国は温かくて、平和なんだなって思える。

そんな素敵な光景だった。


「それでは! 国王陛下と王妃様による、ケーキ入刀です!」

え? いやそれ結婚式じゃん!! 


まぁいっか…。 






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