再会とパーティ準備
ティーにお願いして、お昼少し前にドラツーをツリーハウスの近くに降ろしてもらった。
「ティー、長旅ありがとね」
「たのしかったのー!」
途中からずっとドラツーの操縦は任せっきりになっちゃったよ。
「ドラツーはツリーハウスに到着しました! ここで一旦休憩になりますー。下船する時はママ船長の指示に従ってくださいなのー。長旅お疲れ様でした!」
私が言わなくても船内放送してくれる。ありがとねティー。 (あーい!)
「アスカちゃん、扉開けてもらえる? 私はちょっと話をしてこなきゃだから」
王妃様はまだご機嫌斜めですか…私は陛下たちの行動理由を知ってるから、内心複雑だよ…。
「わかりました、すぐ開けますね」
「アスカちゃん、どうかしたの?」
「いえ、そういう訳では…」
「…そう。ならいいけど」
ボロが出ないうちに扉を開けてしまおう。 (それがいいのー)
全員降りてツリーハウスに入ったのを確認した後、ドラツーを隠蔽して隠しておく。
馬車が何台か停まってるし、お客様がいるって事だからね。
「とばしておかなくていーの?」
「多分大丈夫だと思うよ、それにまだ荷物とか乗せたままだから取りに来るかもしれないし」
「なるほどー。とばすときは任せてー」
「うん、ありがとねティー。 ティーも中で休んでていいよ」
「はーい!」
ティーもツリーハウスに向かった。
さてと…後ろにいるね。
「姉ちゃん、お帰り」
「うん…ただいまユウキ」
振り返ってユウキの顔を見たらホッとしてしまう…。
「姉ちゃん、大丈夫? ほら…色々あったし」
「…うん、まだ気持ちの整理が完全にはできてないけどね」
「それは僕もだから。 あの後、母さん達は?」
「ティーによると、すぐ家を出たみたい。次会えるのはいつになるんだろうね…」
「まぁ、その間に僕らも気持ちの整理しておかないと」
「…だね。 ありがとねユウキ」
「うん?僕何かしたっけ…」
「ううん、私はユウキがいてくれて良かったって思ってね」
「それはお互い様。僕も姉ちゃん居なかったら…だから気にしないで」
「相変わらずだね、ユウキは」
「なにそれ」
「なんでもないよ。 私、ツリーハウスにイルミネーションつけてくるから」
「わかったよ、僕もまだやる事とかあるし、中に行ってるね」
ユウキと別れツリーハウスの根本にイルミネーション用の小さな魔石を大量に取り出す。
「よしっ、やりますか」
ツリーハウスごと魔力ドームで包み、その中で魔力操作して魔石を要所要所に設置していく。
最後に管理用の魔石とリンクさせる。
これで、私が遠隔でイルミネーションの管理ができる。
花火代わりの魔法は、その都度私がぶっ放すから今はすることはない。
私もツリーハウスに行かないとね。
中は…おおっ。綺麗に飾り付けられてる!
雰囲気が地球のパーティーみたいって事は、ユウキの案だろうなぁ…。
「アスカ様、おかえりなさいませ」
「シルフィ様、ただいまです。 凄い飾り付けですね?」
「はい、ユウキ様のおかげですけどね。私も頑張りましたよ?お母様のお誕生日ですから」
やっぱり…。
ユリネさん達メイドさん数人が動き回って料理とかの仕度してるし、未亜もそれを手伝ってるね。
私も手伝わないとだね。
「シルフィ様、みんなで作ってきたケーキはどこへ置きましょう?」
「それでしたら、真ん中のテーブルにお願いします」
ツリーハウスのホールの真ん中に大きな丸いテーブルがあるから、あれだね。
「わかりました、ありがとうございます」
メイドさん達の邪魔にならないよう移動して、テーブルにストレージからケーキを取り出す。
「凄い…これアスカ様が?」
シルフィ様付いてきてたのね。
「みんなに協力してもらって作ったんです」
「お母様が羨ましいです…」
シルフィ様の時もなにかできるといいな。
多分王妃様が何かするでしょうから、その時に協力させてもらおう。
王女様も忙しいみたいで、ケーキを見た後メイドさんに指示を出すために行ってしまった。
私はどこを手伝えばいいのかな…?
下手なことしたらプロの邪魔をしてしまいそう。
「お姉様!」
「うん?シエルどうしたの?」
「みんな着替えるからお姉様も…」
「あぁ、そうだね。わかったよ」
シエルに案内され、ツリーハウス二階の一番手前の部屋へ。
「アスカ! 準備できてるわ。手伝うから着替えましょう」
「ありがと、リア。私のはどれ?」
「…ふふん。コレよ!」
…え?
「早くっアスカ」
「…待って。それホントに着るの?」
「当然よ。ほら全部脱いで!」
「イヤーやめっ…それはダメー!!」
うぅ…ホントに全部脱がされた。
専用の下着があるからって。
履いてないのと変わらないよこれ…。
ラインが出ない様にってことらしいけど、納得いかない。
髪はアップにまとめてくれてスッキリ。
ドレスも色は良いんだよ? 薄い紫色で私の瞳に合う様にしてくれたらしいから。
でもね?タイト過ぎて身体のライン丸わかり! 胸元あきすぎ! スリットも深すぎだよ!
ドレスが長くたって、右の太ももは丸出しじゃない…。
「アスカ、よく似合ってるわ! 私の見立て通りね」
「リア…ほんとにこれで私パーティーでるの?」
「…イヤ?私とシエルが頑張って考えたのよ?」
うっ…ズルいよそれは…。
「お姉様とっても似合ってるの!」
「ありがと…」
「ティーも同じ色で可愛いの作ったから、楽しみにしてるといいわ」
それはすごく楽しみだけど。 (ふふーん♪)
「私とシエルも着替えるから、アスカは隣の部屋で待機よ」
「わかったよ…」
諦めてドレッシングルームみたいになってる部屋を出て隣の部屋へ。
こっちの部屋は誰もいないのね。ティーはどこだろ。癒やしがほしい…。 (ナイショー)
えー…。 (後でママ驚かせたいから!)
そっかぁ。
お城で着てたドレスって、こうフワッとスカートが膨らんでいかにも! ってドレスだったけど…。
コレは…。 でもリアとシエルが時間も無い中頑張ってくれたんだもんね。
うん、気持ち切り替えよう。主役は王妃様だしね。
私は隅っこで目立たないようにしてれば大丈夫。 (……)
「アスカ、入るわよ?」
「リア?うん、大丈夫だよ」
扉を開けて入ってきたリアもドレスに着替えてる。
「どうかしら?」
「リア…キレイだよ。髪の色とも合ってて素敵だよ」
「っ…! そ、そうでしょ? もっと褒めてもいいのよ!」
髪より少し濃いめの水色のドレスがリアを引き立ててる。
髪につけてるリボンがピンクなのはチョーカーに合わせたのかな。
あと何故か顔は真っ赤だけど…。
「シエルは今、未亜の着替えを手伝ってるから。 あれ?ティーはどこいったのかしら?」
「私を驚かせたいからって顔出してくれないの」 (お楽しみになのー)
「そう…わかったわ。私も手伝ってくるわ。後で呼びに来るからここにいてね」
「はーい」
わざわざ見せに来てくれたのかな。
せっかくだから化粧のリングもつけておこう。
だけど…この格好
……落ち着かないよぉ!!




