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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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兄から姉へジョブチェンジ



「それよりさ…アスカ姉ちゃん。いい加減ちゃんと話してほしいんだけどな。今回のアスカ姉ちゃんの召喚と、姉ちゃんになった訳を」

ユウキもわかってて話そらせてくれたのかな。


……って!! そうだよ! まだ話してなかった。

色々ありすぎて忘れてたよ…。


「ごめんね、色々あったから忘れてた」

「いや、一番大事なとこだよね?」


そうなんだけど…ユウキの召喚を目の当たりにして驚いてた未亜ちゃんをみたら、ね?

私も万が一未亜ちゃんが一人で連れて行かれるとかは避けたかったし。

早急に対策するのは大事なことだよ。後回しにできない。

それになーんかまた大事な話を始めたら呼ばれそうな気がするし?気のせいかな…


「じゃあ、この地下室完成後初の極秘会議?といきますか!」

ストレージから椅子にテーブル。お菓子や飲み物も出しとこ。


「お姉ちゃん! 今何したの?何もないとこから椅子とか…どうなってるの…」

「うん?ストレージっていって別の空間に色々な物がしまってあるんだけど…。中に入れておけば食べ物も腐ったりしないから便利だよ。前に話した、見せてあげられる証拠の一つかな?」

「そうなんだ。便利そう…」

「ユウキも持ってるよ」

「そうだね、一番最初の勇者召喚の時に使えるようになったからね」

「そうだったっけ?」

いつ使えるようになったかは忘れてた。


「アスカ姉ちゃん…。 あの時の聖剣入ってると思うよ?」

呆れるユウキに言われて、聖剣…聖剣…これかな?よいしょー!

「アスカ姉ちゃん絶対それ違う! 魔剣とかなんかだよ! 禍々しすぎる」


あれ?あぁそっか…魔王してた期間が長すぎるから、それより前の勇者の記憶が薄いのかも。

思い出してきた。

んと、これだね。


「うわ、懐かしい! これで悪い魔神と戦ったんだ」

「そう、それそれ!」


そんな懐かしい剣を眺めてたらちょっとジト目になった未亜ちゃんに

「二人だけがわかる話で盛り上がるのはズルい…」って言われてしまった。


そうだよね、ごめん。仲間はずれみたいにしちゃったね。

「ごめんね、未亜ちゃん。取り敢えず座って。ユウキも」

二人が座るのを待って私も座る。


「えっと、どこまで話したんだっけ?」

「まだ何も。アスカ姉ちゃんが召喚されたのが一番最近だってだけ」

「一番最近はユウキじゃない?未亜ちゃんも見たし。ねー?」

「うん。びっくりした」


「それはいいから! アスカ姉ちゃんの話早く! 僕が何日待ったと思ってるの?」

今回はあの1時間足らずで数日たってたのね。


「何日も…?居なかったのって1時間くらいじゃ…」

「戻ってくる時に時間が戻るからね、今までだと何年向こうにいてもこっちだと最長一週間だったよ」


魔王の時なんて数百年いたのにこっちじゃ数時間だったからなぁ…

「でも、今回アスカ姉ちゃんは3ヶ月以上も戻らなかったんだ。だから心配したのに。帰って来たら姉ちゃんになってるし…」


っ! うん…やっぱり来たね。

ユウキも気づいたね。

ちょうどいいや、アクセサリーの検証になるね。


今回は私か…

「お姉ちゃん!」

「大丈夫だよ〜」

私の頭上にでた魔法陣は光りだした直後にヒビが入り…砕け、粒子になって消えた。

「ね?大丈夫だったでしょ」

魔法陣の消えた頭の上を指差しながら安心させるように言う。



それから未亜ちゃんが落ち着くのを待って私は2人に説明していった。


召喚された時にバカ王子のせいで魂レベルで女の子にされたこと。

魂レベルだからこっちで何かしらの強制力が働く可能性があること。

でも向こうで出会った人はみんないい人で治そうと頑張ってくれたこと。

そして今も方法を探してくれてること。

治せる方法が見つかった時のためにまた向こうへ行くための魔道具も貰ってること。


「なんと言うか…アスカ姉ちゃん大変だったんだね」

ほんとだよ…。


「えっと…結局、アスカお兄ちゃん?アスカお姉ちゃん?どっちなの?」

私が知りたい…もう意識としては完全に女の子なんだと思う。

「お姉ちゃんでいいよ、見た目、身体も完全に女の子だしね。気になるなら触って確かめてもいいよ」

「いいの!?」

未亜ちゃんめちゃくちゃ食いついたな。


ペタペタ顔や髪を触られる。 あー髪切りたいな。腰まであるのは流石に長過ぎる。


明日美容室にでも…

「ふにゃぁっ!」

ちょっと未亜ちゃん…どこ触るの。変な声出た。


「お姉ちゃんごめん、そんな声出すとは…。でも確かめるなら一番手っ取り早いかなって」

そうかもしれないね?触っていいとも言ったけどね?

人に触られるってこんな感じなのね。ビックリしたー。


あれ?ユウキ顔真っ赤?

あっ…ふふっ。

「ユウキ?ユウキも触って確かめる?」

「いや、いい…」

なんだろ、いじりたくなる!


「お姉ちゃん! 男の子にそんな事言ったらだめだよ!」

はい…。ごめんなさい。


それから未亜ちゃんの質問タイムが終わり…。


母さんたちも帰ってきて、家族が増えて初めての全員揃っての夕食を食べた。

一緒にご飯作ったけど、母さんの手料理も久しぶり。

この家がこんなに賑やかなのっていつ以来だろう。

母さんは何時も賑やかだけど。



やっぱり色々あって疲れてたのか未亜ちゃんはお風呂に入ってすぐ私の部屋におやすみを言いにきた。


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