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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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のんびりできるのっていいよね



翌朝まだ暗いうちに起きた。 (ママおはよー)

おはよーティー。


ティーによるとこのまま行くと、もう一時間もしたら到着らしいからね。

早く着き過ぎてもよくないから速度を落としてもらって、朝食はホットサンドを作った。

あまりゆっくりもできないし、食べやすい物をと思って。



朝食を作りながら、サプライズ用に花火の魔法を考えてて、ふと気になった事が…。 (うん?)

王妃様のお誕生日って何月? と言うかこっちって季節とか暦ってどうなってんだろ…。

ティーは知ってる? (もちろんー)

さすがだよ…。 (ドヤァ!)

私が気にしなさ過ぎだよね… (こっちも季節はあるのー。今は秋)

へぇー。冬とか寒いのかな? (ううん、王国は夏も冬もあまり気温の変化はないみたい)

過ごしやすいのは羨ましいなぁ。 (日本の3ヶ月分で一季。 四季で一年)

分かりやすくてありがたいね。 (今は四季の初めだよー)


ティーのお誕生日はいつになるのかな?強制力貰った時? (それはヤー)

なら私が作った時…、それとも話せた時? 後は…実体になれた時? (実体になれた時がいいー!)

確かにそれがみんなにも紹介できた時だもんね。 (うん)


でもややこしいことになるな…。 (なにがー?)

いや、こっちの暦で考えるか日本の暦で考えるかで変わるし…時間の経過も違うからね。 (あー)

日本で考えると…初めて一緒に実体で帰った日とかになるかな? (そっちがいい!)

わかったよー。 てことはユウキと同じ5月だね。 (ママはー?)

私は7月だよ。 (お揃いじゃなかった…)

こればっかりは仕方ないよ。 因みに未亜のお誕生日は11月だね。 (それは知らなかったー)


私も本人に聞いたわけじゃいからね。 (こっそり?)

まぁそうだね。未亜の友達の明ちゃんにメールで聞いたから。 (なるほど…)

もし本人に聞いた時が、お誕生日に近かったらサプライズしにくいじゃない。 (策士なの)

ひどい言われ方だよ。




ティーと話してたら、そろそろいい時間。

朝の放送をお願いしようかと思ったんだけど…


ユウキからファミリン通信がかかってきて、まだ来るのは早すぎるって言われた。

準備が出来てないからって。先に言ってほしかったよね?

魔力が近づいてきたから気がついて、慌てたらしい。

お昼前くらいにしてほしいって。


なのでドラツーは今かなり低速で飛んでる。

さらに速度を落としてるのがバレないように雲の上を…。

これ、魔力防壁無かったら温度も下がって、酸素も薄くなってたよね。 (ママバリアー)

変な名前つけられたな…。


早めにご飯食べる必要もなくなったから、のんびりでいっか。 (放送はー?)

もう少し後でいいよ。のんびりしよう? (はーい)


キッチンのカウンターでティーと話してたら未亜が起きてきた。

「お姉ちゃん、ティーちゃん、おはよー」

「おはよーなの」

「未亜、おはよ。早いね?」

「お姉ちゃん達のが早いよ! ご飯もう出来ちゃった?」

「うん、早くに目が覚めたからね」

またお手伝いできなかったってヘコんでたけど…気にしなくていいのに。



ユリネさんも起きてきて、挨拶してくれた後、王妃様の元へ向かった。

今朝はセナさんが、扉の前で護衛というか見張りに立ってる。


危険とかが無いってわかってても、職務らしいからねー。 (お硬いのー)

騎士様がゆるいのはダメだと思うけど? (今朝の見張りはゆるいよー?)

…それは言ったら駄目なやつね。 (むー)

相変わらずティーのセナさんへのアタリが強い。 (仕方ないの!)



ティーに船内放送を頼んで、未亜と飲み物の準備。

「おはよーございます! ドラツーの旅も後少しー。ツリーハウスにはお昼くらいに到着予定です。朝ごはんもママが用意してくれたので、食堂へどうぞー」


ティーにお礼を言い、抱き上げて専用の椅子に座らせてあげる。

「ホットサンドと、オレンジジュースだよー」

「ママありがとー!」


王妃様もアリアさんを連れてキッチンに。

「おはようございます、ドラツー最後の夜でしたけど…ゆっくりできましたか?」

「アスカちゃんおはよう。 ええ、快適すぎて、お城が不便に感じそうなくらいよ…」

アリアさんも頷いてるから本当なんだろうけど、なんだか申し訳ない。


王妃様にもホットサンドを出して、昨日作った魔道具の報告をした。

ヤバいのを除いた2つね。

「なるほどね、わかったわ。教えてくれてありがとう。 それで?」

「え?」

「アスカちゃんがそれだけで終わるわけないわよね?」

うぐっ…お見通しですか。 (知ってた!)


「一応、今思いついて、出来る最高の物も作りました…」

「見せてもらえる?」

ストレージに封印予定だった転移魔道具を手渡す。


「…相変わらず繊細な術式だわ。 何も理解できないけど…。説明してもらえる?」

「はい」

嘘をつく訳にもいかないし正直に話す。


「ということは、アスカちゃんの魔力ドームに入れば誰でも転移可能なの?」

「そうですね。魔力消費もかなりの物ですが…」

「当然よね。 これ知ってるのは?」

「私と、ティー。今話を聞いた未亜と王妃様、それにアリアさんだけです」

王妃様からなるべく口外しないよう念を押された。当然だよね。

でもさ?聞いたの王妃様だよ…。 (確かにー!)


「それからシエルの事なんですが…」

「うん?魔力循環がうまくいかなかった話?」

「はい。それでも付いてきたいって言った場合、この魔道具を使うことになると思います」

「そうね、それしかないわね…。アスカちゃんの魔力に耐えられない感じだものね」

「はい。それと…もし残ることになった場合は…」

「こちらで面倒見るから問題ないわよ?」

「そのことで一つご相談が…」

シエルの服を作る技術が高く、それを活かして服のお店を出させてあげられないか?って話をした。


「なるほどね、元々の騒ぎの原因も服だったわね…。場所の手配とかは問題ないけど、商業ギルドを通さなきゃいけないわね」

「ある程度のお金や素材は私が出しますから」

「いやいや、こっちでやるわよ」

「いえ、引き取った以上私の家族ですから…」

「…そう、わかったわ。じゃあせめて場所の手配と商業ギルドに話を通す時には協力させてね?」

「はい。その時はお願いします」

これでシエルの選択肢を増やしてあげられるね。



ちょうどそのシエルとリア、ティアねえ様も起きてきて朝食。


「長老様二人は、まだ起きないと思うから、みんな先に食べたほうがいいよ?」

お年寄りって朝が早いイメージだったのだけど…って失礼なこと考えてしまったよ。

見た目は若いから関係ないのかも?

ティアねえ様がそう言うならって事で、騎士様とユリネさんも先に食べてもらった。


リアの事もあってドラゴンは夜行性なのかな?とか思ってたけど…

単純にドラゴンってのんびりしてて、寝るのが大好きらしい。

することが無いと寝てるとか…。


ティアねえ様みたいにアクティブなドラゴンは里を出てあちこち行ってるんだそう。 

「大きな街なら一人は人化したドラゴンがいるんじゃないかなぁ」

自由だね、ドラゴン。


「お金とかどうしてるの?」

「私達だと、エルフの森から色々もらえるから」

「うちも、それは聞いたことあるの」

シエル曰くエルフの中から選ばれた人が献上品とか色々持っていくらしい。

運ぶ人は名誉なことなんだとか…。


「色々不思議な文化があるんだね。勉強になったよ」

「アスカの学校のが珍妙よ!」

リアになんか怒られた…。


リアとティーがみんなに学校の話をしてるんだけど…その話はやめない?ダメ?

ファンクラブの話はやめてほしかったよ…。

一応は勉強する所だからね。 その話は面白くないと…。そうですか。

未亜も巻き込まれてるから複雑だよね?って思ったのに!


ティーと一緒になって色々話してるわ。

ユウキがいれば私の気持ちわかってくれたよね…?


落ち込む私を尻目に話が盛り上がってたら長老ドラゴンも起きてきたから朝食をだした。

まだ寝ぼけてたノワルレイナさんが子供みたいで可愛らしかった。

いつもの事らしく、フレアベルナさんが世話を焼いてて…お母さんかな?

昨日はしっかり目が覚めるまで部屋にいたらしい。


この世界のドラゴンがのんびりしてるってのを目の当たりにした感じだね。











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