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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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協力要請



お昼はユリネさんが軽食を作ってくれた。

私が魔道具の事にかかりっきりだったから、任せてくださいって。

感謝だよー。お礼を伝えたら喜んでたけど、前みたいに抱きつかれたりとかしないから良かった。




午後は自由時間。

未亜とリアはシエルの部屋で服の相談らしい。


長老達は展望室へティアねえ様が案内してたから、しばらく戻らなさそう。

展望室へ行くとみんな何故か長いんだよね。眺めがいいからかな?



「アスカちゃん、少しいいかしら?」

リビングのソファーでドラゴン姿のティーを抱いて寛いでたら王妃様に声をかけられる。

「どうかされましたか?」

「城の方へ連絡をしたのだけどね?酷いのよ!」

王妃様が何らやら怒ってらっしゃる。

何だろうって思ったら…。


陛下とシルフィ様、王子で、以前私が作ってアリアさんに譲渡した、ツリーハウスに遊びに出てるとか。

ドラゴン関連のゴタゴタも、この支援が終わった事でカタがついたからって。

打ち上げ感覚かな? 王妃様は、自分の帰りを待たずに出かけたのが許せないらしい。


「しかもね?またこのドラツーに乗りたいからって、そこで待ってるって言うのよ?」

「では、行き先はツリーハウスですね」 (りょーかいなの)

ありがとねティー、お願い。


「ごめんなさいね、勝手に…」

「いえ、それくらいの事でしたら。明日の午前中には到着しますので」

「わかったわ。ありがとう。  まったくもう…まだ長老様達との会合もあるのに!」

しばらく王妃様の機嫌は直らなさそうだね。 (王妃様が怒ってるのも珍しいの)

そうだね、きっと行くなら一緒が良かったんじゃないかな? (うんうん)

そのまま部屋に帰って行っちゃったね…。 (自称魔王のこと謝りそこねちゃったの…)

今はタイミング悪かったから仕方ないよ。 (はーい)




「お姉ちゃん見てー!」

「私も!」

今度は未亜とリアだね。

「未亜、可愛いねー。よく似合ってるよ。シエルに作ってもらったの?」

「うんっ」

ゴシック調の上下でフワッとしたスカートがよく似合ってる。


「アスカ、私は…?」

「リアは大人っぽくて素敵だよ。普段と違うのがまたいいんじゃないかな?」

深めのスリットが入ったスカートが大人っぽい。気がする…

「ふふーん。ちょっとしたイメージチェンジよ?私は子供じゃないからね!」

普段は可愛らしい服を着てるものね。

背伸びしてるのが子供っぽく感じてしまうけど黙っておこう。


私に見せて満足したのか、二人はまたシエルの部屋に戻っていった。

何だったのだろう…。 (ファッションショー?)

え?じゃあ、また来るの!?


その後、何度も着替えては見せに来る二人に感想を伝えなきゃいけなくて…。

「つかれた…」 (ママお疲れ様ー)

そう言うティーはずっと寝たふりしてたわね? (ママのお膝で寛いでたの)

そっか。まぁあの二人も楽しそうにしてたから良いけどさ…。

後でシエルにもお礼を言っておかないとね。




ん?ユウキからファミリン通信だね。

ここで出ると人が来るかもだし部屋に行こうかな。 (ティーもー)

はーい。抱っこね? (うんっ)


ティーを抱いて、自室に戻りファミリンをつなぐ。

「ユウキ、何かあったの?」

”うん、そうなんだけど、今一人?”

「ティーと自分の部屋だよ」

”ならいっか…ちょっと王女様から伝言でね?”

「うん?なんでユウキに?王妃様に繋がるのに…」

”まぁ、理由があるから聞いてよ”

「わかったよー」


ユウキからの説明をまとめると…。 

明日が王妃様のお誕生日らしく、サプライズの為に私の作ったツリーハウスに身内だけ集まってるらしい。

ユウキも今朝からそっちにいるらしく、私にもなにかサプライズを考えてほしいと。


だから陛下達は王妃様の帰りを待たずに出発したのね。

サプライズかぁ…。魔道具はもう渡しちゃったし…。

どうしようかな…。 (花火あげる? イルミネーションとか?)

あぁーいいかも。さっきは魔力ドーム内だけだったものね。

花火なら魔法でなんとでもなるし。 (さすママ!!)

イルミネーションは魔道具だな。 ツリーハウスを飾り付けるとか? (おぉー)


「ねぇ、ユウキ。魔法で花火上げて、ツリーハウスをイルミネーションで飾るとかはだめ?」

”そんな事…できるか、姉ちゃんなら。確かにそれならインパクトあるね”

「ティーの提案なんだけどね」 (ドヤァ)

”ティーお手柄じゃん。陛下への説明はしておくよ”

「お願い。許可出なかったらまた考える。後は…ケーキ焼く?」

”いいね、大きなケーキは無いみたいだし…”

「わかったよ。でっかいの焼くよー」

”頼むから加減してね!?”

「わかったー」

”フリじゃないからね!”

「はいはい、未亜とかへは話しても平気?」

”王妃様にバレなければ大丈夫”

「気をつける…」 (ママ、嘘下手だから…)

くっ…。


ユウキとの通信を切って、未亜の居場所を意識して探す。

…まだ、リアと一緒にシエルの部屋だね。 (ちょうどいいのー)

うん、話に行こう。


自室を出ると、王妃様の部屋の前にアリアさんがいるから、自室に王妃様は居るみたい。

なんとなく王妃様の居場所を探るのは気が引けるんだよね…。 (ママは律儀…)

だってねー?王族の人だし…。 (ママの体内なのに…)

確かにそれに近いけど、言い方! 



シエルの部屋は初日にユウキが使ってた部屋だから一番後ろ。


「シエルーちょっといいかな?」

「お姉様?入ってー」

部屋の中は、さっき未亜とリアがファッションショーで着た服が散らかってる。


「お姉ちゃん、どうしたの?」

「アスカも可愛い服を着たくなったのかしら?選んであげるわよ?」

「ううん、ちょっとみんなに相談があってね」

ユウキから聞いた王妃様のお誕生日の話と、ティーがしてくれた提案、それにケーキを焼く話をする。


「花火って、さっき見せてくれたキレイなのよね?」

「アレはかなり規模が小さいけどね」

「お姉ちゃんは大きなのもできるの?」

「魔法でならね?だからコッチでなら出来るよ。陛下の許可が出たら〜だけどね」

地球でやったら大騒ぎになるだろうね…。


「未亜はケーキ焼くの手伝ってもらえる?大きいの作るから」

「わかったよ! 任せて」

「お姉様、うちは?」

「シエルには私達のパーティー用の服をお願いしたいの。いいかな?余り時間がないけど…」

「大丈夫! 任せてほしいの。サイズもわかってるし」

「リアも、センスがいいからシエルと一緒にいてくれる?リアなら私の好みわかってくれてるし」

「そういう事なら仕方ないわね! 任されたわ。アスカが着やすそうなデザインにするわ」


「ママ、ティーは?」

「ティーは一番重要だよー。王妃様にバレたらサプライズにならなくなっちゃうのわかるよね?」

「うん。じゃあスパイ?」

「みたいなものかな?それとなく王妃様の動向を知らせてくれると助かるかよ」

「任せて!」

ティーと私ならファミリン使わなくても会話ができるからね。 (うんっ!)


「お姉ちゃん、ケーキの材料ってあるの?」

「うん、フルーツが心配だったけど、エルフの森でたくさん貰ったからね」

生クリームとかはプリンにも使うから持ってるし…。 (プリン!)

今回はプリンはないからごめんね。でも大きなケーキが出来るから。 (楽しみなのー)


「じゃあみんなお願いね!」

「「「「おー!」」」」












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