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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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魔道具の勉強会 移動教室 後編



「ユリネさん、ここにある魔石の中で、好きな色ってなんですか?」

「え?そうですね…この紫とか好きです」

紫ね、了解。


「じゃあユリネさんが選んでくれた紫の魔石に定番の術式を刻んでみますね。魔法防壁、魔力電池、取り敢えずこの二つを…」

自分の魔刻刀を取り出して術式を刻む。


「こんな感じですが…」

「アスカ。早すぎるわよ。何もわからなかったわ…」

「ええ…アスカちゃん、もう少しゆっくりお願いしていい?」

「今ので完成したの!?え?」

「落ち着きなってレイナ」

「いや…だって!」

早かったかぁ…。まぁ、わかってたけどね。

数作りたいから許してほしいな。


「じゃあ、ルニアさん。お好きな色は?」

「え?えーっと、このピンクとか?」

「ありがとうございます。ならもう一度同じ物と魔力増幅効果も、速度落として刻みますね」

ルニアさんが選んだピンク色に術式を刻む。


「まだ早いわよ、アスカちゃん! かろうじて追える程度よ!?」

「私、まだ何も追えないのだけど…」

「お姉ちゃん、魔力の流れって前みたいに見えるようにできる?」

「うん、ならそれでやってみようか、セナさん、お好きな色は?」

「私〜?緑とか〜?」


「じゃあ今度は緑の魔石に、魔力を可視化して刻んでみますね」

魔力に色を付け、可視化して魔刻刀へ流しながら刻む。


「すごい…あんなに細くできるものなのね。アスカちゃんの術式が繊細なはずだわ…」

「魔力の可視化!?もう何がどうなってるの?」

「レイナ落ち着けー」


「相変わらずアスカの魔力の流れってキレイだわ」

「その言い方…リア、何かあったの!?」

「ええ、魔力操作を教えてもらうときにね、あれもすごくキレイだったの」

魔力ドームのかな?

「ズルいー! 私も見てみたい!何があったの?」

ティアねえ様がわがまま言うのも珍しい。それなら…


みんなを魔力ドームで包んで夜空のように可視化した。

「なにこれ… すごいキレイ…。リアが見たのってこれ…?」

「アスカ! もう…」


「お姉様これ…全部魔力なの?こんなに温かいものなんだ、魔力って…」

「ママの優しさに包まれてる感じなのー」

「お姉ちゃんの優しさ…」


ダイヤモンドカットにした透明な魔石。それにも刻む。

「このまま実演続けるよー」

「嘘でしょ!?この魔力維持しながら?」

「それには私も同意するよレイナ…ありえないわ」


「アスカちゃん、これ維持しつつ魔刻刀使うの!?」

「これくらいなら…」

「これくらいって…」

どんどん行くよー。鮮やかな赤色と、黒の魔石にもね。


魔力ドームの方は虹色に変更してみたよ。

「すごいよママー。なにこれー!」

「もうこれどっちを見たらいいの?リア教えて!」

「ねえ様の好きにしたらいいじゃない…」

「冷たいなぁ…リアは。ノリが悪いよ?」

「ふんだっ」


赤色完成ー!

魔力ドームをクリスマスのイルミネーションみたいにカラフルに点滅!


黒の魔石にも術式を刻む…。

「お姉ちゃん、これイルミネーションだね?」

「未亜、当たり!」

「未亜ちゃん、いるみねーしょんって何かしら?」

「私達の世界で、冬のイベントの時とかにこんな感じで、夜の街に明かりが灯るんです」

「街が…きっと綺麗なんでしょうね」


「アスカ、私絶対見たいわ」

「うん、そうだね見に行こ」

「ママのも十分キレイなのー!」


「こんなの初めてみたよ…ありがとうアスカ」

「ティアねえ様の珍しいわがままだったからね?」

「…これはダメだ。マジで惚れる…」

「ねえ様! もぅ、アスカのバカ…」

「リアちゃん落ち着いて…わかってた事でしょ」

「そうなんだけど…」

なんかさらっとバカって言われたな…。


「ベルナ…世界って広いわ」

「そうね、山に引きこもってる場合じゃないわね」

「ええ…」



魔力ドーム内を小さな打ち上げ花火のようにしてっと。

みんながそっちを見てる間に、術式を刻んだ魔石をアクセサリーに加工していく…。


ユリネさんのはメイド服に合うように、シルバーでまるく魔石を縁取りしたシンプルなものに。

ルニアさんとセナさんは王族を守る騎士様だからカイトシールド型にしてセンターに魔石。

王妃様のは王家の紋章にしようかと思ったけど、勝手に使うのもダメかなぁって思って…。

悩んだけど、一対の天使の羽っぽくして真ん中にダイヤモンドカットにした魔石を。

ノワルレイナさんは、ディフォルメした黒いドラゴン、その目に赤の魔石。

フレアベルナさんは赤いディフォルメしたドラゴンの目に黒い魔石。

それぞれポーズは変えたよ。


全部ペンダントにしたけどいいよね。 (ママがまたなにかしてた…)

バレちゃった? (みんな魔力ドームに気を取られてたけど…ティーはわかったの)

流石だねー。 (ふふん)


花火が爆ぜて消えるように魔力ドームも解除する。

「あぁ…消えちゃった…本物の花火みたい」

「未亜、本物ってなに?」

「リアちゃんもそのうち見れると思うよ?」

「むー、わかったわ。楽しみにしておく」


「魔法ってこんな事出来るんだね、ありがとうアスカ。たまにはワガママ言ってみるものだね?」

「いえいえー」

「森にいたらこんな素敵なこと知らなかった…魔法って攻撃とかの為だけの物って思ってたの」

「魔法はいろいろできるからねー奥が深いよ?」


「なんだか消えたことが切なくなるわね…でもそれがまた素敵に感じるわ」

「はい…王妃様の仰る通りです。夢でも見ていた気分で…」

「何これ〜涙出てきたんだけど〜」

「あのセナが…泣いてる!?」

「ルニアも泣いてるよ〜」

「え…? ホントだ…」

ちゃんと花火っぽさは出てたみたいだね。

花火の終わった後の切なさって独特だから…。


それに、屋台へ行きたくなっちゃったよ。 (屋台?)

お祭りの時にね、いろいろなお店が並ぶんだよー。 (いいなー)

もう少ししたら近くであるからみんなで行こうね。 (ほんと?やったぁー)







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