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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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持っていけなかった話



夜に自室で魔刻刀を追加で作ってたら遅くなってしまった。

「ママ、もう寝ようー?」

「そうだね、ごめんね。先に寝てても良かったんだよ?」

「ヤー! 一緒に寝るの」

て事だから、ティーと一緒におやすみなさい。


…したはずなんだけど…また誰か部屋の前に来てるなぁ。

前にもこんな事があったから、嫌な予感しかしない。

でもこの魔力、リア? なら大丈夫か…。


扉を開けると、くまのぬいぐるみを抱えたリアがびっくりしてた。

「なんでわかったの!?」

「忘れてるかもだけど、ここ私の魔力体の中だからね?」

「そう言えばそうだったわ…」

「それで、どうかしたの?」

「…ちょっと怖い夢を見て、アスカの顔が見たくなったの」

そういう時もあるよね…。 私も初めて召喚された時は、戦いの夢に何度もうなされたっけ。


「入って。今日は一緒に寝よう?」

「いいの?」

「家だといつもそうじゃない」

「そう言われればそうね」


ベッドで横になってリアの見た夢の話を聞いた。

「エルフの里でアスカが倒れたでしょ?あの時の夢をみて…アスカが私を置いて逝っちゃうの…」

「…あれはごめんね。先に言わなかった私が悪かったよ」

「本当によ…」

そう言ってぎゅって私の腕を掴むリア。

私は撫ぜてあげることしかできなくて…。


「独りにしないで…アスカに何かあったらティーも居なくなるんだから。一度に二人も失うのとか絶対にいやよ」

「そう…だね。ごめん」


元が私の魔力から出来てるティーは当然、私に何かあれば影響があるだろう事は理解してる。

あの時、ティーが焦って走って来たのは想定外だった。

そうなると魔力波長の同じティーの魔力を吸ってしまうのもわかってたから…。

かなり慌てて、私とティーと完全にリンクさせた。

私なら魔力の枯渇もしないし、体力から補充もされる。

そうすればティーも私から補充されて消えることも無いし、すぐ目が覚めるからね。

まぁそれで私達は倒れた訳だけど…。


魔刻刀を使いすぎて気絶した時よりスキルとかも増えてるから、本来なら魔力の枯渇はまずしない。回復のが早いし…。

もしくはしても体力から即変換されるから気絶さえしない。

それが二人分の補充になると流石に回復が追いつかなくてね。

体力も全部持っていかれて…。 おそらくこっちの身体は短時間だけど死んでたんじゃないかな。

魔力体のドラツーもあるから、完全な死ではないとは思うけど。

ドラツーもある意味では私だし。

それに元魔王だから短時間で復活した。そういうスキルが消えずに残ってる。

ティーもリンクした事で私のスキルを共有したからそのスキルによって消えることはない。 

つくづく魔王って理不尽な存在だと思う。


まぁティーを守るためだから、なんの躊躇いもなかった。 ただ…

こんな事ティーが起きてたら考えることもできない。間違いなく落ち込むよティー。

心配して来てくれたティーには言えないよ…。



リアは目に涙を浮かべたまま寝ちゃったね。

ごめんね、心配かけて…。涙を拭って撫ぜておく。


少し母さん達の気持ちが分かったかもしれない…。

話さないまま、相手が気が付かないままなら心配かけないものね。

でも、話さなくても気がついてしまう事がある。 (ママ…ごめんなさい)

っ! ティー!?起きてたの? (うん…リアが来たときから)

あぁ…私のバカ! (ティーのせいでママが…)

違うよ、ティー! ちゃんと話してなかった私のせいだから。 (でも…)

私ね、ティーが私のスキルや能力を全部把握してると思ってたから。 (流石に全部は無理。多すぎるの)

だよね。だからティーは焦って来てくれたんだものね。 (うん…でも余計な事しちゃった)

それは違うよ。 あの時、びっくりはしたけど嬉しかったんだよ。 (そうなの?)

うん、だって本気で心配してくれたんでしょう? (当たり前なの!)

だから、ありがとうティー。 (うん…)


ティー、覚えておいて。魔王は死なないのよ? (安心したの。でも…)

うん? (ママじゃなかったら理不尽すぎる…)

ほんとそれ。前に戦った魔王も同じようなのいて苦労したもの。 (そうなんだ) 


倒しても倒しても復活するからね。魔力もなにもかも全部、存在事完全に消滅させたよ。 (ならママもそれをされたら…)

それも対策したよ?魔王のときに。 (理不尽の塊…)

ひどい!? (でも安心したの、ずっとママと一緒)

そうだよー。 (〜♪)



墓まで持っていくつもりだった真実が結局一番バレてはいけないティーにバレてしまったね…。 (ティーに隠し事はできないのー)

ほんとね。 (ただでさえママは嘘つくの下手なの)

くっ…。 (表情に出てるからー)

そうなのね…。 (それもママの良いところなの)

それはどうだろう!?


エルフの里で起きた本当の真実はこんなところだけど…。

これみんなにバレたらまた怒られる!? (当然…でもティーのためだったから)

それはね、大切なティーの為だもの。 (ありがとうママ)

話したほうがいいのかなぁ…後からバレた時のが怖い。 (ティーがうまく話しておくの)

それでいいのかな…? 私が自分で話さなきゃいけない気がする。 (うーん…)


明日の朝ごはんの時にでもみんなに話すよ。 (ティーも協力するの!)

ありがとう。さぁ、もう寝よう? (うん、おやすみなさいママ)

おやすみティー。


寝る前に確認だけしとこ…。私って結局何者なの!?

魔力ドームに鑑定術式流し込んで自分を包む。

………はぁ…。 まぁそうだよね。

ティーもずっと言ってたし…。




 


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