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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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長老と会談



夕食の仕上げに取り掛かってたら、ティアねえ様に案内されて長老二人がキッチンへ顔を出す。

「アスカ、少しいい?」

「うん、もう仕度も終わるから。 なにか用事?」

ティアねえ様曰く長老二人が私にいくつか聞きたい事があるらしい。

なので、キッチンを未亜に任せて、長老二人とリビングのソファーへ移動した。


「聞きたい事って何でしょうか?」

「まず今回の騒動、まるく収めて頂いてありがとうございます」

「私は暴れてたドラゴンを止めただけなので…」

「弟がご迷惑おかけしました」

ドラゴンの長老二人に頭を下げられてしまって恐縮してしまう。


争いを好まないドラゴンが多いから本当に助かったって事らしい。

あのドラゴンって里でも上から数えたほうが早いくらい強くて、もし長老衆と戦いになってたら、周りへの被害が大変なことになってたって。

だから強硬手段が取れなくて見過ごされてたのか…。


「お尋ねしたかったのは弟を封印してる魔法の事と頂いた魔道具の事です」

魔法も魔道具も見たことがないものだったから興味を惹かれたみたい。


「魔法は一応、氷系統のものになりますが、炎や熱でも解けないのでクリスタルに近いかもしれません」

「なるほど…どおりで。解ける気配がないわけですね」

山の暖かい場所で解けないか最初は心配だったらしく、警戒していたけど一向に変化もなく不思議に思っていたらしい。


山が温かいのはフレイム系のドラゴンが多くいるからだって。

フレアベルナさんも凍ってるドラゴンもそうだし…。


まぁアレ解除できるの私だけだしなぁ…。後は渡した魔道具か。


「魔道具に関してはその場で作ってルナシアさんに渡したものです」

「ええ、それはシアから聞きました。でもあれほど細かく複雑なものは私も見たことがなくて」

ノワルレイナさんは魔道具に詳しいらしく、それでも解析しようとしてできなかったらしい。


「王妃様に魔道具作りを教えておられるとか…私にも教えていただけませんか?」

「教えていると言うより、お互い勉強しあってる感じですよ?」

「そうなのですか?王妃様は色々教えてもらったと仰ってましたが…」

「私も色々学ばせていただいてますから…」

王妃様には色々魔道具頂いたりもしたしね。それに王妃様との魔道具談義は楽しいから…。

魔道具の事に関しては王妃様も関わってるみたいで、この移動中に勉強会をする事に。


「最後に、これはお願いなのですが…」

なんだろう?って思ったら、フレアベルナさんがルナシアさんの洞窟の改装が羨ましいらしくて。

同じように作ってもらえないかって事だった。

必要な資材と報酬は出すからと。

資材は有り難いけど、報酬まではいらないって言ったらびっくりしてた。


「リアをフィアに会わせるためにもまたお邪魔すると思うのでその時でもいいですか?」

「はいっ。それまでに資材の調達をしておきます」

フレアベルナさんすごく嬉しそう。


「ある程度希望を決めておいて頂けると早いと思います。こんな部屋がいいとか…」

「わかりました!」

「あの…私もいいですか?」

「はい。ただ、今のところ次にいつお邪魔するか決まっていないのでそこだけはご了承ください」

「それは勿論です」

ノワルレイナさんも楽しみみたいだから、これは早めに来ないといけないね。

まぁ…リアがすぐ来るって言いそうだけどね。

フィアと離れるの寂しがってたし。


「後一つだけ、これは興味本位なのですが…ルナリアとは番なのですか?」

番って…。


「大切な家族だと思ってます…」

「ちょっと! いくら長老様でもそういうプライベートに踏み込むのはやめて欲しいわ」

突然来たリアに会話を遮られる。

「しかし、ルナリア…こう言う事はちゃんとしておかないと。契約が…」

「それはドラゴン同士の話でしょう。アスカは人よ?それにこの魔力量よ?」

「…それは確かに。同等の契約は不可能だけど…」

なんか不穏な会話になってきたなぁ。口出さないほうが良さそう…。


「レイナ、貴女はかたすぎるのよ…そんなだから長老になっても独り身なのよ?」

「くっ…そういうベルナも独り身でしょう?」

「私は一人を謳歌してるの! 誰かみたいに必死に相手探したりしてないし」

「…だって! 寂しいのよ?それなのに…一番若いルナリアが相手を見つけた上にこんな優良物件よ?」

「それは昔、レイナが力で相手を手に入れようとしたからでは?」

「あの時は若かったの!」

ねぇ…これなんの会話? (長老も大変なのー)

そういう話なのかな?


「アスカ、ほっといていいわよ?あの二人ああなると長いから」

「いいのかな、話の途中だったみたいだけど」

「大事な話は終わってたじゃない。興味本位って言ってたし、もういいわよ」

ずっと聞いてたのね…。 (余計な事言わないかティーが監視を頼まれたのー)

なるほど。ティーとリアは仲がいいね。 (うんっ。ママお腹すいたの)

そろそろ夕食の時間かな、ティー、船内放送お願いね。 (任されたのー!)




「まもなくドラツー食堂にて夜ご飯になりますー。今日もママたちが美味しーご飯作ってくれたので奮ってご参加くださいなのー!」

イベントかな!? (なんか違ったー?)

ううん、いいよ。ありがとねティー。 (あいっ)



唐揚げにおにぎり、シエルが一生懸命ちぎってくれた野菜で作ったサラダ。

エルフの里でお馴染みらしいピタみたいなのに唐揚げと野菜を包んだ物。

ユリネさんも手伝ってくれて、まずは王妃様と長老二人に食事を出した。

私達も一緒にって事だったから、これからの予定とか話しながらの夕食になった。

みんな美味しいって喜んでくれた。

「アスカの料理は本当に美味しいよ! どこで食べた料理より美味しい!」

食べ歩きしてたティアねえ様から絶賛して貰っちゃった。


遅れてアリアさん達騎士様とユリネさんが食べてる間に長老達はお風呂へ向かった。

ティアねえ様が案内してくれるから私が説明する必要なくて助かったよ。


明日は朝からリビングで魔道具のお勉強会。

自由参加だって伝えたから誰が来るかな?

今夜のうちに魔刻刀を追加で作っておいたほうがいいかもね。

タルトは明日のおやつに出すつもり。 (楽しみなのー!)








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