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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章
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内緒話をするにはうってつけの場所?



地下室に魔道具の設置も終わり、私の部屋にあるクローゼットから出入りできるようにしてっと。

庭にできた、地下室を掘ったときの穴は完全に塞いだし…

内装は…家具はまだないけどそれは追々相談しながらでいっか。


「アスカ姉ちゃん、作業終わった?」

「うん、二人ともこの魔石に触れてくれる?」


クローゼットの奥、背板にあたる部分に地下室へ直接繋がる空間扉をつけた。

認証用に設置した魔石へ、魔力波長を登録した人だけが入れるようにもしてある。


ユウキは分かってるからか何も言わず魔石に触れる。

「お姉ちゃん?これは?」

「ん〜とね、扉の鍵みたいなものかな?これのおかげで私達3人しか入れない扉になるんだと思って」

「わからないけど…わかった」

魔石に未亜ちゃんが触れて、私自身も触れて登録。

3人の認証が出来てるの確認して魔石に正式に刻み込む。


私が魔石に触れるとクローゼットの背板に大きな黒いシミのような物が広がる。

そこに顔を突っ込むと…うん、ちゃんと地下室に繋がってるね。

「じゃあついてきて〜」

そう言って私は先に地下室へ進む。


アスカが消えたあとシミが消え元のクローゼットに戻ったのを見ながら未亜はうろたえる。

「ユウキ君、これって…」

「大丈夫だから、えっと、先に行く?魔石に触れればさっきみたいに扉が開くから。抜けた先にアスカ姉ちゃんいるから安心して」

「…わかったよ、先に行くね」


地下室につけた明かりの魔道具の確認をしてたら未亜ちゃんがきた。

「すごい…なにこれ!」

遅れてユウキも来たね。


「じゃあ説明するね。ここは私達の家の真下、地下室になるよ。広さ的には6畳くらいかな?狭く感じたら空間拡張で広げるし。まぁ…3人の秘密基地みたいな物だと思ってくれればいいよ。それと、この魔道具。魔力流せば起動するから、ユウキわかった?」

部屋の隅にある30センチ四方のボックス型魔道具に触れながらユウキを見る。

「わかったよ」


「お姉ちゃん、私にもわかるように教えてほしいな」

そうだよね、ん〜なんて説明したらいいかな…。


「ここは私達3人だけしか入れない地下の秘密基地、入り口はクローゼットの中だけ。これは大丈夫だよね?」

「うん、なんかちょっとワクワクする」

ふふっ、私もなんか楽しくなってるからわかるよ。


「それで、これが魔道具って言って…ほらこの地下室明るいでしょ?それも明かりの魔道具なんだよ」

「電気じゃないの?」

「うん、試しにその壁にある光ってる石に触れて、明かりが消えるイメージしながら、消灯って言ってみて」

首をかしげながらも未亜ちゃんは壁に設置してある明かりの魔道具に触れる。

「…消灯。 わ〜ほんとに消えた!」

未亜ちゃんが触れてた魔道具だけ暗くなる。


「言葉に出さずに思うだけでも反応するから、明かりが付くのをイメージしながら触れてみて」

「わかった」

未亜ちゃんが触れると魔道具の明かりが灯る。

「すごいすごい!」


未亜ちゃんが喜ぶからもう少し高度なのも見せてあげよう。

「それの応用でこんな事もできるよ」

私は地下室全部の明かりを薄暗くする。常夜灯くらいかな。

「わっ、暗くなっちゃった」

次は全部を昼間の明るさに。

「お姉ちゃんすごい! どうやったの?」

ふふん。

「アスカ姉ちゃんはこういう魔道具作るの得意だからね〜」

ドヤァ。 (……!)


「この部屋につけた明かりは全部連動してるから、一斉につけたり、消したり…明るさの調整もできるよ。やってみる?」

「やってみたい! どうやるの?」

「じゃあちょっとお勉強。説明はしないから考えてやってみて?壊れたりしないから大丈夫だし」

ん〜完全なイメージだからなぁ。できるかな?


未亜ちゃんは悩みながら、魔道具に触れようか迷ってるみたい。


「未亜姉ちゃん、アスカ姉ちゃんのさっきの説明が完全なヒントだよ」

まぁそうなんだけどね。

「なるほど…?」


未亜ちゃんが魔道具に触れると真っ暗になる。その後段々と明るくなっていく。

「できたよ! お姉ちゃん、ユウキ君!」

嬉しそうな未亜ちゃん見てるとこっちも楽しくなるね。


「じゃあ魔道具がどんな物かわかったところでさっきのコレね」

部屋の隅にある魔道具だ。


さっき作ってたアクセサリーで打ち消せなかったときの保険。

より強力で範囲は地下室を含めたこの家。

敷地内全部にしても良かったけど、建物を覆う方が簡単で単純。より強固になるから。


「これは家の中に居る私達を守るセキュリティみたいな物だね。さっき未亜ちゃんも見たからわかると思うけど、ユウキが消えたよね?」

「う、うん。なんか模様が出て光った後ユウキ君が居なくなった」


「そう、あれが話してた召喚されるってやつ。家にいると、さっきみたいに話してたり、酷いとご飯食べてたりしても連れていかれるからね。それを防ぐための物だよ。」

まぁ多分…殆どは渡したアクセサリーでなんとかなるとは思うけどね。


「ねぇ、お姉ちゃん。もしかしてそれって私も連れて行かれたりするのかな…?」

やっぱり心配になるよね。

私もそうだからアクセサリーやこれを作ったわけだし。


でも不安にさせたくないから…

「それは大丈夫だよ。うちの両親も、隣のおばさん達も連れて行かれたことは一度もないからね。私とユウキだけ。だから未亜ちゃんは心配しなくても平気だよ。未亜ちゃんを一人残して、私たちが召喚されないようにするための物だね」


…嘘だ。確証なんてない。両親は殆ど家にいたことないし隣のおばさん達も極稀に訪ねてきても玄関まで。

だからたまたまかもしれない。

年齢とかが関係してるのかもしれない。

わからない。


唯一ハッキリしてるのは私もユウキも召喚されるのは自宅にいるときだけ。


だからこれから一緒に住む未亜ちゃんが召喚されない保証はない。


でも、せめて…未亜ちゃんがここの生活に慣れて落ち着くまでは。

後で責められてもいいから嘘をつく。

何もなければそのまま…不安にさせないままでいい。


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