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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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後悔



ドラツーの自室に転移。

戻るのを二時間後にした理由?直後だとまた前みたいに気持ち悪いって言われるからだよ!

「ママおかえりなさい…」

「ただいま、ティー」

ドラゴン姿でベッドに丸まってるティーを見ると少し落ち着いた。


はぁ…言いすぎたかなぁー。

ベッドへ座り、思い出すと後悔ばかり。

でもまだ怒ってる気持ちもなくならない。

やっぱり…時間が必要だね。 


”ピー、ピー”

ユウキ?


「どうしたの?」

”いや…おかえり”

「うん、ただいま」

”ティーがずっと繋いでてくれたから向こうであった事は把握してるよ”

「え?だからティー静かだったの!?」 (うん…)

”姉ちゃん、ありがと。怒ってくれて…僕だったら言われたとおり父さんを殴り飛ばしてたかも”

「そう…あれで良かったのかな?」

”それはわからないけど…今はお互い時間が必要なのは確かだし”

「うん…。 私言い過ぎたよね…」

”いや?優しすぎるくらいだと思うね。勝手すぎるよ母さん達は”

「だよね…」

”だから姉ちゃんも気にしすぎないようにね?”

「…ありがと。 未亜へは話すべきかな?」

”うーん…難しいね。落ち着いてから母さん達に直接聞いたほうがいいのかもしれないし”

「かなぁ…取り敢えずは保留かな」

”それがいいね。 それに姉ちゃんが男に偽装されてたかもって…”

「うん、母さんの予想でしかないみたいだけど、王妃様に確認はしてみるよ」

”わかった。僕も偽装されてるんだよね?”

「あの話しぶりからするとそうだね…。解除してみる?」

”…いや。なんか怖いからいい。するにしても母さん達と話し合ってからにするよ”

「わかった。でもそれでいいの? はっ! ユウキも女の子だったりして…」

”冗談きついから! それに、この姿に不満もないから解除しなくてもいいし”

「そう。わかったよ…。でも気になるようなら私がなんとかできるから言ってね?」

”わかったよ。 この後はどうするつもり?”

「どちらにしても、まだしばらくこっちでの用事もあるから帰れないし…」

”あぁ…ティーから聞いたよ。長老衆の送迎するとか?”

「そうそう。また王国へ戻るときには連絡するよ」

”わかった、気をつけてね”

「ユウキも」



ベッドへばたーんって横になったらドラゴン姿のティーが乗ってきた。

「ママ、大丈夫?」

「うん、ちょっと気持ちの整理がつかなくて、どうしていいかわからなかったけど…」

「けど?」

「ユウキと話して、こうやってティーと一緒にいたら落ち着いてきたよ」

「そっかー」

「うん。ありがとね、ティー。ユウキに繋いでてくれた事もね」

「うんっ」

…よしっ。落ち着いたし、王妃様に話してこないとね。

報告することもあるし…。

疲れたのか眠そうにしてるティーをベッドへ寝かし部屋を出る。

ずっと、私と両親の会話をユウキに伝えてくれてたからね…お疲れ様。ありがとう…。




自室を出てリビングへ行くと、王妃様がユリネさんの淹れてくれたお茶を飲みながら寛いでた。

「早かったのね、アスカちゃん大丈夫?」

「はい…ちょっと両親と揉めましたが」

「それ大丈夫じゃないわよね?話せることなら聞きましょうか?」

「…はい。場所だけ変えませんか?」

「そうね」

ここで話してて未亜に聞かれる訳にはいかない。



VIPルーム、もとい王妃様の部屋へ移動して、ユリネさんの淹れてくれたお茶を飲む。

「その様子だと、話は拗れてしまったの?」

「そう…ですね。お互い時間が必要なので今は物別れになりました」

「…なにがあったの?」

順を追って王妃様へ説明をした。

未亜の事も。本人にはまだ黙っておくって事も…。

性別の偽装に関してもね。


「私も子供を持つ親だから、アスカちゃんのお母様達の気持ちは分かるわ…」

「そうですか…」

「子供を危険な目には合わせたくないのよ。それが些細な事だったとしてもね?」

「それはわかります。私もティーの事で心配したりしましたから」

「それにアスカちゃんだって心配かけたくないって黙って行動した事が何度もあるじゃない」

「…確かに」

それで何度もみんなに怒られたっけ。


「同じなのよ。心配かけたくない、巻き込みたくないって気持ちはね」

「…はい。やっぱり、私は言いすぎたのでしょうか…」

「いいえ。アスカちゃんの怒る気持ちも間違ってないもの。ただ、そうね…。 後悔しているのなら、次にあった時は落ち着いて話をしてみるといいと思うわ」

「わかりました。それまでに私もしっかり気持ちの整理をしておきます」

「それがいいわね。悩んだ時はいつでも相談に乗るからね?」

「ありがとうございます」


「それにしても…性別が偽装されていた?うーん…もう一度その方向から魔法陣を見てみるべきかも」

「お手数おかけします」

「いえ、確かにそのほうが説明が付きやすいのよ。魂レベルで変わってしまったと言うより、魂の記憶していた本来の姿に戻った…。そう考えるのなら…でも…」

王妃様はそのまま考え込んでしまう。


だから私もすんなり受け入れられたのだろうか?

でも…母さんの偽装にそこまでの力が?感じた魔力はそんなでもなかったけど。

父さんはなんて言ってた?母さんが巫女?特殊な力でもあるのかな…。

それとも母さんはステータスとか魔力も偽装してる?

まだ何か隠してるのは間違いないけど…今は考えてもわからないや。


今度はちゃんと話そう。

そう心に決めて、話を聞いてくれた王妃様にお礼を行って部屋を出た。




確か長老衆の準備ができるまで数日待機だっけ。

今するべき事は…長老衆二人が乗るのなら、そのための部屋を追加しないとね。

客室の扉が並ぶ真ん中に、ふた部屋追加。少し豪華にしてVIPルームに。

ルニアさんがいたから、部屋の追加を伝えておいた。


食事の準備はまだいいし…。


後は、シエルへの魔道具アクセサリーの作成くらいかな?

今のうちに作ってしまおう。

リビングのテーブルでいっか。



シエルって何色が好きなんだろう?

瞳の緑色に合わせるか…いやここは私達と同じように青にしよう。

シエルは素朴なデザインより、私が見慣れた現代風なデザインのが好きそう。

そうなると、魔石の形にこだわろうか。 魔力ドームに青魔石を入れてハート型に加工。

それに魔刻刀で術式を刻み込む。 地球へ来るかもだから召喚阻止、魔法防壁、魔力電池。

今は取り敢えずこれだけ。


これをシルバーで縁取りして…ペンダントに。

よし、こんな物かな。

シエルに渡さないと。

部屋にいるみたいだから渡しに行こう。




「シエル、少しいい?」

「お姉様?はいってー」

「お邪魔するねー」

部屋の中は服がたくさん広げられていて、危うく踏みそうになった。


「散らかしててごめんなさい」

「いいけど…すごい量ね?」

「作ってたら楽しくて…」

本当に好きなんだね。

王国に残るのなら、こういうお店を出せるように、協力してあげるのもいいのかな?

王妃様にも相談してみよう。


「お姉様、なにか用事?」

「うん、服のお礼にね?私も作ったから、プレゼント」

青いハート型のペンダントを手渡す。

「これ…もしかして魔道具!?」

「うん、私の得意な事だからね、魔道具作り。 身を守ってくれるし、魔力も溜めておけるから」

「ありがとう。こんな高価なものを…」

「私が作ってるから、高価でもないんだけどね?」

「ううん。森を追放されて、行く場所もない、うちを受け入れてくれて…。やりたい事もさせてくれて…その上でこんな素敵なものまで」

「私も素敵な服をもらったからおあいこだよ」

「…ありがとうお姉様」

まだ森での事を引きずってるのは仕方がないけど、早めに吹っ切れるといいね。

アクセサリーも喜んでくれたみたいで良かった。





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