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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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白銀のドラゴン



魔力ドームで包むと、目を覚ましてキュ?って鳴いて見上げてきた。

大丈夫だよ、安心してね。

キュ!

おとなしくしててくれるのかな?ありがとね。


ドームに鑑定の術式を流し込む。

体調そのものには異常はないね。

………これか。魔力の流れが確かに異常を起こしてる。

魔法のある世界なら普通は誰でも魔力って、自分の体の中を血液のように循環している。でもこの子は…

魔力の流れが身体から二箇所伸び、外へ出てるような形になってる。

その一方がルナシアさんに繋がっているね。

これが話にあったやつかな。こっちはキレイに流れている。

ルナシアさんの魔力を受け取り、循環して返している感じだね。


もう片方は、身体から出た所でぷっつりと切れてる。

そのせいで魔力が滞って巡っていない。 

それがちょうど体の中心線。色の赤い部分だね。

これって…もう片方もルナシアさんへつなぐべき?

いや…一度確認してみよう。


「あの。わかったことが…」

ルナシアさんとリアに今見てる状態を伝える。



「そんな…そこまで可視化できるのですか!?」

「かあ様。アスカなら当然よ?」

なんでリアが自慢げなのかわからないけど…、なんか嬉しそうだからいいか。

そのぷっつり切れている魔力の先をルナシアさんへ繋ぐべきか…判断を仰いでたんだけど…。

キューーー。


「えっちょっと…それはダメだよ!?」

キュー。

「嘘でしょ…」

「アスカ? どうしたの?」

「この子が自分で私に魔力ラインを繋いだ…」

「「え?」」


これ…大丈夫なの? (ママって魔王のとき魔力体だったから…ある意味ドラゴンに近いの)

そんな! 今は違うよ? (ママは普通の人間じゃないっていったのー)

えー。どう思ったらいいのそれ…!


「すごい…これがアスカさんの魔力…力強くて温かいわ。 うちの子が選ぶのも当たり前よ…」

「そんな…うそでしょ!? かあ様にアスカを寝取られたぁ!!」

「はぁ!?なにをいってるの?リアちゃん! どういう事?ねぇ!」


キュ!キュキュー!

うん?あーあれね。いいよー。そんなによかったの?

キュ!

そっか。今もお気に入りなのね。

キュー!

あーうん。びっくりしたけどね。

キュキュ!

うん、ほんとだね。キレイになった! 魔力もきれいに流れてるね。

キュ〜!


「ねぇ、アスカ今この子と話してた?」

「うん、なんか言いたいこと伝わってくるの。前にあげたベビーバスケットとクッションがお気に入りなんだって」

「ええ、寝るときは必ず使ってますね。中にいるときは本当に大人しくて」

「後は勝手に魔力をつないでごめんねって。それと、お陰で体きれいになったよって」

「ほんとだわ…背中が白銀に光ってる…」


「アスカさん、不束か者のバツイチですが…よろしくお願いします」

「待てぃ! かあ様どさくさでなにを言ってるのかしら!?」

「だって…魔力が繋がってしまったのよ?」

「魔力だけ! でしょうが! しかも一方通行でしょ?それに、この子が間にいるからじゃない!」

「寝盗られ…お姉ちゃんが…」


「ちょっと…。やっとお仕事終わらせて帰ってきたらなんなの?このカオス空間は…」

「ティアねえ様…」

キュー!

「おっ、可愛い弟よー…?あれ?この子、こんな色だった?」

赤ちゃんドラゴンを抱き上げてティアねえ様は首を傾げる。

「なんでこの子からアスカの魔力を感じるの!? アスカ、何があったの?」

今起きたことをティアねえ様へ説明する。




「なるほどね〜。まぁこの子がアスカに惹かれる理由はわかるよー」

「そうなの?」

「うん。姉妹だなーって実感したよ」 

「ん?もう女の子になってるの?」

「うん。アスカの強ーい魔力でね。この子私より強くなるよ…ヤバいなぁ」

「え?何か危ないの?」

「違う違う、姉の立場の話」

「あぁ」

「それより…あっちどうするの?」

「どうしよう?」

リアとルナシアさんは言い合いしてるし、未亜に至ってはブツブツ言ってて目がヤバい。


「アスカ。この子と散歩してきて?こっちは任せて!」

「う、うん。わかった。いこっか? ティーはどうする?」 (いくのー)

キュー。


ちっちゃいドラゴンを二人抱いて洞窟を出る。片方はティーだけどね。

ここの山って本当に魔力が心地良い…。


ティーもこの子と話せるの? (うん、妹なの)

ぶっ…ちょっと!? (ママばっちぃ…)

ごめん、でも…色々とおかしくないかな? (そうー?)

だって本当の父親は一応いる訳で…。 (ドラゴンの子供ってママが思うような生まれ方しないの)

え?こう…ごにょごにょして…おぎゃーって (ママ?…ドラゴンって魔力の塊なの)

…あぁ、なるほど。 私が魔王の引継ぎで魔力体を作ったのに近いのか。 (そうそう!)

てことは繋がりが切れたら… (うん、文字通りなんの繋がりもなくなる)

魔力の繋がりが人で言うなら血のつながりみたいな物ね。 (それが切れるとなんの縁もなくなるー)

冷たいような感じもするね? (だから普通はまず別れないってことー?)

でしょうね。別れるにもリスクがあるみたいだし。

 

え?なら私はホントにルナシアさんとそういう? (それは違うと思うのー)

そう?魔力繋がっちゃったよ? あれ?でも私にはルナシアさんの魔力来てないな。

どういう事だろ…。 (ドラゴンの夫婦は完全に公平な契約みたいな物)

契約した訳じゃないから、高い魔力から低い魔力にしか流れない? (当たりー!)

ティーなんでそんな詳しいのよ…。 (ここでいろいろ学んだのー)

しばらくここでふらふらしてたのね? (大正解!)

好奇心旺盛ね? (子供の特権?)

間違いないね。 ただ…よろしくない知識も得てくるからなぁ…。 (ふいっ)

コラッ! (ごめんなさいー)

キュキュキュ!

ティー笑われてるよ? (むー。可愛いから許す…)

あはは。ティーも可愛いよ。 (あいっ)

キュ?

うん、君もね。早く名前貰えるといいねぇ。

キュー!

それはダメだよ…ルナシアさんにつけてもらわないとね。

キュ…。

それに私ネーミングセンスないから…。 (それなー?)

またどこで覚えてきたのよ…。 (奈々!)

はぁ…。






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