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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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草はえてる



「ただいまー!」

「ねえ様、里はどうだった?」

「えー報告ならアスカにしたいー」

「ねえ様!」

「わかったよー。すぐ怒るんだから。そんなんじゃモテないよ?」

「ぐふっ…」

「あら…思ったよりダメージあったみたいね、なになにー?思い当たることでもあるのかなー?」

「…ねえ様。いつかシメてやるんだから!」

「300年早いよー」


リビングへ来たらまた姉妹ゲンカしてる。

この旅の最中に見慣れて止めることもしなくなった。じゃれてるだけっぽいし…。

「ティアねえ様、おかえりー。私達が里に行っても大丈夫そう?」

「もちろん! 大歓迎だよ! ドラツーの事も言ってあるからこのまま降りていいよ」

「ありがとう、ティアねえ様のおかげでスムーズに進んだよ」

「でしょー?私は誰かと違って有能だからね! 王妃様にも伝えてくるね!」

「お願いー。私はシエルがどうするか聞いてくるよ」


「リアちゃん、落ち着いて。怒らないって決めたばかりじゃない」

「それはアスカによ! ねえ様…ホント意地悪なんだから!」




シエルどこだろ…お風呂!?このタイミングで?

仕方ない、外から声掛けよう。


ドラツーに慣れてくれたのならいいけどね。

あれ?脱衣所が整えられてる? 私、今朝はドラツーの掃除してないんだけど…。

「シエルー、お風呂入ってる所なのに、ごめんね。もうすぐドラゴンの里につくけど、どうする?」

「お姉様?今いきます」

「いや、慌てなくていいから…」

ガラガラ…

ちょっと、私がいるのに引き戸開けたら…

「うちも降りていいの?」

あれ?服着てるな…。


「シエル、何してたの?服着てお風呂は流石に…」

「違うの! お世話になってるからお掃除を…」

「あ、なる程。 って、お掃除しなくても大丈夫って聞いてないの?」

「聞いたの。 でも、うち何も役に立てないから…」

「うーん…何か役割がほしいって事かな?」

「うん、そうなの。じゃないと居る意味が…」

これは私も悪かったなぁ…。多分、シエルは後ろめたさや後悔に潰されそうになってるのかも。

ここにいて、今みたいに与えられるだけっていうのを、そのまま受け入れられるような子じゃないんだね。


「シエルは得意なことって何かある?」

「えっと…お裁縫は得意なの。森でも服とか縫ってたから。でも狩りは苦手…」

そう言えば薬を持ち出した理由も、服とか欲しかったって…。 なる程…だったら。


「じゃあシエルにしかできないお仕事を頼んでいいかな?」

「うん! 何したらいいの?」

「私ね、着なくなった服とか持ってるんだけど…それをアレンジしてティーの着れる服にできないかな?」 (ティーの! ママのお古ー!)

嫌? (ううん! 嬉しいー!)

よかった。


「それなら、うちにもできる!」

「ティーにも伝えておくからサイズを見て作ってあげて?」

「わかった!」

ストレージから過去の召喚で手に入れた服や、布や革素材、小物やらを渡しておいた。

男物だったりするから使い道がないんだよね。ストレージの服には強制力働いてないし。 (管轄外?)

また難しい言葉を…。


「急がなくていいから、ゆっくりね?ティーの希望を聞いてあげて」

「はい!」

「そうそう、ドラゴンの里へはどうする?」

「…ここで待っててもいい?」

「いいけど、一人になるかもだよ?」

「うん、大丈夫」

長くなるなら時々見に来るか…。 (ティーが見とくよー)

そう?ありがとね。


「あ、なら漫画とかいっぱい置いていくから。 読めないかもだけど…」

「ほんと?ありがとなの!」

喜んでるしいっか。リビングにでも出しておこう。

冒険物とか、ファンタジーのばかりだけどね。

あとは最近、未亜に勧められて買ったファッション雑誌とか喜びそうね。



ユリネさんや騎士様達は王妃様の指示に従うと思うから、私は関与しないし…。

リアは間違いなく降りるし、未亜もそうだと思う。 (ママ上空についたよ!)

ありがとう、なら久しぶりに船内放送かな? (やったぁー)


「まもなくドラツーはドラゴンの里に到着します!着陸までもうしばらくお待ちください。お土産忘れずに持っておりるのー。長旅ご苦労様でした!」

ありがとね。可愛かったよ! (あい!)



「お姉様、今のって…」

「あぁ、シエルは初めて聞いたっけ?ティーがお知らせをしてくれてるんだよ」

「それもお姉様の魔道具?」

「そうだね、簡単な部類のだけどねー」

「…そうなんだ」

「じゃあ行ってくるから、もし降りたくなったらいつでも言うんだよ?」

「うん、ありがとう」

取り敢えずリビングでみんなと合流しないとね。




ドラツーに残るのは、シエル、ユリネさん、セナさん。


なのでユリネさんにシエルの事お願いしておいた。

「お任せください、留守もしっかり守ります」

最近ユリネさんに襲われたりしなくなったから、信頼度かなり高いんだよ。

逆にセナさんは色々と…ね。

王妃様もわかってるからか今回は留守番だし。


「アスカちゃん、私はルナティアちゃんを通して、公式な訪問って事になるから、別行動になってしまうけど…」

「はい、その辺は理解していますから。私はみんなとルナシアさんの所へ行ってます」

「ええ。 ルナティアちゃんは少し付き合ってもらうからね?」

「わかってますよー仲介役ですから。お任せを」

「ねえ様に務まるのかしら?」

「私は誰かとは違うからねー」

「むきぃー」

「リア、わざわざケンカしないの。せっかく弟さんに会えるんだから」

「…そうね、わかったわ」

私と王妃様は苦笑いするしかない。


王妃様、アリアさん、ルニアさんが降りて、しばらく時間をあけて私達も降りる。


右手をリアに引かれ、左手はティーと繋いでる。

「アスカ! こっちよ」

「わかったから、引っ張らないで。小さいティーもいるんだから」

「ティーは大丈夫ー」

「そう? 未亜は大丈夫?」

「うん、山の上って思えないくらい緑がいっぱいだから歩きやすいよ」


それは私も思った。山脈の上って聞いたときに、岩がゴロゴロした場所をイメージしたから。

実際降りてみたら緑あふれる大草原。空気は澄んでるし、暖かくて心地良い。 (草生える)

それ意味が違うから!

魔力も多くて流れもきれいで癒やされるような感じがする。 (マイナスイオンー)

それはなんか近いかも?


「あの洞窟よ!」

そう言えばドラゴンって洞窟住まいだった…。









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