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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章
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姉、妹、弟



「未亜ちゃん?どこから見てたの?」

「えっと…お姉ちゃんがネックレスを掲げて、てってててー!ってポーズしたくらい?」

それ1番恥ずかしいタイミングっ!集中してて気が付かなかった…。


「その後も楽しそうで、ちょっとお姉ちゃんが可愛かった」

やめてー!


「ユウキ…助けて…」

「いや何をどうしろと」

ふいっと目を逸らされてしまった。弟が冷たい。


「…それでアスカ姉ちゃんは何作ってたのさ?」

そうだよ! 作ったの渡さなきゃ。


「うん、説明するね。まずは、はい! これは未亜ちゃんの」

ネックレスを未亜ちゃんに渡す。


「で、こっちがユウキのね!」

ブレスレットをユウキに渡す。


「えっと…これは?」

ネックレスを見ながら質問してくる未亜ちゃん、何となく察しているだろうユウキにも説明をする。


「姉弟になった記念に私が作ったプレゼントだよ! お守りでもあるからいつも付けててくれると嬉しいな」


まだ未亜ちゃんも召喚されると決まった訳じゃない。

だから不安にはさせたくないからお守りって事で…。


「お姉ちゃん…本当にいいの?私が貰っても…」

「貰ってくれないと困るかな?それは未亜ちゃんだけの為に作ったものだから…」

未亜ちゃんの魔力波長にしか効果がないし。


っと…未亜ちゃんに抱きつかれた、えっとどうしたら?ユウキ?あ、コイツ! 優しい目で見るな!

「ありがとう、ありがとうお姉ちゃん。大事にするね。肌見放さず付けるから…嬉しいよぉありがとうお姉ちゃん…」

そんな喜んでくれたのなら良かったけど、泣かれると困っちゃうなぁ…。


「アスカ姉ちゃんありがとう。大事にするよ。それで、アスカ姉ちゃんのは?」

「うん?まだこれから。何にしようか悩んでてね」

やっと離れてくれた未亜ちゃんは大切そうにネックレスをつけてくれてたのが印象的だった。



未亜ちゃんとユウキのアクセサリーに使ったのは同じ魔石。

濃いブルーが特徴的な魔石だ。

形は変えたけどね。


未亜ちゃんのは、ペンダントトップになるからティアーズドロップにして。

ユウキのは目立たないように小さいけど2つに分けた。球形のビーズにして編み込んだ。


私のも同じ魔石で作るけど…うーん。

「何かいい案ない?こんなアクセサリーがいいーとか」

「ん〜アスカ姉ちゃん、今は女の人だよね?前より背は伸びたけど細くなった気がする」

そう言えば…ユウキより少し高いくらいだった筈なのに今はもう少し高い気がする。


「例えばだけど指輪にして急に元に戻ったらキツくなったりしないかな?」

なるほど…もうこの身体に馴染んじゃって元に戻る可能性考えてなかった。


魂から変わるってこういう事なの?


「あ、じゃあイヤリングとかは?耳ならあまり変わらないんじゃないかな?」

イヤリングかぁ…昔母さんがイヤリング落としたって大騒ぎしたことがあったなぁ。

父さんからのプレゼントだったとか。

普通に落とし物として届けられてたから見つかったけど。

痛いのはイヤ! ってピアスはしなかったからね母さん。


!!

「そっかピアス!」

「お姉ちゃんピアス開けてるの?」

「いや?開ければいいかなって」

「痛くない?イヤリングじゃだめ?」

「あー未亜姉ちゃん、前にねうちの母さんがイヤリング落として大騒ぎしたことがあったから。多分落としたりしないように、だと思う」

ユウキもまだ小さかったけど覚えてたか。まぁ本当にすごい騒ぎだったからね。


そんな二人の会話を聞きながら探しもの。

えーっと、あったあった。

ピアスだと小さいほうがいいから魔石2つになるかな。

ならピアスも2ついるな。一応、浄化〜!


「そうなんだ…お姉ちゃん痛いの大丈夫なの?耳に穴あく…ん…」

「え?」


部屋にあった安全ピンを2つ左耳にぶら下げたまま振り返った私を見て未亜ちゃんは固まりました。


「相変わらずアスカ姉ちゃんは思い切りがいいというか…考えなしというか…。どーすんの?未亜姉ちゃん固まっちゃったよ?」

「私が悪いの?」

「他に誰が居ると…」

「きゃーーーー! お姉ちゃん! 耳! 安全ピン!?消毒?絆創膏?ユウキ君救急箱!」

復活した未亜ちゃんが叫ぶ

「ほらね?アスカ姉ちゃんのせいでしょ?」

「………」

うん、だね。ごめんよ。


その後、未亜ちゃんを落ち着かせて必死に説明。

お姉ちゃんなのに怒られた。なんで?

なかなか機嫌直してくれなかった未亜ちゃんだけど、

ピアスの魔石を2人とお揃いのティアーズドロップと、球形ビーズにする話をしたら機嫌が直った。


よく分からないけど機嫌直ったなら良かったよ。

ユウキ曰く

「アスカ姉ちゃんさ、見た目は凄いキレイだし、話し方も女の子っぽくなったけど…なんか変わってなくて安心した」と。


それからちゃちゃっとピアスを作成。

3回目ともなれば慣れたもの。

「そう言えばアスカ姉ちゃん、僕が召喚されてて、こっちにいない間に母さん達は大丈夫だった?」

ガタンッ!

「忘れてたーーーー!!!」



慌てて2人に説明してお隣へ。

母さん達はまだ話してたし、遅かったとも言われなかったからセーフ。

無事に未亜ちゃんとお隣との顔合わせも終了。

まだ話は続くみたいだから3人で帰宅。

あれ?そう言えばお隣のおばさんもおじさんも私を見ても得にかわった反応は無かったな。

時間経過でも違和感が消えるってのがこれだろうか…うーん。 (お仕事お仕事…)



「やっとゆっくりできるね〜」

あ、耳の安全ピンをさっき作ったピアスに変えとこ。

すぐに付け替えるのはどうかと思ったけどそこは魔法でね?


「いや、アスカ姉ちゃん?1番大事な事が残ってるんだけど…」

「ん〜?なんだっけ? ……あ! そうだね! ちょっと待っててね」



急いで庭に出て土魔法で地下室を作る。

アクセサリーだと完全じゃないかもだから地下に大型のアンチ召喚魔道具設置しなきゃ。

…私の部屋に空間繋いでっと…これで家の中からもすぐここに来れる。


慌てて追いかけてきたユウキと未亜は凄まじい勢いで地下室を作り、なにかを設置している姉を見ることになった。

「お姉ちゃん?」

「アスカ姉ちゃん?」

「どうしたの〜?ちょっと待ってね、急いで作るから」


庭では未亜と顔を見合わせて大きなため息をつくユウキの姿があったとか。


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