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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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想い 思い 重い



んっぅ…はっ!  そうだ…私ティーに嫌われて…。

もうダメだ、私生きていけないわ…。

「ママ!」

「ティー…?」

「ママ、ママ…生きてた! ごめんなさい、ママ大好きなのー」

「ティー…」

よかった…。本気で嫌われたのかと思ったよ。


「アスカちゃん、起きたのね」 

「はい。 えっ、ひぅ…な…なに…?みんなして…」

アスカの部屋の入り口には、アスカを想う人達が…それはもう恐ろしい表情で立っていた。

なにこれ…どういうこと!?


えっ…ちょっとリア?未亜まで…。歩けるから! 引きずらないでー。

リビング行くなら言ってくれれば歩くから! あぁ…


「お姉ちゃん。正座」

「え?」

「せーいーざー」

「はいっ え?」

「アスカ、私は今本気で怒ってるのよ。多分ここにいる皆そうよ?」

「…え?なんで…」

「アスカちゃんわからないの!?」

「いえ…ご心配おかけしたのは…」



それは…はい。ちょっと無茶はしましたが…でも…

はいっ…えっと…だからね?

ひぅ…はい…。

あの、それがちがくて…

うぅ…










ーーーーー数時間後


めちゃくちゃ怒られたんだけど…。

話聞いてくれないのはひどいと思う。

そりゃあさ…ちょっと無茶したけど。あんなに怒らなくたっていいと思うんだよ。

私だって死ぬつもりなんてないよ?そんな事するわけないじゃない。

魔力が枯渇するっていっても、完全に枯渇するより回復のが早いからちょっと気絶するだけなのに。

そもそも元魔王が魔力の枯渇とか、そんな程度で死ぬわけないのに。それを話そうとしたのにさ…。

仮に完全枯渇が起こったとしても死なないよ?体力から変換されるからね。

ティーは知らなかった?

大体、王妃様にはこの話したことある筈なのにね。

魔刻刀完成して嬉しくて使いすぎて気絶したって。

それりゃあさ。心配かけたのは私が悪いけど…。

聞いてるの?ティー? (んあっ…なぁに?)

…なんでもないよ、おやすみティー。 (おやすみなの…)

ティーに話した意味ないじゃない…まぁいいや。

真実は墓まで持っていくか…。





今はまだエルフの森にいる。今夜は森の復活祭らしい。

再生したことで判明したのはエルフの住居ってツリーハウスなんだよね。

私が作ったツリーハウスとは違ってすごく素敵。

木と木は吊橋でつながって、幹にはベランダのようなデッキがついてて…大きな枝の上に家がある。

あちこちに明かりもついててイルミネーションのツリーみたい。

登ってみたかったな…。ドラツーに窓を開けて眺める事しかできないなんて。


私とティー以外はお祭りに参加してる。

そのティーも今は寝てるけどね。


王妃様はそのまま外交になるかもって正装をしてアリアさんたちを連れていった。

私は行くと崇められて大変な事になるからって…お留守番。

まだ意識が戻らないからそっとして置いて欲しいって誤魔化してるらしい。

実際は、反省してなさいって王妃様から当分の間、外出禁止令が出されてる。

ティーはママと離れたくないって一緒にいてくれてる。可愛い。


そうだ、ドラツー飛ばして気分転換しようかな。

部屋から出ないし大丈夫だよね!

意識のリンクをして…。

ドラツーの隠蔽効果発動!

空へ…。


そうそう、フェンリル。確認しておかないとね。

どこだっけ…木がいっぱい生い茂っちゃってわからなくなってるよ…。

仕方ない…探索!

いたいた。 ちゃんと氷漬けになってるね。


元はといえば全部このフェンリルのせいなんだよね。

来るときは、まさかこんな事になるとは思いもしなかった。

お説教より、ティーの”大っ嫌い”のが正直キツかったよ…。


フェンリル、このままにしておく訳にはいかないよなぁ。

うーん、この子ストレージに入らないかな?


ここなら外出してもバレないよね?

ドラツーとのリンクを切ってっと…。 自分の身体にもどって。

また床に穴あけてダイブ!

今度は静かに着地するよ?


何度見てもでっかいなぁ…。

もふもふもっと触りたかった。


仕舞えるといいけど…どうかな? 

ストレージへ……おっいけた!

生き物って入らないかと思ったけど…氷漬けだからかな?

なんだ。心配することなかったね。



あ…ドラツー見えないや。

一瞬だけ隠蔽解除。あそこだね…。

ジャンプでドラツーへ戻って…っと。

また空を飛ぼうかなー。


あれ?ファミリン通信?


未亜とリア?

うっ…今は出たくない…。ごめんね。

ちょっと気分転換したいの…。


ドラツー飛ばすの気持ちいいー。

森は綺麗になったし、星も綺麗。

なべて世は事もなしってね。

こういう事があると何も起きない日常がありがたいって思う。

明日からは支援物資の輸送をして、その後は、リアの弟さんに会いに行かないとね。





…そろそろ戻ろうかな。

着地はオートパイロットで。

ドラツーのリンクを切って…と。

また通信?今度はユウキ?


「どうしたの?」

”どうしたの?じゃないよ! 姉ちゃんなにしたのさ”

「んー?」

”未亜姉ちゃんとルナリアが、姉ちゃんに捨てられた! って泣き叫びながら通信してきたんだけど!?”

「え?なにそれ…」

”二人を置いてドラツーで飛び去ったんでしょ?”

「フェンリルの回収と少し気分転換に飛ばしただけだよ」

”回収できたの?”

「うん、ストレージに。それにもう元の場所に戻ってるよ」

”はぁ…。何で通信出てあげないのさ”

「それは…ちょっと一人になりたくて」

”深くは聞かないけど、喧嘩してるなら仲直りしなよー”

「…わかったよ」

”じゃあね、おやすみ姉ちゃん”

「おやすみ、ユウキ」


あ、ドラツーの隠蔽解除してなかったや。

ティーも寝てるし、私も寝よ…。

 


バタン!

「お姉ちゃん!」

「アスカ!」

えっ!?なに!?


ぐえっ…重いっ…なに?二人ともお祭りは!?

というかなんで泣いてるの…。

捨てられた?だからそれなんの話?

フェンリル放置してたから回収してきたの!

ちょっとリア! どこに顔うずめて…ふにゃぁ…やめっ…。

未亜もすとっ…ぷ…ぐえっ…。

誰か助けて…。









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