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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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朝はゆっくりしたい



ナリナさんの事は任せてって王妃様に言われたので、アリアさんの案内してもらい、今夜泊めてもらう部屋に向かうことに。


「ご家族の方は既にご案内させて頂きましたので、お部屋でお待ちです」

「ありがとうございます」

私を部屋の前へ案内した後、アリアさんはさっさと立ち去ってしまった。

ナリナさんにあんな事したから怒ってるのかな…。 (そうじゃないと思う…)


取り敢えず休もっと…。

部屋にみんな居るみたいだし。

「お姉ちゃん!」

「アスカ!」

扉を開けて入ったら、未亜とリアが駆け寄ってきた。

ティーはちっこいドラゴン姿で私の頭の上に。久しぶりねその姿。 (たまにはー?)


「アスカ、怪我してない?攻撃当たってたわよね?」

「え?私ほとんど見えなくて…怪我したの?」

リアはあの速さでも見えてたんだね。

二人に敢えて当たったことを話す。


「そういう事…ビックリしたわよ。素手に魔法剣が当たったんだから」

「お姉ちゃん、手見せて?」

心配かけちゃったね。未亜が私の両手を見てる。

「未亜、左手よ。攻撃受けてたのは」

リアに言われて私の左手を必死に見てるね。いや、脇とか内側に攻撃はいかないよ!?


「大丈夫そう…。お姉ちゃん。無茶しないで!」

「ごめんね、でも耐性あるから大丈夫なの」

「それでも…」

「そうよアスカ! 本当にびっくりしたんだから」

「ごめんね…」 (ママは少し怒られても仕方ないのー)

いや、ティーの提案よね?あれ…。 (ホントにやると思わなかった…)

えー。理不尽…。


なんとか二人をなだめて。ティーも人の姿になって協力してくれたし。

お風呂は借りられるけど、なんかもうそんな気力がないから…。全員にクリーンをかけて、寝ることに。


そしてまた揉めるのね…。誰が隣かって。

ダブルサイズのベッドが二つあるから二人ずつ寝るはずなのに…。

今回はティーもドラゴン化はしないっていうから、以前の手は使えない。

「ジャンケン! それで決めなさい。ヤダって言うなら私は一人で寝るよ?」

三人は顔を見合わせてジャンケンを始めた。リアもだいぶ日本の文化に染まったよね。


負けたのは未亜かぁ…。そんなに落ち込む?


いざ寝るってなったら…結局ティーが私の太ももへ移動して、未亜も私の腕に絡みついてる。

私の意見は?って思ったけど心配かけた手前諦めた。






ーーーー翌朝ーーーー


やっぱり、リアは落ちるのか…。この子ベッドより布団のがいいのかなって思うよ。

地下のリアの部屋、和室にしてあげようかな。

まぁ…殆ど使ってないけどね。


ティー…涎。パジャマの太ももが冷たい。

時々ティーが元々は魔法だったって忘れそうになる。

まぁ…どちらにしても可愛い私の子なんだけどさ。

取り敢えず、ティーと未亜を引き剥がし起きて、床にいるリアをベッドへ戻す。


着替えて、何となく周囲へ探索魔法を飛ばした。

あれ?訓練場にアリアさんとナリナさん?朝練かな…。

まだ日が昇ったばかりなのに。


部屋に備え付けられてるソファーに座って、ストレージから飲み物を出す。

今日は次の村へ向かうんだよね。

ここから先は、割と近い距離にある村々を巡るから、何もなければ1日で何箇所か回るらしい。

アリアさんと合流したこの村は、ナリナさんもいるって事でゆっくりしただけみたい。


一箇所、少し大きな街があるけど、そこは元々行商人とかも頻繁に出入りするから、そっちに任せてるそう。

あのドラゴン何箇所で迷惑かけてるの?見つけた人里全部にでも寄ったのかな?

リアを心配で追いかけて来たっていうのも本当か怪しい、それすら口実に思えるね。

暴れたいだけのバカ? うん、そんな気がしてきた。


「ママ…?」

「ティー、起きた?ソファーに居るよ」

ベッドを降りて、てててって走ってくる。うん、可愛い。

抱き上げて膝に乗せる。

「ママ、おはよー」

「おはよー」 

ティーにも飲み物を渡してあげる。朝はいつもオレンジジュース。


「そういえばドラツーはどう?」

「えっとねー上をくるくる回ってるよ」

「そう、ありがとね、疲れない?」

「へーき!」

「それならいいけど…」

そろそろ二人も起こして、仕度しないとね。


「リア起こすならまかせてー。ママだと危ないの」

「そうね、お願い」

未亜と出かける日もティーが起こしてくれてたみたいだから大丈夫よね。

私は未亜を起こしますか。


ベッドへ行って、寝てる未亜を揺する。

「未亜、そろそろ起きて。仕度しないとだよ」

「んぅ…お姉ちゃん?」

「うん、おはよ」

「…おはよぉ」


未亜が起きたのを見計らったかの様にティーがリアへダイブした。え?ダイブ!?

「ぐえっ…」

キグルミパジャマのティーが馬乗りになってると絵面が…。


「リアー朝!」

なんて起こし方するの!?リアがぐえって言ってたし。

「ティー、おはよ」

「うん、おはよー」

いいんだ…。 あの二人仲いいしなぁ。



「アスカ様、起きておられますか?」

アリアさんだね。

「はい、入ってください」


「おはようございます、ゆっくりお休みできましたか?」

「おはようございます。はい、ぐっすりでした」

「朝食の仕度が出来ましたのでご案内させていただこうかと」

「ありがとうございます、準備しますね」

「はっ」


未亜とリアが着替えるのを待ってる間にティーも着替えさせる。

自分でも着替えれるけど、たまにしてあげると喜ぶからね。


食堂かな?へ行ったら王妃様やナリナさんもいたから挨拶した。

ユリネさんは王妃様のお世話してたっぽいね。後ろに控えてるし。

ルニアさん達は、馬車の側にある建物にいるみたい。


「アスカちゃん、アリアに何を渡したの?」

「え?」

朝食を食べ終わって休んでたら、突然ナリナさんに言われてなんの事かわからず悩む。 (鍵のアクセサリー?)

あぁ…常につけてくれてるのかな? (当然だと思うー)

そうなのかな。魔法防壁ついてるからその方がいいけど。


「聞いてる?」

「はい、えっと、鍵のアクセサリーを…」

「それはわかってるわよ。なによあれ…私の攻撃が全部弾かれるわ、魔法剣まで使いこなし出したのよ!?」

「えっと…?」

「だから言ったじゃない。アスカちゃんは大切な人には身を守るアクセサリー渡すって」

「それにしたって、私が全く歯が立たないなんて…。納得行かないー!」

ただこねだしたけど!? 朝練の時に何かあったのかな。 (ママの魔道具はヤバい)

言い方がひどくない?


「アスカ様、お気になさらず。放っておいて大丈夫ですから」

「アリア! ちょっと私に勝てたからって…魔道具のおかけだって忘れないで!」

「そうですね、でしたらお母様もアスカ様に負けた事、認めてください」

「うぐっ…」

朝からみんな元気だなぁ…。 (現実逃避ー)

したくもなるよ。



その後、またナリナさんに絡まれて、戦えーって言われて、

あまりにしつこいから少し威圧したら泣かせてしまったり。

それを見て王妃様が爆笑したり、アリアさんに呆れられてたり。

ナリナさん随分キャラ変わったよなぁと思いながら、出発の準備をする。

朝から疲れたよ私は…。







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