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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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収穫祭



渡したレシピは、村で共有し管理する事にしたらしい。

売上から私にも幾らか払うとかって話は、なんとか説得して止めた。

まだ売れるかもわからないし、仮に売れたとしても、そんなにお金いらないからね。

王妃様達は間違いなく売れるって言ってたけど。


その代わりに沢山アップルをもらったよ。本当に豊作なんだね。

かなりの量を頂いてしまった。それでも魔倉庫にはまだまだあるらしい。

魔倉庫って何か聞いたら、収穫した作物を長期間保管できる様に魔道具がついた倉庫の事だって。


ナリナさんにはものすごく感謝された。

時間と手間をかけたプロジェクトだったから、失敗して村の人達が落ち込んでいたみたいでね。

今から村で料理ができる人を集めて試食会をするからって、監修を頼まれてしまった。




村の中心にある広場がお祭り騒ぎになってる。

みんなが調理器具とか持ち寄って青空キッチンができてるよ…。


本当はアップルの収穫と合わせて収穫祭をするはずが、残念な結果になってお祭りどころじゃなかったらしい。

そこへ失敗って思われてたアップルでスイーツが出来た! ってナリナさんから発表があったから…。

それで、この騒ぎらしい。

食べてから判断してほしいな…。みんなのお口に合うといいのだけど。



まず私と未亜が作るのを見てもらって、その後実際に作ってもらう事に。

みんな元々料理のできる人が集まってるから手際がいい。

レシピと注意事項を守ってくれてるから問題ないね。


アップルパイも食べてもらいたくて、メイドさんにパイ生地のことを聞いたら、村のパン屋さんが実家らしく分けてもらえることに。

パイ生地って作るの大変だからね…ありがたいよ。

未亜と協力して5ホール分出来たから、私もオーブンを出して焼いてる。 (アップルパイー!)

そうだよー。もうすぐ焼けるからね。 (はーい!)


ティーとリアは、ナリナさんが王妃様のために用意した専用スペースで王妃様と待ってる。

お祭り騒ぎになってるから安全のためらしい。

アリアさん達騎士様と、兵士の人達が王妃様の護衛についてくれるから安心して私は料理できるよ。

まぁ…ティーがいてくれてるってのが私には一番の安心要素なんだけどね。 (ふふん♪)


ユリネさんは私の近くにいてサポートしてくれてる。

アップルパイ出来たら持っていってもらわないとね。



「お姉ちゃん、そろそろだと思うよ。焼き加減見て?」

「わかったよー」

いい色に焼けてるね。大丈夫そう。


「どうかな?」

「うん、バッチリ! 見ててくれてありがとね」

「お姉ちゃんのアップルパイ、楽しみで仕方なくって…」

「そっか。 温かいままでもいいけどどうする?」

「せっかく焼き立てだからこのままがいいかな」

「そうだね、なら1ホールは残して私達が。後は、王妃様達のところへ持っていってもらって、どうするか判断してもらおうか」

「うん、楽しみだよ!」


ユリネさんにお願いして4ホール分を運んでもらった。

切り分けて食べてもらうようにと。

村の人にも提供するかは、食べてから判断してくださいって言伝と一緒にね。


ティーも楽しみにしてるからね。 (ママのアップルパイー!)

今持っていってもらったよー。 (あい!)



村の人達が作ってるのも順調に完成してるね。

りんご飴の割り箸の代用は、肉串用のを使ったよ。

ワイルドな焼き方なんだろうな…串がぶっといし。


「お姉ちゃん…」

「うん? あ、ごめん。今切り分けるよ」

風魔法で切り分けて、渡してあげる。


「ありがとう!」

さぁスイーツ好きの未亜の評価はどうだろう?


「おいひぃ…。  ヤバいよお姉ちゃん! これ美味しすぎる!」

おお、高評価。 なら私も…少しだけ。

……うん、いいね。美味しい。

ユウキにも置いておこう。甘いもの好きだし。

半分ほどストレージにしまっておく。

奈々と麻帆にもあげたい。


「未亜、残りの食べれるなら食べていいよ。無理だったらマジックバッグに入れておけばいいから」

「ありがとう… 美味しいよぉ…お姉ちゃんケーキ屋さんして?」

「あはは…そうなったら未亜に作ってあげる時間なくなっちゃうね?」

「そればダメだね!」

うん、判断が早い。即答したよ。



「アスカ様、王妃様がお呼びです」

「え?わかりました、未亜を見てて貰えますか?」

「わかりました」 

まだアップルパイ食べてるしね。


なんだろ、なにか問題発生かな…。




王妃様たちの元へ行くと何やら騒がしい。

ティーとリアは…。おとなしく食べてるね。 (美味しいの!)

そっかそっか。 それでこの騒ぎはなにか知ってる? (うん、争奪戦?)

なんの!? (ママのアップルパイ)

えー。 



つまりティーの話をまとめると、こういう事?

4ホールあったアップルパイを、王妃様、ナリナさんが1つ、

ティーとリアで1つ、アリアさん達騎士様で1つ。

残り1つを切り分けて希望者に配ることになった。

その希望者が多すぎて騒ぎになってるの? (そうー)


頭いたい…。アップルパイがヤバい物みたいになってるよ。

そもそもなんで希望者が殺到したの?

食べて美味しかったとかならわかるけど。 (ママが焼いてた時からいいによいが…)

あぁ…なるほど。 だけどそれにしたって…。 (ママ人気者ー)

そういう問題かな!?


結局、王妃様の指示で抽選になった。

アップルの収穫祭らしく、アップルの皮むき競争で盛り上がってた。

そのアップルはコンポートになるしね、無駄がない。


上位10人が決まって何故か私が手渡すことに。

なんで私なの…。 (みんなの希望ー)

それは聞いたけどさ!?  …まぁ喜んでくれたからいいけどね。


王妃様の用事って言うのもアップルパイの絶賛と、騒ぎの収拾を手伝ってほしいって事だった。

レシピを伝えた事で私にお礼を言いたいって人も沢山いたらしくて。

みんなにお礼を言われちゃった。


あ、コンポートもりんご飴も評判良かったよ。

子供たちがりんご飴を持ってる姿はいかにもお祭りって感じだった。



「アスカちゃん、少しいいかしら?」

ナリナさん?

「はい、なんでしょう?」

「私と戦って」

「はい?」












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