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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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実食



りんご飴もしっかり固まってる。

まぁこっちは後でいいや。 食べるのがちょっと大変だし。


コンポートはどうかな…、一つ味見。

うん、美味しい! 

「未亜、食べてみて」

「はーい。 ……うん、美味しいよお姉ちゃん!」

大丈夫だね、スイーツ好きの未亜のお墨付き。


さっきメイドさんがお皿を他にも色々持ってきてくれてたから、それにコンポートをのせて。

アイスクリームも添える。今回はお徳用じゃなくて作ったやつだよ。

王妃様にレシピ渡しただけだったからね。手作りを出しておかないと。 (アイス…ママの…)

後であげるから! (約束?)

うん、約束。 (わーい!)



「食べてみてください」

王妃様と、ナリナさんにお皿を渡す。

「アスカちゃん、これって…この前のアイスクリームだったかしら?」

「はい、レシピをお渡ししたやつです。今回はお渡ししたレシピで私が作った物です」

「ありがとう! それにしても…あの酸っぱいアップルがどうなったかよね」

「ええ、この白いのもすごく気になるけど、アップルを気にしなくちゃ」

大丈夫だと思うけど…どうだろう。


「未亜も食べるよね?」

「うん、ありがと」

同じようにアイスをのせて渡す。



「嘘…あの酸っぱかったアップルが?程いい甘さで美味しい…しかもシャクっとした歯ごたえもいいわ。 でも待って…これにアスカちゃんがアイスを添えたってことは…。なぁにこれぇ…すごく合う…これはダメよー」

「王妃様、ちょっと人に見せられない表情になってるわよ…。そんなになの?」

「食べたらわかるわよ! これは食べる手が止まらないわ。あの酸っぱいアップルが…」

「んん〜〜〜〜〜!! なにこれっ! 甘いっ、コレがあの失敗したアップル? うそ…」

「ナリナ、そのアイスクリーム、白いのね。つけて食べたら大変よ」

「…やってみるわ。    ふわぁ…冷たくて甘いわ…なにこれぇ…アップルとの調和が…」

なんかお二人がエライことになってるけど…どうしよう?

隣を見たら未亜も同じことになってた。



「アスカ様、ごちそうさまでした。あんなに美味しいもの初めて頂きました」

「忘れられない美味しさでした…」

メイドさん戻ってきたね。ティー達に運んだ後にどこかで食べてきたみたい。


「あの、またお願いしてもいいですか?今度はアップルのスイーツです。もちろんメイドさんのもありますよ」

「「まかせてください!!」」

おおぅ…めっちゃ食いつくね。


ティー、リア。それとアリアさんの分。

後はメイドさんの分ね。

コンポートとアイスクリームのお皿と、りんご飴も一緒に渡しておく。

ティーやリアが喜ぶと思うんだけど…。

「ではお願いします」

「「はいっ!」」


ティー、メイドさんに運んでもらったからねー。 (おーママのアイス!)

後で感想聞かせてね。 (りょーかい!)




「アスカちゃん、このアップルって本当に用意した材料だけで?」

ナリナさん、正気に戻ったね。

「はい、えっと…レシピお渡ししますね」

「いいの?料理人にとってレシピって命より大切なものなんじゃ…」

私、料理人と違う。 それに一般的なレシピだから…。多少分量にアレンジはあるけど。

ジャムの作り方や、ついでにアップルパイのレシピも書いておいた。


「大丈夫です。受け取ってください。アイスクリームの方は必要なら、王妃様にお聞きください」

「わかったわ。 それと、そっちのは?それももう完成?」

「はい、私の故郷だとお祭りの時とかに売ってる物で、子供向けといいますか…」

「そうなのね、もらっても?」

「はい、表面が硬いので気をつけてください」

「わかったわ」


パリッ…シャクっ…

「あら…アップルの酸味がこのパリッとしたのの甘さと合わさって…美味しい…。 こっちはアップルそのままなのに…。それに楽しいわね。これは確かに子供にウケが良さそう」

「あっ!! ナリナ、ズルいわ! いつの間に…」

「王妃様がいつまでもトリップしてるからよ。これも美味しいわよ?」

「アスカちゃん、私にも…」

「はい、食べてみてください。表面が硬いので気をつけてけくださいね」


王妃様にも好評だった。

りんご飴は見た目の楽しさが大きいだけだから、ちょっと心配だったけど。大丈夫だったね。

ただ…飴部分がなくなると、ただのりんごになるんだよね。

だから小さいのを使うほうがいいかなって、サイズを選んだのだけど…。


後は、ティー達かな。 (ママ、これ面白可愛いのー! パリパリー)

好評みたいね。 (リアも丸かじりしてるー)

そういえば…ドラゴンの時はそんなワイルドな食べ方してたって言ってたね。


こっちもレシピというか注意点を書いて渡しておいた。

後はレモネードだな…。

「このレモンって使ってもいいですか?」

「ええ、でもすっぱすぎてスイーツにはならないわ…残念だけどね」

なら何でこんなカゴいっぱいに…。

「近くに自生しててね、香りはいいからたまに使うのよ?」

私の疑問が顔に出てたのか答えてくれた。

「なるほど…じゃあ使ってしまいますね」

「アスカちゃん今度は何するのかしら…」

王妃様はまだりんご飴と格闘中。


「お姉ちゃん、私も手伝うよ」

「ありがとう、なら輪切りにするから手伝ってもらえる?」

「はーい」

二人でかごいっぱいのレモンをきれいに洗ってから輪切りにして、砂糖と水を入れた鍋でゆっくり煮詰める。

本当なら氷砂糖と漬け込むんだけど…氷砂糖がない! 作るのもめんどくさい!

なので、ちょっとむりやり。


未亜には本来の作り方を教えておいた。

「氷砂糖かぁ…確かにないよね」

「簡易でなら作れなくはないけど結晶化するまで待たなきゃだからね。そんな時間ないし…」 

「そうなんだ…」

なので、むりやり作ったんだけどね。


「すみません、密閉して保存ができる大きめの瓶とかありませんか?」

「待ってね、確かこの辺に……あったわ。魔道具になっててね、しっかり保存できるのよ」

キッチンの壁際にある棚を探してくれた。メイドさん達まだ戻ってこないからナリナさんが…。

「ありがとうございます」


念の為、瓶を浄化しておく。

そこへ煮立たせたレモネードの原液を入れて密閉。

「もうできたの?」

「はい、これで冷えたところでしばらく寝かせて、水で割って飲んでください」

「わかったわ、ありがとう。でも今飲めないのね…」

そう言うかな?と思って少し原液を残してある。

むりやり作ったからどうだろうなぁ…皮からエグミが出ないことを願うよ。料理スキル頑張って欲しい。 


原液を舐めてみた限り、大丈夫だと思うんだけどなぁ。


原液をコップに入れて氷魔法で冷まし、

ついでに氷も入れて、水で割ったなんちゃってレモネードをナリナさんに渡す。

「寝かせる前の状態ですが飲んでみてください」

「わぁーありがとう。私が飲みたいって言うのわかってたみたいね?」

「はい…まぁそうですね」

気になるのはすごくわかるし。



「爽やかだわ…酸っぱさも程よくて…」

「え?ナリナ、何を飲んでるの?」

王妃様、まだりんご飴食べてたんだ。静かだと思ったら…。食べるのに時間かかるよねアレ。

メイドさんの帰りが遅いのもそのせいかな!?


「アスカちゃんがね、使い道の少ないレモンで飲み物作ってくれたのよ」

「う…それって、あの酸っぱいやつよね? ナリナ大丈夫?」

「ええ、とても爽やかで飲みやすいのよ」

「アスカちゃん!」

わかってます。

「どうぞ、王妃様」

「ありがとうー  んっ… 美味しい…でも確かに香りと酸っぱさはレモンを感じさせるわね」




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