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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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アップルの名産地を救え!



ナリナさんにキッチンへ案内される。

未亜も手伝ってくれるらしいから一緒に。

リアとティーはキッチンが広くないからごめんねってナリナさんに言われて、悲しそうにしてたから、二人にはまたべっ甲飴をあげた。

アリアさんと待っててくれるって。


王妃様とナリナさんはもちろん同行してる。

うちよりは広いキッチンだけど、人が増えると確かにキツイね。


「アップルとお砂糖の準備できました」

「レモンです」

メイドさん達が大急ぎで集めてくれたみたい。

それにしてもすごい量だね。

レモンもこんなに!?


砂糖もたくさんあるからレモネードでも作ろうかな。

あーでも氷砂糖がない…荒業でなんとかなるかな?


「えっと…じゃあ作りますね。レシピは後でお渡ししますので」

「わかったわ! お願いね、アスカちゃん!」

ナリナさんから凄いプレッシャーが…。


鍋にお水と砂糖を入れて、よーく混ぜてから火にかける。

「未亜、焦げ付かないように火加減気をつけて見ててくれる?でもなるべく混ぜないでね。煮立ってきたら弱火にして、教えて」

「わかったよ!」


私はその間にりんごの処理を。

魔力ドームへ放り込もうかとも思ったけど、見てるから理解るようにやらないとね。


りんご飴用は小さめのを選んで、このままでいいから表面だけきれいに洗って、並べておく。

あ、箸…。取り敢えず手持ちのでいいや。お徳用の割り箸持ってるし。

最近お弁当を作ることが増えたから買ったんだよね。

奈々が購買のパン食べながらおかずを欲しがったりするし…。


コンポート用は皮を剥いて、8つ切りにして…。

アップルパイならもっと薄く切るけどね。

お鍋にりんごを並べて、お砂糖、水、レモン汁を少し入れてヒタヒタになるくらいに。

りんご10個分。

これも火にかける。



「お姉ちゃん、そろそろ良さそうだよ」

ストレージから割り箸を出してりんごへ突き刺してゆく。

「アスカちゃん…何を…」

王妃様達が驚いてるけど今は構ってられない。

クッキングシートをしいて準備しておく。


「未亜、交代。コンポートを見てて」

「りょーかいー!」


飴でりんごをコーティングしてはクッキングシートへ立ててゆく。

すぐに固まるから大丈夫よね。

取り敢えず10個くらいあればいいかな、飴もなくなるし。

本来は食紅で飴に色をつけるけど、こっちのりんごの皮は、見慣れてる物より鮮やかな赤色してるからなくてもいいや。


「未亜、コンポートはどう?」

「りんごが透き通ってきたからそろそろかも」

「うん、ほんとだ…。なら火を止めて、後は冷めるのを待とうね。冷めるときに味がしみていくから」

「はーい」


「アスカちゃん、もういいの?」

「ええ、あとはどちらも冷めるのを待つだけです」

「早い…というか手際が良すぎるわ…王妃様、この子達何者ですか?」

「アリアから聞いたとおりだけど…」

「料理人でなく?」

「違うわ。 ただ料理もめちゃくちゃ美味しいわよ。 私、もうアスカちゃんのお料理忘れられないもの」

「そんなになの!?食べてみたいわ…」

ピザならあるけど…。そろそろお昼だし出しちゃおうか。


「あの、ピザなら残ってますからアップルが冷めるまでの間に食べますか?」

「いいの!?ピザって何かわからないけど…食べたいわ」

「あれも美味しかったわ…アスカちゃん私もいいかしら」

「もちろんです。出しますね」

2枚ほど出しておく、片方は昨日のお昼には出さなかった照り焼き。

最後に焼いてたから、焼ける前にみんなお腹膨れちゃったんだよね。


「これ…昨日はなかったわ。知らないのが出てきた!」

よく気がつくね。それだけ気にして食べてくれてるのかな。

あ…メイドさんがすごい顔してる。それなら…



「すみません、お願いがあるのですけど」

「は、はいっ、なんでしょう?」

「お皿を貸していただけますか?ピザが乗るくらいのを何枚か」

「はい、すぐに」

大きなお皿を10枚ほど持ってきてくれたのでそれにピザを並べてゆく。

もう一人のメイドさんが他にも色々お皿を持ってきてくれたから後で使えるね。


「これを、待ってる私の身内やアリアさんに届けていただけますか?」

「わかりました。すぐにお持ちします」

カートに乗せてすぐに向かおうとするから慌てて止める。

「あ、待ってください。こっちはメイドさん達の分です、お二人だけですよね?」 

追加で2枚渡す。

「はい…、よろしいのですか?」

「運んで頂くお礼ってことで」

「「ありがとうございます!」」

1枚ずつ渡した。リアとティーは足らなかったらまた後であげればいい。



「アスカちゃんありがとう、うちのメイドにまで。というか美味しすぎて…」

「でしょ?アスカちゃんのお料理食べたら他のもの食べれなくなりそうよね」

「本当に…。 でも王妃様は他にも色々と食べてるのでしょう?」

「ええ! 昨日の夜はチキンライスって言うのを作ってくれたわ」

そういえばそうだった…照り焼きピザを作った時に残った鶏肉を使ったんだよね。

ハンバーグの事とか色々話してる。別にいいけど…そっちはもうないよ?


「未亜、私達も食べようか?照り焼きでいい?」

「うん、ありがとう」

私達は二人で1枚くらいがちょうどいい。

ユウキもちゃんとご飯食べてるのかな…。

あまり構うと嫌がられるから、用事がなきゃ連絡しないって決めたんだ。寂しいけど…

それに本当はちょっと心配…。

「お姉ちゃん、ユウキ君もご飯たべてるかな?」

「うん…おにぎりとかいっぱい持たせたし。こっちのご飯も美味しいから大丈夫だよ…」

未亜もユウキの事気になったみたいだね。


「お姉ちゃん、ファミリン光ってるよ?」

「え?ホントだ…ユウキからだね。  どうかしたの?ユウキ」

“いや、姉ちゃんがやらかしてないかなーって心配になって“

「失礼ね、そんな事で連絡してきたの!?」

”いや、ごめん。冗談だよ。姉ちゃんが持たせてくれたおにぎり食べてたら、声が聞きたくなって”

「そう、ちゃんと食べてるならいいよ」

”うん、ありがと。みんなは元気?”

「うん、みんな元気よ。少し前にアリアさんと合流したよ」

”そうなんだ?順調なんだね”

「そうだね、まだこれからだけど。ユウキも怪我とかしないように気をつけるのよ?」

”わかったよ。じゃあまたね、みんなによろしく”

「うん、頑張ってね」

元気そうだね、良かった。


「ユウキ君、元気そうだねー。声が聞きたくなったとか、ユウキ君もお姉ちゃんの事心配してたね」

「私達の事、ね。みんな元気?って聞いてたじゃない」

「うん、そうだね。私にもかけてくれればいいのに…」

「そうだね、かかってきてるよ?」

「えっ?ホントだ!  ユウキ君?」

一人一人にかけるんだろうな、ユウキって律儀だから。


「ねぇ、王妃様…あれって…」

「国家機密よ! 見なかったことにして」

あ、しまった…。 ティー! (むぐっんっ…何?ママ。 ピザうーまーなの)

それは良かったよ。 じゃなくて! もうすぐユウキから連絡行くと思うから。

アリアさん以外に見られないように気をつけて。リアにも伝えて。 (りょーかい!) 

ティーの方はこれでよし。



「未亜、メイドさん戻るまでに切ってね」

「わかった。  ユウキ君も頑張ってね。人に見られそうだからもう切るよー?」

"あ、ごめん。わかったよ。またね未亜姉ちゃん"

「未亜、ごめんね。私の不注意で…」

「ううん、私も…」

応答するとき気をつけなきゃ…。


「アスカちゃん、大丈夫よ。ナリナなら平気だから」

「ええ、びっくりはしたけどね」

「すみません…」


そろそろ、コンポートとか冷めたかな。

こっちが本題だから味見をしてもらわないとね。 







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