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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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豊作のアップル



「リア、お疲れ様。よく頑張ったね」

「ええ、ありがとうアスカ…」

なぜかティーのように、座ってる私の膝の上にのってきた。

抱きついて甘えてくるから撫ぜてあげる。 (今だけは、ティーのとくとー席かしてあげるの)

そっか、優しいねティー。 (ふふん♪)

「リアちゃん、きっと怖かったんだよね。すごいよ…お疲れ様」

未亜も今回は咎めたりしないらしい。

そんな私達を王妃様達はニコニコと見守ってる。なにこれ、恥ずかしい。


この後はアリアさんの実家で休憩と情報交換等をするらしい。

私達はどうしようかと思ったら、ついて行っていいみたい。

ユリネさんと、ルニアさんセナさんは馬車で待機らしい。



馬車で移動して到着したアリアさんの自宅。

村で一番か二番くらいに大きなお屋敷だった。

ルニアさん達が馬車の見張りなんだね。無くてもいいとは言えない。

きっと体面とかがあるんだろうし。



アリアさんの案内でお屋敷の玄関へ。

重厚な扉を開けたら、出迎えてくれたのは多分、アリアさんのお母様だろうなぁ。面影がある。

髪の色とか同じ赤系だし、どことなく雰囲気が似てるもの。


「王妃様、お久しゅうございます。お変わり無いようで安心いたしました」

「ええ、ナリナも元気にしてたかしら?」

「はい、お陰様で」 

「もう、前みたいに普通に話してよ。寂しいじゃない…」

「そうね、わかったわ」


アリアさんのお母様も元近衛騎士だったんだって。

王妃様とは姉妹みたいに仲が良かったらしい。因みにお父様は元陛下付きの護衛騎士。

超エリート一家じゃん!


お父様は引退した後、故郷のこの村で兵士隊長をしてるんだとか。

今は王妃様も来てるからって厳戒態勢で見回りしてるらしい。

だからか…村の周り、出入り口の門、このお屋敷の周りにも人の魔力を点々と感じるわ。 

この村くらいなら探索範囲に入れてしまってもそこまで負担はない。

王都でも出来るんだけど…やると、情報量が多すぎてめちゃくちゃ疲れる。

だから使っても極小範囲だけ。


客間に案内されて、メイドさんがお茶やお菓子を出してくれる。

リアとティーが喜んでたから、王妃様が気にせず食べていいよって言ってくれた。

未亜も少し遠慮がちに食べててちょっと可愛い。


「それで、アリアから聞いてるとは思うけど、この子が…アスカちゃん。妹の未亜ちゃん。それにティーちゃん。 それと、ドラゴンのルナリアちゃんよ」

「よろしくね、アリアから噂は色々と聞いているわ。そう貴女が…」


それぞれ挨拶と自己紹介をして…王妃様へのドラゴン襲来時の報告などがナリナさんからされる。

破壊したりはしなかったけど、かなりやりたい放題したみたいね…。

りんごが美味しくないって言ったとか。許せない…。 


「そういえばナリナ、新しいアップルはどうなったの?そろそろ収穫できるはずよね?」

「ええ。だけどアレは失敗だわ…」

「どういうこと?かなりの年数をかけて、村が取り組んできたのよね?」

「そうね、私が引退して、ここへ来るよりも前から取り組んでたって聞いてるから」

「収穫できなかったの?」

「いえ、豊作なの」

「え?それなら…」

「豊作が問題なのよ。酸味が強すぎて今までのアップルの様に売れるとは思えなくて…」

「甘くなる予定って聞いたのだけど」

「ええ。収穫量と、甘みと両方増える予定だったみたい。でも増えたのは収穫量だけでね」

「そんなにダメなの? 食べてみてもいいかしら?」

「ええ、オススメはしないけど知ってもらったほうがいいわよね」

ナリナさんはメイドさんを呼ぶと、アップルを切って持ってくるように指示してる。


いいなぁ…食べたいよ。酸味があるのも私は好きだし、お菓子とかなら使い道あるのになぁ。 (!!)


しばらくしてメイドさんがカートを引いて戻ってきた。

王妃様の前にお皿が置かれる。

知ってるりんごと中の色は違うんだ。桃色してて可愛い。いいなぁ…。 (ママ涎、気をつけて)

垂らさないから!


「確かにかなり酸っぱいわ…これじゃあ今までのアップルの様に売ることは無理ね…」

「でしょう? 他のアップルに混ざってしまわないように気をつけてるくらいなの」

「ママー! アップル好きなら、なんとかならないー?」

「うん?食べてみないとわからないけど…スイーツなら酸味の強いほうがいいのもあるよ?」

「アスカちゃん、それ本当? コレ食べてみて!」

いいの!?やった…。


王妃様からお皿を受け取り、1つ摘む。  

うん、私はこれも好き。 これならりんご飴とか、コンポートにしてアップルパイとか作れる。 (♪)

あとはジャムとか?

パイ生地はこっちにもある筈。それっぽいキッシュみたいな料理とかあったし。


「どうかしら…?アスカちゃん」

「王妃様、私このアップル好きです。酸味も美味しくて…」

「ありがとう、でもそうじゃなくて、スイーツにできそう?」

「ええ、簡単なものから本格的な物も…」

「…! 教えてもらえる?」

「良いですよ?キッチンお借りできればすぐにでも」

「ナリナ!」

「わかったわ、すぐ手配するわ。アスカちゃん、何かいるものあるかしら?」

「えっと、お砂糖と柑橘類のレモンってわかりますか?」

「ええ、酸っぱいのよね?あるわよ」

「ならそれをお願いします」

「それだけ!?」

「はい。それだけです」


メイドさんやナリナさんが大騒ぎになってるけど…大丈夫かな。






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