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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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お披露目と積み込み



ドラツーに戻って朝ごはんの仕度しようと思ったら、未亜と、ユリネさんが用意してくれていた。

「おはよー、未亜、ユリネさん。朝ごはんの仕度ありがとうね」

「お姉ちゃん! おはよー」

「おはようございます、アスカ様」


目玉焼きにお味噌汁、干物の焼き魚。

あとは私がおにぎり出せばいいね。

和食な朝ごはんだー。なんか嬉しい。


「未亜、材料足りた?」

「うん、お姉ちゃんがここの冷蔵庫に色々入れておいてくれたからね」

昨日ピザを作ってた時に未亜に頼まれたんだよね。

冷蔵庫があるのに、飲み物以外空っぽだから、なにか入れておいてほしいって。

こういう事だったのね。



「アスカ様はお部屋ではなく、入り口から入ってこられましたが…何かされてたのですか?」

「ええ、物資を運ぶために、村へこのドラツーで直接行くわけにはいかないので、馬車の準備を」

「なるほど…お城から持ってこられてたのですね」

「いえ、朝から作ってました」

「「………」」


「お姉ちゃん、馬車を作った…?ここで?」

「まさか…そんな」

「うん、王妃様が起きられたら確認してもらうつもりだよ」

王妃様の部屋の方を見ると、扉の前でセナさんが大あくびしてる。

この中は安全だけど、気が緩み過ぎでは?と心配になる。

それだけ信用してもらえてると思おう。

私はセナさんの事、信じないよ! シルフィ様をそそのかしたんだから。



「ママーおはよー」

「おはよー。起きたんだね」

「うん、朝ごはんのによいがしたの」

「そっかそっか、今日は未亜とユリネさんが作ってくれたよ」


「ティーちゃん、お姉ちゃんのご飯じゃなくてごめんね…」

「未亜のもおいしいーの!」

「ティーちゃん…ありがとね」

うんうん、微笑ましいね。


「私は王妃様をお呼びしてきます」

「お願いします」


起きてはいるんだね。早起きだなぁ。 (ママが言う?)

今日は用事があったからだよー。 (明け方に言ってた!)

覚えてたんだね、馬車の準備してたよ。 (おおー)

あ、それとティーにお願いがあるんだけど、いいかな? (うんっ!)


朝に気がついた、このドラツーの操作についてティーに説明した。

私が動かせるならティーも出来るんじゃないかって。 (たぶん…?試してみていい?)

ご飯食べてからでいいよ。 慌てなくていいし。 (わかった!)

私はリアを起こしに行こうか。

最近学習した。ご飯出来たよ! って起こせば寝ぼけて襲われないって。




部屋から出てきた王妃様と皆で朝ご飯を食べつつ軽く報告。

私達は後で…という騎士様達とユリネさんを王妃様が説得して全員でテーブルを囲んだ。


「じゃあ、もう村の近くについてるのね。森に降りてるのかしら?」

「はい、馬車の準備もしたので、後で確認と、管理のために魔力波長の登録をお願いします」

「早いわね、後で確認するわ」


「私も準備しないといけないわね。とう様の後始末をちゃんとしないと…」

張り詰めた表情をしてるから心配になってしまう。

「リア、あまり力みすぎないでね。私達もいるんだから、頼って」

「…そう、ね。 うん。わかったわ!」

笑顔を向けてくれたから大丈夫かな。



食後の休憩と後片付け…はユリネさんがしてくれた。ありがとう。


「さぁ、アスカちゃんの用意してくれてた馬車を見せてもらおうかしら?」

「わかりました、皆はどうする?」

って…聞くまでもなかった。みんな好奇心旺盛だねぇ。 (そういう理由かなぁ…)



皆で外に出て、朝の日差しを浴びる。

こっちの世界は日が昇っても涼しいなぁ。日本はそろそろ梅雨だからこれから暑くなる。

その前に、月末にはユウキのお誕生日があるから、お祝いしてあげないと。



「アスカちゃん、馬車は?」

「あ、隠蔽かけてあるので解除しますね」

私には見えてるから忘れてた。


馬車の魔石に触れて隠蔽を解除する。

まずは荷物用の馬車。

「「あれ!?」」


未亜もリアもどうした? (ママにしては普通って思ってそう)

あぁ…。 これ荷物乗せるだけだし。 (あっち見たら驚くね)

そっかティーも見えてるのか。 (うん!)


王妃様用はこっち。

すでに連結してある、前方の豪華な馬車。そっちも、隠蔽を解除する。



「アスカちゃん…これ…。お城の馬車より豪華なんだけど!?」

「私がいつもお借りする物より豪華に…と。駄目でしたか?」

「いえ、ありがとう。豪華さはあっても派手じゃないから私好みよ」

それは何より。


「それでは中へ。全体の管理をできるメイン魔道具へ王妃様の魔力波長の登録をしますから」

「ええ…中は普通よね?」

「………」ふいっ

「ちょっと、アスカちゃん!?こっち見なさい」


「…見て判断してください」

「わかったわ…もう普通じゃないって言われたようなものだもの」

「アスカがそんなもの作るわけないわ! 間違いなく快適空間が出来てるわよ」

「私もお姉ちゃんならそれくらいしそうって思う。王妃様が安全に乗れるようにって考えて…」

これは信頼なのかな? (ある意味ー?)



扉を開けて王妃様に乗り込んでもらう。

「なぁにこれぇ…広いし、あれは何?どうして馬車の中にまた扉が…」

右奥、馬車の後部にある扉を見てるね。

「トイレです。浄化もされるのでいつも清潔ですよ」

「……」


それから、保冷庫や空調設備、畳めるテーブルやベッドになる座席の説明もした。

「他にも必要なものがあれば言ってください」

「いえ、充分すぎるわ。もう馬車じゃないものこれ…」


「キャンピングカーだよ、お姉ちゃん! すごい! 私初めて乗ったよー」

未亜もやっぱりそう思った?乗ったことないから勝手なイメージだけどね。


「アスカ、お風呂は!?ないのかしら」

「流石にいらないかなーって。ドラツーがあるからね」

「えー。なんか残念だわ…」

「ならつける?」

「アスカちゃんストップ! これで充分だから!」

「は、はい。もし必要ならまた言ってください」

「…ええ」


王妃様に魔力を流してもらって波長を登録し、刻み込む。

「これで管理者は王妃様になりました。専用馬車ですね」

「え?アスカちゃんの馬車でしょ?」

「私、馬車いりませんよ」

「…そうね。でもこんな豪華な物貰えないわよ」

「いえ、私の手作りですから…申し訳ないくらいなのですが」

「…」


「諦めたほうがいいと思うわ。アスカってこういう子よ?」

「そうだったわね…ありがとうアスカちゃん」

「リア酷くない? えっと王妃様、安全対策はしてあるので安心してくださいね?」


そろそろ荷物の積み込みをすると言うので倉庫へ直接扉を繋いだ。

「こんな事できたのね…」

「はい、積み込みしてる時には気がつかなくて…運んでた騎士様に悪いことをしてしまいました」

「いいのよ、仕方ないわ。今回は運ぶ人数が少ないから助かるけどね」


今は私達だけにはドラツーは見えている。

知らない人が近くにいたら何もない空間から人や荷物が出入りしてるんだろうね。

まぁ…周りは誰もいないけど。今回はちゃんとある程度の範囲に探索使いっぱなしだよ。

王妃様に万が一がないようにね。


ルニアさん、セナさん、ユリネさんが荷物を運びだしたので慌てて手伝いに行く。

「アスカ様! 我々がやりますから」

「そうですよ〜今朝も美味しいご飯用意して貰ったのに〜」

「人数いれば早いですから」

未亜もリアも来てくれた。

「ティーもー!」

「ありがとね、ティー。でも重たいのもあるから気をつけてね」

「あい!」


ユリネさんも諦めたのか今回運び出すものを教えてくれる。

「馬車に居られる王妃様に最終確認をして頂いてください」

「わかりました」

馬車側にはルニアさんがいるから手渡していく。

王妃様は積むものに間違いがないか書類と照らし合わせてるみたい。


倉庫の中は余裕があるし、ドラツーで移動する時は馬車はここへ積もうかな。









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