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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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内装変更



ティーのおかげで、未亜、リアから開放されたんだけど、未だペンダントで揉める王妃様とシルフィ様を止められずにいた。

…今のうちにドラツーの内部を浄化、調整しておこう。

意識下でイメージするだけだし。


「うん、完璧。魔力体だと思い通りになるから楽だわ」

「姉ちゃん、今なにしたの?」

「うん?内部のお掃除かな。ユウキはお風呂入ったの?」

「寝坊したから無理だった」

「クリーン…」

「…ありがとう、さっぱりしたよ」

「いいよー。今日から別行動になるけど、何か忘れ物とかない?」

「うん、大丈夫」

「薬類は足りてる?」

「そうだね、大丈夫」

「あとは…」


「…姉ちゃん、有り難いんだけど、世話やくのやめて」

「……っ」

「いや…泣きそうにならないで! 姉ちゃんを突き放したりとかしてる訳じゃないから」

「…じゃあ何」

「ほら、姉ちゃん達を守れるようになりたいって話したでしょ?」

「言ってた」

「だから、姉ちゃんに頼らず頑張りたいんだ」

「…ユウキ」

「ちょっと、姉ちゃん! 抱きつくのはダメだって」

「なんでよぉ…」


「お姉ちゃんとユウキ君は何してるのかな?」

「さすがに実の姉弟はダメだと思うわよ」


「未亜姉ちゃんもルナリアも! 違うから!」

なんかユウキが二人に必死に説明してるけど…。


あ、王妃様達の揉め事も終わったのかな? 今後の予定を話し合わないといけないね。

(アレを放置するママは凄い…)



「王妃様、船内のお掃除は終わりましたよ」

「え?いつの間に…いえ、それは良いのだけど。シルフィがひどいのよ?」

「ひどいのはお母様です!」

まだ終わってなかった…。


「えっと、今後の予定をたてませんか?」

「…そうね、シルフィは早く降りなさい」

「お母様!? そこで意地悪するのは酷いです」

「違うわよ! 陛下が待ってるのよ…。だから行きなさい」

「あぁ…。そういう事ですか。わかりました。  アスカ様、本当にありがとうございました。 旅のご無事をお祈りしていますね」

「ありがとうございます、シルフィ様もちゃんと寝てくださいね?」

「…はい///  ではまた」

搭乗口までシルフィ様を見送りに行く。

「姉ちゃん、僕も行くよ」

「うん、気をつけてね、何かあったら連絡しなさい。強くなりたいのはわかったよ。 でも、それが私を頼ったらダメってことにはならないからね?」

「わかった」

ユウキも見送る。

なんでこんなに寂しいのかな…。

ううん、しっかりしなきゃ!



リビングへ戻るとローテーブルに地図が広げられ、何ヶ所かに印がつけられている。

「アスカちゃん、積み込みが終わり次第出発しましょう」

「わかりました、何人乗られますか?」

「騎士二人、昨日乗ってた子をそのままね。、あとはユリネも連れて行くわ」

てことはシルフィ様が王妃様に代わるだけだね。


後はユウキがいない…。


「把握しました」

ユウキも頑張るって言ってたし、私も頑張らないと。



「報告致します。荷物の積み込みが完了致しました!」

「ありがとう、全員降りているわね?」

「はっ、私が最後です」

「わかったわ。 アスカちゃん、お願いね」

「はい」

最後の騎士様を見送り、念のためドラツー内を意識下でチェック。

前例があるから一応ね。……え?ちょっと…。


「王妃様! 倉庫に生き物って積み込まれましたか?」

「……あ、言うの忘れてたわ。家畜のメイメを6頭運び込んでるの。まずかったかしら?」

「いえ、また密航者かと…」

「え?」

「あっ…いえ、何でもありません。出発しますね」

反応も6つだから問題ない。


 

~~~~~~

 

ユウキside


音もなくドラゴンは浮き上がりすぐに姿が見えなくなる。

「姉ちゃん、いってらっしゃい。 僕もいってくるよ」

姉を見送るユウキの表情は寂しさと決意の入り混じった複雑なものだった。


~~~~~~

 


一応、倉庫の家畜の確認をする。ルニアさん達がこの子達の世話もするらしい。

「うわ…かわいい…。ふわっふわのヒツジ?顔がヒツジよりもっとかわいい、撫ぜたい…」

いけない、いけない。王妃様を待たせちゃってるし。

と言うかよく考えたら、この倉庫から外へ直通の扉開けば楽だったんじゃ…。

私の魔力体なんだからどうとでもなるのに…。申し訳ないことしたなぁ。



リビングへもどり、地図を見ながらこの先の予定を聞く。

「アスカちゃんはアリアの事は聞いてるかしら?」

「はい、ユリネさんから。 帰郷されてると…」

「ええ、一先ずそこまではノンストップでお願いできる?そこの村から先が支援先になるの」

「わかりました、急いだほうがいいですか?」

「そうね、ただし! 無茶しないでね?緊急を要する案件ではないから、安全にお願い」

「ここまでなら私が飛んでも1日ってとこかしら?明日の朝には着けるわね」

ドラゴンならそれくらいなのね…。


「アスカ、貴女ならどれくらい?」

急げばお昼にはつくけど…それを言ったらリアを間違いなく傷つける。

本物のドラゴンなんだから。これはリアを真似た偽物。

支援は急ぎたいけど緊急ではないみたいだから。なら…リアを大切にしたい。

「どんなに急いでも…深夜かな。それだと結局朝まで待たなきゃいけないし、朝に着くように安全にいくよ」

「…そう。わかったわ」


「それじゃあ、明日の朝まではのんびりさせて貰おうかしら」

「はい、王妃様のお部屋へご案内しますね」

場所はシルフィ様が使ったのと同じ部屋。VIPルームになってしまったねココ。

「ユリネも来て頂戴、少し話があるわ」

「わかりました」


二人を部屋へ案内して、私はお昼の準備をしておこうかとキッチンへ向かう。

「アスカ、少しいいかしら」

「リア? うん、何かな」

「貴女さっき嘘ついたでしょ」

「…?」

「とぼけないで! わかってるのよ。 どうして…どうしてあんな嘘をつくの?」

「えっと…」

「リアー」

「ティー。 …うん…え…?そう…なの…。ええ…わかったわ」

なんか内緒話してるし…私、嘘下手なのかな。かえって傷つけちゃったよ…。


「アスカ、大きな声出してごめんなさい…貴女の気持ちも知らずに」

「え?」 (ティーが話したの。ママが誤解されるのはヤーなの!)

ありがとう、ティー。


「リア…ごめんね。かえって傷つけてしまって…」

「ううん、大切に想ってもらえて私は幸せよ」

「うん、大切だよ。 不器用でごめんね」

抱きついてきたリアを受けとめる。最近ハグするのに慣れてきたなぁ…。

なんか安心するもの。 (…!)


「リア、お昼なにか食べたいものある?」

「アスカの手料理なら何でも食べてみたいわ」

「じゃあ苦手なものとかある?」

「…毒」

「使うわけ無いよ!?」

落ちたのトラウマになってるのね…。


んー最近は卵を結構使ったし…違うものにしないとね。

あ、ピザにしよう! (ピザ! それ何!?)

できてのお楽しみだよー。 (わくわく♪)


キッチンで準備を始めてたら美亜が来てくれた。

「お姉ちゃん、さっきリアちゃんの大きな声聞こえたけど大丈夫?」

「未亜…大丈夫よ。 ご飯の仕度手伝ってもらえる?」

「もちろん!」

キッチンへ向かう。


「そういえば未亜、ずっと居なかったけど何してたの?」

「お部屋の片付け…しようとしたらキレイになってて。家具の配置や彩色まで変わってたから…」

「ごめん、言うべきだったね」

「ううん。それでびっくりして…ぼーっとしちゃってた」

「本当にごめんね。飽きないようにと思って…」

「アスカ、何をしたの?」

「リアちゃん、すごいよ?自分のお部屋を見てくるといいよ」

「うん?わかったわ」

「ティーもいくー」

二人して行っちゃった。


「お姉ちゃん、それで料理は何を作るの?」

「えっと…また驚かせちゃうけど、いい?」

「ふふっ。前もって教えてくれたら大丈夫だよ。お姉ちゃん心配性だね」

「ピザを焼こうかなって思って。キッチンの端っこにピザ窯を作ろうかと」

「なるほど…え?ピザ窯!?本格的…」

「いいかな?」

「うん! 頑張って手伝うよ!」

魔力体を調整してピザ窯を追加する、形だけの物で、焼くのは魔道具だから煙の心配はない。


「すごい…一瞬だね。 これなら確かに部屋が変わるのもわかるよー」

「それじゃあ、生地から作るんだけど、これは魔力ドームでやっちゃうから、具材だね」

「もう本当、お姉ちゃんは何でもありって思っておくね?」

「そんなことないよ。 大切な家族の事がちっとも理解できてないもの…ダメな姉だよ私は」

「お姉ちゃん…作りながら話聞くから。ね?」







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