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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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甘い罠



リビングへ戻ったらユリネさんが縛りあげられてた。

そこまでしなくても…。

「この子〜ベッドの下に隠れてたから確信犯よ〜?」

「もう少しアスカ様と一緒に居たかったんです…ごめんなさい」

はぁ…もぅ。本当は有能なメイドさんなのに。


「どうされますか?アスカ様」

「窓から〜ぽいってします〜?」

セナさんが怖いよ!


「ユリネさん、私と取引しませんか?」

「はい…?」

「王女様のお世話係をお願いできませんか? 私では不手際や至らないところがあると思うので、それをちゃんとこなしてくれるのなら、私がお願いして残ってもらったって事にします」

「アスカ様! はいっ! わかりました。このメイドにお任せください!」

じゃないと王妃様も流石に怒ると思うからね。


「優しすぎますよ、アスカ様は。 まぁ…私も姉もそれで救われたのですけどね」

ギルドの事でルニアさんとも色々あったもんね。


「ユリネさんは奥から4つ目の部屋を使ってくださいね。これも解きます」

「ありがとうございます…お仕事承りました」

解いたら抱きつかれたりとかしないか少し不安だったけど、おとなしいね。

良かった…。


「アスカ様、王女様はどちらに?」

「まだ展望室かと…一番奥の真ん中の扉です。まだ誰も降りてきていないので」

「わかりました」

一礼して展望室へ向かったね。大人しすぎて逆に怖い…。


「ルニアさん、セナさん。今のうちに施設のご案内しますね」

「お願いします」

「楽しみだわ〜」

みんなと同じように一通り案内して、魔道具とかの使い方も伝えた。




「アスカ姉ちゃん、今いい?」

騎士様の案内が終わって、個室の確認をしてもらうために別れたところで、ユウキから声をかけられた。


「降りてきてたんだね、案内も終わったから大丈夫よ」

「いや、正確には追い出された…だけどね。ただ話があったのもホントだよ。地図を見てた時の話なんだけどさ…心当たりなかった?」

「…うん、魔法学校のよね?まさかとは思うけど…」

「もしかして魔王のもそうだったり?」

「確証はないけどね。かなりの年数がたってるっぽいし…」

「やっぱり…」

「仮に、そうだったとして…今から何か出来るわけでもないよ」

「ま、そうなんだけど。確認したかっただけだからさ」

同じ場所に時間違いで呼ばれてた?私が魔王をしてた世界がこちらに干渉してきた?

訳がわからなすぎる。ただ…仮だとしても王妃様には報告したほうがいいよね。

私の部下たちの子孫?で良いのかな。魔族の襲撃は気分的に説明しにくいなぁ…。



「アスカ様! お風呂使わせて頂いてもいいですか?」

王女様も降りてきたんだね。後ろにユリネさん控えてるし。

「勿論です、中から扉にロックもかかるのでごゆっくりどうぞ」

「え?一緒に入ってくださらないのですか?」

「流石にそれは…色々と問題があると思います」

あぁ…そんなしゅんとしないで!?罪悪感凄いから…。


「アスカ様〜ここには私達しかいないんですから〜どうぞ〜?」

何言い出すのセナさん!

「うん、この騎士はこういう人だよ。姉ちゃん気をつけてね。やっぱりアリアさんに…」

「ダメ~!」

えぇ…。


「お願いします、アスカ様。今日だけですから…」

ユリネさんもルニアさんも笑顔で頷いてるし。逃げ場がないな?はぁ…。


「わかりました、今回だけですよ?」

「ありがとうございます!」


流石に未亜達は遠慮して来なかった。

むしろ来てほしかったのに…。 (ティーも今回はえんりょ?)

なんでよー。 (みつやくがむすばれたー)

え? (なんでもないの! 展望室お気に入りー)

展望室で何があった…。



ユリネさんは脱衣所で王女様のドレスを脱ぐ手伝いをしてる。

「すみません王女様、先に行って湯温などの確認をしておきますね」

「はい、お願いします」

脱いでる傍にいるのは憚られるよ…。

急いで服を脱いでタオルを巻く。


確認とは言ったけど…浴槽には保温機能も循環機能もあるし大丈夫。

シャワーも大丈夫。

星空も利用して明るさを危なくない程度に暗くして…。

浴槽の中に設置してある明かりを柔らかい色で付けてと。

あっ、入浴剤! ストレージに持ってたはず。にごり湯にしておこう。

極力お互いの肌が見えないように…対策はこれくらいかな?


「アスカ様、お待たせしました…」

「いえ、温度も大丈夫ですので安心してくださいね」

「はいっ。 ユリネ、お願いします」

「はい、お任せを」

流石王族、シャンプーとかメイドさんがするんだね。

ユリネさんも手慣れてるし。居てくれてよかったよ。

メイドの密航に感謝。 


私も洗おう。少し離れて身体と髪を洗う。

シャワーは5つほど付けてある。もちろん椅子とか鏡も。

温泉をイメージしてるしね。床も見た目は石畳。


本当はマナー違反とか聞くけど…私の管理するお風呂だし。

タオル巻いたままでいい。

湯船に浸かるとホッとするのは日本人の性なんだろうか。


「アスカ様、お隣よろしいですか?」

「は、はい。王女様が大丈夫なら…」


目を瞑ってたからびっくりした。このまま目は閉じてよう…。

「失礼します」

「はい…」


「王女様、私は離れて待機いたします。御用が有りましたらお呼びください」

「ありがとう、ユリネ」

ユリネさんの気配が離れていく。


「アスカ様、本当にスタイル良いのですね…羨ましいです」

「そんな…」

「どうして目を開けてくださらないのですか?」

「えっと…」

「ちゃんと目を開けてお話してほしいです…」

悲しそうに言われちゃうとなぁ…。


「わかりました」

「ありがとうございます」

にごり湯にしてよかった…。


「すごいですね、案内して頂いた時よりムードがすごく素敵です」

はっ…! 暗くしたけど危なくないようにしたのが仇に…。


「危なくない明るさにしたつもりなんですが…暗かったら言ってくださいね」

「いえ…このままで…。素敵な思い出になります」

「そう…ですか。良かったです」


「ねぇ…アスカ様、ご存知ですか?」

「何をでしょうか?」

「王族が肌を晒すのは結婚する相手だけなんですよ?」

「…え?」

「ふふっ」

謀られた!? 確かこの国って同性婚当たり前とか聞いたし…。


「お母様も楽しんでくるようにと」

まさかの共謀…。


「なんて…びっくりしましたか?」

「はい…頭がまっ白になりました…冗談が過ぎますよ?」

「いえ…、事実です」

………。


「私もアスカ様が相手ならなんの不満もありません。むしろ嬉しいです。でも…アスカ様、人気者ですから。独り占め出来ないのは理解してるんです」

「そうなんですか…?」

「なので、今だけ…わがままを言わせていただきました。アスカ様の意志を無視してどうにかするつもりはありませんよ?」

「はい、それは助かりますが…」 


「そんなことしたら未亜様やルナリア様に叱られてしまいますから」

「は、はぁ…?」

「なので今だけ…なんです」

そう言ってもたれかかってきた王女様は色っぽくて一瞬ドキってしてしまった。


そのまま王女様と暫く夜空を眺めながらゆっくりお風呂を堪能した。




脱衣所に戻り着替えて髪を乾かす。隣で王女様もユリネさんに乾かしてもらってる。

ユリネさん、ドライヤー魔道具使いこなしてるなぁ。


これなら王女様にドライヤー魔道具渡しても大丈夫そう。









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