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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章
15/756

妹の秘密?


未亜ちゃんの話を要約するとこんな感じだった。



両親が留守がちで一人っ子だった未亜ちゃんは、家で独りぼっちのことが多かったこと。

小さい頃はおばあちゃんがいたけど、少し前に亡くなった。

それとやっぱりハーフだった。母親が外国人みたいだけど、どこの出身かは知らないそう。

小さいときに聞いて答えてくれたらしいのだけど、覚えてなくて。

その時に寂しそうに答えてたお母さんの顔だけは覚えてる。だからそれ以来聞けてないと。

それで今回、未亜ちゃんの両親の転勤だがほぼ移住に近いものらしく、ほとんど一緒に過ごした事もない両親と知らない土地への移住。

ましてこっちの友達と別れる事になる、そしたらもっと独りぼっち。

それが怖くて悩んだこと。

両親は何とか説得しようとしたらしいが、未亜ちゃんには響かなかったみたい。


わからないでもないかな。

私もユウキがいなかったら似たようなものだし。

なんだったら隣のおばさんのが母さんより一緒に過ごした時間は長いまである。


相談を受けたうちの母親が

「うちなら年の近い子もいるし、家も近くて学校を転校する必要もないからあずかるよ〜」

と安請け合いしたらしい。


歳の近い兄弟、独りぼっちじゃなくなるっていう事が嬉しかったこと。

不安もあったけど期待のが大きかったと話してくれた。


だからだろうか、何をしてでも秘密を共有したかった。

自分だけが知らないことがあって仲間はずれみたいになるのが怖かったのかもしれないね。


両親と別れ、うちの親に連れられてこの家に来たのが3日前。

私が帰ってくるまでの間にユウキとは自己紹介もすませ、ある程度打ち解けて私の帰りを待ってたらしい。

ユウキにうちの兄ちゃんは…とか色々聞いてたからお姉ちゃんだった事に未だに混乱してること。

ユウキが何を話したかは気になるが…。


私が帰らない言い訳を、ユウキと一緒に考えてくれたりしたみたいで申し訳ないな。


「私の話はこれくらい。これからよろしくね?お姉ちゃん」

そんな話を聞いたらますます大事にしなきゃって思う訳で。


「こちらこそよろしくね。妹ができてうれしいよ」

「あっという間に姉が二人になったけど…大歓迎だよ。よろしくね、未亜姉ちゃん」

ユウキも嬉しそうだ。

「未亜姉ちゃん…」

未亜ちゃんも嬉しそうにそう呟いた。



「おーい! 子供達〜。部屋にいるの?」

母さんが呼んでるな。と言うか来てる。階段を上がってきてる。


勢いよくバーンっとドアを開けた母さんは…いやノックするとか返事待つとかしないの?


「あら〜?仲良し?いい事ね! それでね、え〜っと…、相談なんだけど…お母さんやっぱりお父さんに付いていきたいんだけどダメかな?」

うん、知ってた。そうなるよね!?


「男の子だけの中に未亜ちゃん置いてくんだったらちょっと心配だけどアスカがいるし…」

お、おぅ…なんと言うか…


「アスカお姉ちゃんともユウキ君とも仲良くなれたので私は大丈夫です」

元気に返事する未亜ちゃんだが私は内心複雑だった。

ユウキも似たようなものでなんとも言えない表情をしている。


まぁでも…大事な妹になる訳だし。

「大丈夫だよ、母さん。ユウキもいるし隣にはおばさんもいるから何かあったら頼るよ。」

母さんはにっこり笑うと大きく頷いて納得したようで部屋から出ていった。


はぁ〜っとついため息が出る。

「そうなるよね〜あの母さんが残るわけないよ」

やっぱりユウキもそう思うよね…。


「おばさん達仲いいんだね」

あれは仲がいいとかそういうレベルではないとおもう。

それはいいや、わかってた事だし。目下の不安要素が一個減って良かったと思おう。



「それじゃあ未亜ちゃんに私達の話をしようか〜」

「うん!」

嬉しそうな未亜ちゃんには申し訳ないがコレだけは約束してもらわなきゃ。


「今から話すことは全部本当だし、もし信じられなかったら証拠も見せてあげられる。でも絶対に誰にも話したらだめだよ。うちの親にも未亜ちゃんの両親にもね。ここに居る3人だけの秘密。約束してくれるかな?」

悩むこともなく大きく頷いた未亜ちゃんは

「約束する! 姉弟の秘密だね」


一人っ子だった未亜ちゃんにはこういうのも憧れだったのかもしれない。

ただなぁ…内容が内容だけに、すっごい罪悪感。

一緒にこっそりつまみ食いした〜とかそんなレベルの秘密じゃないからなぁ…。


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― 新着の感想 ―
[一言] サブタイに秘密?ってある通り秘密がどうのでなく、妹ちゃんの単なる自己紹介ですね。
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