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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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イカサマ



「アスカちゃん、私も行くわよ!」

嘘でしょ!?陛下止めなかったの?


「お母様ばっかりずるいです…あんな素敵な乗り物で旅をするなんて! 私でも魔力は足りるのに…」

王女様も私の魔力体ドラゴン見たんだね。


「えっと、王妃様、説明をしていただいても?」

「もちろんよ!」


王妃様によると、まず支援の陣頭指揮を取る人が必要になるとの事。

それはわかる。国が動いてるって事がわからないと色々と不都合があるし。

次に、私のあげた魔道具通信機。これの影響が大きいらしい。

やってしまったよ…。


王国との連絡を取りつつ、陣頭指揮を取れるだけの人物。まぁ限られるよね…。

王様もかなり食い下がったみたい。 

お城にいるそれなりの立場の人、相当数を魔力測定して、魔力の多い人から選ぶって事に決まって。

トップが王妃様、次が王女様。その下はかなり差が開いてしまったらしい。


今回、私達が支援に向かう先は、キャラバンだと時間のかかる遠い街や村。

そうなると長距離を通信機で繋げられるのは王妃様と王女様だけ。

どちらか一人は王国で待機することになる。 よって…

次期国王候補でもある愛娘を行かせるか…最愛の妻を行かせるか…。

陛下は究極の選択を迫られたらしい。


魔道具通信機を渡したのも、二人の魔力が飛び抜けてるのも私のせいだよ。

罪悪感すっごいんだけど…国王陛下ごめんなさい…。

恨まれるかなぁ…。


どうも王妃様は自分の魔力が飛び抜けて増えてるのを黙ってたらしい。

出来レースじゃん!! (イカサマ…) 

それそれ。



「それとね、アスカちゃん。騎士を二人付けなきゃいけないのだけど大丈夫かしら?」

「部屋はありますし問題はないです」

「ありがとう! 一人はアスカちゃんたちの知ってる子だから大丈夫よ!」

ルニアさんかな? アリアさんは里帰り中だもんね。


「後、伝えなきゃいけない事は…」

「私の事かしら?」

「そうそう、ルナリアちゃんの事ね。アスカちゃんの提案がそのまま採用されたわ」

「わかりました。 リア、一緒に頑張ろうね」

「ええ! 任せて」


「そんな訳だからみんなよろしくね!」

「わかりました。王妃様は必ず守ります」

「ありがとう。アスカちゃんが居るから許可が降りたような物だけどね?」

そこも私のせい!? (ママのおかげ! だよ)

だといいのだけれど…。


みんなも驚いてはいるけど、反対することも無い。まぁできないよね。

物凄く嬉しそうだもの。こうなった以上全力で王妃様を守らないと。


「確かにアスカの傍が一番安全よね。何があっても平気って思えるもの」

「うん、私もお姉ちゃんの傍が良い」

リアはわかるけど、未亜は意味が違わないかな?


「ティーはママのそばが好きー」

そう言って抱きついてきたティーを抱きしめて癒やされる。

私もティーがいてくれると安心するよ…。 (♪)



明日の早朝。一応、人目の少ない時間帯に出発するって事になったのだけど…。

「お母様だけズルいです! 私が行きたかったです!」

王女様がずっとこんな調子で…。

王妃様も自分がイカサマ同然の結果で旅に出る訳だから強く言えないみたい。


駄々をこねるような形で未亜に愚痴ってるよ…。

流石に可哀想だよね。


「王妃様、一つ提案が」

「うん?教えて」

「今日、今から私の魔力体ドラゴンを飛ばしてこの国の上空を周ります。王女様は、今夜だけでもそこでお泊まり頂く訳にはいきませんか? もちろん、騎士様も同行していただいて構いませんので」

「いいの!?確かにそれならシルフィも納得してくれるかもしれないわね。でも魔力は平気?」

「えっと…魔力体を出したときに減った分は既に回復してますし、維持で消費する分は回復のが早く…」

「ホントにとんでもないわね…一応陛下に話してからになるから待っててね」

「わかりました」


「シルフィ、いらっしゃい」

「嫌です! お母様嫌いです!」

「そんなこと言っていいのかしら?せっかくアスカちゃんが素敵な提案をしてくれて、その許可をもらいに陛下のところへ行くのに…」

「ほんとですか!? 行きます!」

「まったくもう…。シルフィもちゃんと陛下を説得しなさいよ?」

「わかりました! アスカ様ありがとうございます!」


慌ただしく二人は部屋を出ていった。



「アスカ姉ちゃん、何を提案したの?」

「今夜だけの遊覧飛行。かな?」

「あぁ…。 じゃあ僕も乗っていい?」

「うん、みんな乗ると思ってたけど…?」

「私もいいの?お姉ちゃん!」

「私はアスカから離れられないから。当然一緒よ!」

「ティーも!」

「みんな乗っていいからね。大丈夫」

明日から乗る面々まで大喜びだよ。早々に飽きないでね?



ユリネさんが使いとして呼びに来てくれたから、みんなで訓練場へ向かう。

「あの…アスカ様、私も乗せていただくわけにはいきませんか?」

「大丈夫ですよ、朝には降りますので」

「ありがとうございます!」

テンションの上がったユリネさんと訓練場に到着。


ここ、魔術師の訓練場だから屋根が開くらしくて。

言われたらそうだよね、自然現象を操る魔法もあるから…。

おかげでここから離着陸していいって事みたい。


訓練場についたら結構な数の人がいるんだけど…。

陛下や王子まで居るし。

イヤーな予感しかしないんだけど?



「アスカ殿ワシ達もよろしく頼む」

そうだよね…。

どうしてこーなったーーー!!









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