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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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快適な旅をお約束



みんなそろそろ内部探索終わらないかな?

そう思って周りを見渡したら…

「ひぅっ…な、なに…?未亜?リア?」

私の座ってたソファーの後ろに二人がいたんだけど、目が怖い。

完っ全に油断してた…。

自分の魔力体の中なんだから探索さえ使う必要もなく、少し意識すればどこに誰がいるかわかるのに。

「またライバルが…」

「ねえ様まで…」


どういう状況…? (ママは愛されてるって事ー?)

嘘でしょ?それなのにあんな目をする!? (ママ…)

膝の上のに乗りながら残念な人を見る目をしないで? (ママは残念美人ー)

ちょっとティー!  逃げてったし…。まったくもう。


「ルナリアちゃん…これって惚れた弱みなのかな?仕方ないなぁって思っちゃったよ」

「…そうね。相手が悪いわ…無自覚に優しさ振りまいて引っ掛けていくんだもの。でも憎めないのよ…」

「だよねぇ…そこも良いところだもんね」

「ねぇ、未亜も私のことリアって呼んでいいわよ。家族だし、同志だからね」

「ありがとう、リアちゃん。頑張ろうね…」

「これからもライバルが増える未来しか見えないわ」

よくわかんないけど、なんか仲良くなってるなら良かったよ。

二人はそのまま仲良くソファーに座って話し込んでる。

ティーもか…。

ティアねえ様は私の左隣でペンダント眺めてる。



暫くして王妃様とユウキも探索に満足したのかソファーへ戻ってきた。

「私もこれで旅がしたいわ。なんとかならないかしら…」

王妃様がまた恐ろしいこと言い出したよ…。陛下お願いですから止めてください。


「僕もこれで旅したかったよ」

「一緒にこればいいのに」

「そうなんだけどね、決めた事だから」

「うん?」

「姉ちゃんは気にしなくていいよ。僕の問題だから (姉ちゃん達を守るための力をつけたいのに、姉ちゃんと一緒にいたら頼っちゃうからな)」


「寂しいけど…無理強いはしないよ。ユウキにはユウキの考えがあるんでしょ?」

「そうだね。それに…何かあったらコレがあるし」

「うん、いつでも呼んでいいよ」

「……アスカちゃん、ユウキ君。なんの話かしら?腕がどうかしたの?まさか何かまた魔道具ね!?」

「あっ!  姉ちゃんごめん…」

「いいよ、元々王妃様には説明するつもりだったから」

「そうなんだ…よかった」

「こっちの世界で使うんだもの。私には説明する責任があるよ」

「なんなの?アスカちゃん詳しく!」


私の魔道具通信機の隠蔽を一時解除して王妃様に手渡す。

「なんだか可愛いわね。……術式はもう訳がわからないわ。複雑すぎてこっちは可愛くない…」

術式に可愛さ求められても…。

「ファミリーリンクTypeαー! 略して、ファミリンーー!!」

「そうだね、ティーが魔道具に名前つけてくれたんです」

「へぇー可愛いわね」

「ふふんっ」


「それぞれの魔石に、あなた達の波長が刻んであるのだろう事はわかるんだけど、その他はさっぱり」

みんなへ説明したときと同じように王妃様にも隠さず説明をする。

ティーとデモンストレーションもして見せた。



魔道具をつくり、使うものとしての私なりの責任であり矜持なんだよ。

地球みたく魔道具がないところや、勝手に召喚してきた場所なら気にしないよ?

でも、キッカケはどうあれ、これだけお世話になってる人に隠して使うなんて私はしたくない。


「ものすごく複雑なのはわかったわ。同時にとんでもなく便利な物ってことも」

「今あるのは私達五人分だけです。なので流通させるとかはないので安心してください」

「ええ。本当は国として使いたいくらいだけどね…。コレがあれば遠方からの支援要請なり、緊急報告が最速になるもの」

そうだよね。無線や電話と同じだもの。


「ただ、魔力量で届く距離が左右されますから、王妃様と王女様くらいしかマトモに使えないかと」

一般人だとせいぜい数件隣の家とかそれくらいになる。

勿論魔石で増幅させて距離を飛ばせるようにすることもできるよ?

ただその魔石への魔力の補充も大変になる。

一般人だと数十人単位で魔力補充しないと。


その辺も説明した上で、ひと組、二つの簡易版を手渡す。これも腕時計タイプ。

単純な通話機能のみのもの。コール機能とかは無いし、魔石も赤色2つずつしかついていない。

一応見分けがつくようにそれぞれ色味の違う赤にはしてあるけどね。

「これは?」

「機能を最低減まで絞って単純化したものです。差し上げますので、どうするかの判断はお任せします」

「いいの!?私が真似して量産したら?」

「構いません。王妃様なら間違った使い方されないってわかってますし」

「信頼が凄いわね」

それはそうだよ。これだけお世話になってどんな人なのか見てきたもの。


「どういう物か説明だけお願いできる?」

「えっと、例えば…片方の魔石に王妃様、もう片方に王女様の波長の登録をしたとします。そうしたら、王妃様が王女様の魔石に魔力を流せば声が届きます。波長の登録をした人だけが使えますので、悪用の心配もありません」

「機能はそれだけ?」

「はい、機能を絞って簡略化してますから」

音量やコールもない。ただ光って通話がかかってきたことを知らせるようにはなってる。

魔力が流れてきたら光るだけだしね。


ティアねえ様がペンダントにずっと夢中で興味を示さないからこのままでいいのかな?

まぁ…後で欲しがったら考えよう。


「コール機能ほしかったわ…」

「複雑になりますよ?」

コール音の術式、コールを受け取るためにワンクッション挟むからその術式とかも必要になる。

魔石の押込みで反応させるなら盤面にも魔石による加工と術式が…。


「そうね…今の私だとこの術式がかろうじて書き込めるギリギリかしら…」

「もし、どうしてもと言う事なら…」

コール音と、受け取るための術式を紙に書いて渡す。


「うん、無理だわ…全く理解できない」

「その術式も渡しておきますので、王妃様の判断にお任せします」

「ありがとう、アスカちゃん。こないだ国の危機を救ってもらったばかりなのに…またこんなにも」

「私も王妃様やこの国の人達に、たくさんお世話になってますから、おあいこです」

「比較するのもおかしいくらいの事をしてもらってるのだけど…アスカちゃんにそれを言っても聞かないわよね」

「…?」

「アスカちゃん、ありがとう。 出発は明日でもいいかしら? 陛下への確認と支援物資の輸送を頼むことになるのなら、その手配もあるから」

「わかりました。それともう一つ、ドラゴンのイメージ回復に関してですが…」

「ええ、それも聞いておかないとね」

「支援物資を配ったりする時、敢えてリアに半ドラゴン姿で手伝ってもらおうかと」

「なるほど…巨大なドラゴンより威圧感はないし、可愛いルナリアちゃんの姿なら…」

「はい、説明や説得とかするより行動で…って事です。支援した後は敢えて、この乗り物のドラゴンの姿を見せて飛び去る感じで」

「わかったわ…それも陛下に相談してみるわね」

「お願いします」


「後、コレしばらくここに出しておいてもらえるかしら?」

「大丈夫なんですか?」

「陛下への説明するのに現物がないと無理よ…実際見てる私でさえ、まだ信じられないのに」

「そういう事なら…」

「ここは人払いしてあるしね。 それと夕食は手配してあるから、後で呼びに行かせるわ」

「ありがとうございます」



取り敢えずは解散って事で部屋に戻ることに。

今回アリアさん見てないんだよね…。

案内の騎士様も知らない人だったし。


あと、ティーの言ってたアイドルみたいになってるってやつね…。

王妃様が私への接触を控えるようにしてくれてるらしい。

ありがとうございます。


助かったぁ…。







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