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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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お弁当持った? おやつは?



今夜はティーとお風呂。


「ママへーき?」

「うん? 動画のこと?」

「そうー」

「正直、ここ迄の事になるとは思ってなかったけどね…」

「ママ、カッコよかった」

「戦闘ならそれなりに場数踏んでるから、あの程度では動じないけど…。未亜が危ないって思った時はさすがにヒヤッとしたよ」


「ティーもシチュー見てて…ごめんなさい」

抱きしめて撫ぜてあげる。

「ふふっ。美味しかった?」

「うんっ! ママのご飯は全部おいしーの」

「よかったよ。ティーもね、好きな事してていいんだから。気にしなくていいの」

「でも…」

「危ないことや、悪いことしたら怒るけどね?」

「危ないことしてるのはママ」

「うぐっ…」

「でも、誰かを守るためだからカッコいいの」

「ありがとうティー」



お風呂を出て、ちょっと甘えたさんになってるティーを抱いて部屋へ戻る。


…なんでこの子は部屋の真ん中で仁王立ちしてるの?

「リア、どうしたの?」

「アスカ!」

「おっと…本当にどうしたの」

急に抱きついてくるし。


「ううん、無事で良かったって思って」

「私がそれなりに強いの知ってるでしょ?」

「それはそれよ。心配くらいするわ」

「ありがと、リア」

「明日からは私のターンなんだから!」

なにそれ…。


抱いてるうちに寝てしまったティーをベッドへ寝かせる。

本当、優しくていい子だよ。いつもありがとねティー。



そうだ、確認しておかなきゃ。


「リア、聞きたいんだけど、ドラゴンの里ってどうやって行くの?」

「そうね、徒歩や馬車でも行けるけどかなりかかるわよ」

「だよね、まぁこっちへ戻る時間は何とでもなるからいいけど…」

「私が乗せてくわよ。数人くらい平気だし。アスカなら安全に乗れるように出来ない?」

その可能性も考えてた。だから…


「リアの背中に乗れる場所を作ってもいい?」

「痛いのはいやよ?」

「リアにそんな事するわけ無いでしょ。ゴンドラみたいなのを背負ってもらおうかなと」

「それって、観覧車についてるみたいなの?」

「よく知ってるね?もっと軽くて負担の無いようにするけどね」

「テレビで見たわ。いつか乗ってみたいの」

「じゃあ今度一緒に出かけるときは遊園地にいこうか」

「ホント!?やったわ。 ならデートは遊園地に決まりね!」

まぁ…ドラゴンの里から帰ってきた後になるからまだ先だけどね。


「ゴンドラを背負うのはいいけど…私がそれに乗れないのは悔しいわね」

背負ってる本人は無理だよ。 あーでもなんとかなるかな。


「乗れないこともないよ?」

「え?私が背負うのに!?」

「私の魔力から魔力体を作って、ドラゴンの姿にすれば…」

「ちょっと待って…だったら最初から私もこのまま乗れるじゃない!」

「そう言えばそうね」

「はぁ…もぅ! ホントにこの規格外は…」

言い方ひどい!


んーでもそれならドラゴンの形をした乗り物にしちゃおう。

中を快適空間にしておけば数日の旅も楽しいはず。

「リア、ドラゴンで飛ぶと何日くらい?」

「えっと…途中大きな街が一つ、村とかはいくつもあるわ。 それから森の中にエルフの大きな集落が一つ。 街は迂回しなきゃだから…」

いまエルフって言った?珍しい! 何度も異世界へ行ったけど数回しか会ってないんだよね。


「エルフは同盟関係って言うか…崇められてるから迂回の必要はないし、片道4日くらいかしら…」

「わかったよ」

それにしても崇められてるって。さすがドラゴン。


「ただ…私も、ねえ様の魔力反応を探してあちこちへ飛びながら来たから、おおよそだけどね。それに街へ降りて休んだりするならもう数日見た方がいいかもしれないわね」

「そうだね、街へ降りるかはその時考えよ?」

「でも魔力体とはいえ背中に乗り続けてると疲れない?」

「その辺も考えるから大丈夫。リアも一緒に旅を楽しめるようにね」

「またとんでもない事する気がするわ…程々にしなさいよ?」

「うん、わかってるって」


アスカの事だから安心はできないなと思いつつ、

楽しみで仕方ないリアは、なるようになるよね。と深く考えるのをやめた。



「明日、午前中は準備に当てるね。食料の作り溜めしたりしないと」

「わかったわ、なら早く寝ましょ。ティーもぐっすりだし」

「うん、そうだね」






~~~~ 翌朝 台所 ~~~~



「未亜、ご飯炊けたからこの具材を混ぜていって」

「はーい。うわぁ! 種類たくさんだね」

「色々バリエーション欲しいじゃない?」

「そうだね!」


炊飯器2つがフル稼働してお米を炊いてくれてる。

混ぜるのは、ほぐしたシャケ、手作りのおかかに肉味噌等定番のもの。

包むのは手巻き寿司の時に好評だったシーチキンマヨや梅干し、昆布等、こっちも定番。

かやくご飯も作って握った。少しもち米を混ぜてるからモチっとして美味しいはず。


熱耐性のある私なら炊きたてご飯でも握るのは容易だからありがたい。

未亜が混ぜてる間に具を包むおにぎりをどんどん握ってゆく。

ユウキ、ティー、リアはそれをラップで包んでくれてる。


「ママ、ティーもそれやってみたい!」

「それなら私も体験してみたいわ」

「じゃあ、未亜が混ぜ終わったのを握ってもらおうかな?その前に…二人とも手を出して?」

「あい」

「うん?」

「炊きたてのご飯は熱いからね。手のひらに耐熱魔法かけてあげる。……よし、手を洗ったら一緒に作ろうね」

「そうか、アスカ姉ちゃんが当たり前に握ってたけど…普通は炊き立てご飯ってめちゃくちゃ熱いよね」


「お姉ちゃん、シャケ混ぜ終えたよ!」

「未亜、ありがと。それじゃあ、手を濡らしたらご飯を掬って、崩れないように握ってみて?」

「「はーい」」

うん、やっぱり上手く三角にはできないよね。じゃあ…


「こんな風に丸とか、好きな形に握ってみて?どんな形になっても自分で作ったのは美味しいから」

「おー。ティーはまんまるー!」

「じゃあ、私は…」

ぷっ…リア、それ何処の和菓子!?指の跡がくっきりだよ! わかっててやってるのかな?


それぞれ自分で握ったのをマジックバッグに入れていいよって言ったんだけど…。

「私にくれるの?」

「うん! ママ食べて」

「ありがとう、じゃあ…ティーのバッグには私のおにぎり入れてあげるね?」

「わーい! ママのー!」


「アスカ、私のも貰って?」

「リアもありがとう。じゃあ…リアにも。はいどうぞ」

「ありがとう!」

「リアもママのおにぎり! 一緒なのー」

「そうよー」

「昨日買ってきたお菓子も持っていっていいからねー」


「お姉ちゃん…」

「未亜も、どうぞ。バッグの中なら温かいままだからね」

「ありがと、大事にするね」

「いや、食べてね?」


後は卵焼きを一人一本ずつ焼いておいた。

「ユウキ、おにぎりと、卵焼きね」

「ありがとう。ストレージに姉ちゃんのご飯があると安心するよ」

「そうなの?」

「うん、やっぱり美味しいものって元気出るし」

そっかそっか。朝から頑張ったかいがあったよ。


他にもおかずとか、デザート類とか色々作ってたら、いい時間になっちゃった。




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