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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章
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新しい家族



私の部屋で二人きりになった途端にユウキは切り出す。


「聞きたいことがありすぎるんだけど…魔力からしてアスカ兄ちゃんで間違いないよね?3ヶ月以上もどうしてたの?心配したよ」

え?3ヶ月以上?確かに向こうにいたのはそれくらい。時間が戻ってないってこと?


「まずは心配かけてごめんね。今回の召喚は見てもわかると思うけど異質だったんだ。向こうにいたのと同じ時間だけ、こっちでも時間がたってるみたい。送還される時に時間が戻らなかったっぽいね」

心当たりはある、多分性別関係の細工が干渉してる気がする。確証はないけど…


「そんな事初めてだよね?兄ちゃんはちっとも帰ってこないのに父さん達は帰ってくるし…」

今までだと最長で一週間だったし、運良く両親の帰宅と被らなかった。


「父さん達はいつ帰ってきたの?話してた感じ数日ってとこだろうけど。フォローありがとね。助かった」

「それはいいんだけど、話し方にその姿…」


「(ユウキ、ちょっと待って)」

小声でユウキを制すと言いたいことに気がついたようだ。

お互い探知やらのスキルが山盛りだからね。意識すればすぐに分かる。

色々ありすぎたし、家だから気を抜いてて反応が遅れた。両親も居るのにしまったなぁ…。


そっと移動し扉を開ける。そこにいたのは…。 だよね。やっぱり…。

「えっと、未亜さんだっけ?なにか用かな?」

どこから聞いてた?この子との距離もまだ測りかねてるしどうしたものか…。


「あの、えっと…立ち聞きしてごめんなさい。挨拶したくて…。でも話をしてたから待ってたんだけど…」

ん〜悪い子ではないみたいだし何を聞いたか確認しなきゃかな。


「そっか、待たせてごめんね。取り敢えず入って」

「お、お邪魔します」

ユウキもわかってるのか未亜さんが座る場所を空けてる。


「遠慮せずに座ってね。 じゃあ、自己紹介しよっか。私はアスカ。今15歳」

「未亜です、今14歳です」

「僕はもう自己紹介終わってるよ〜。にぃ…姉ちゃんが居ないうちにね」

ユウキは心配かけた事ちょっと怒ってるのかな…それにまだ兄ちゃんって言いかけてるな。


「あの、アスカさんはお姉ちゃん?ユウキ君にお兄ちゃんって聞いてて…」

おおぅ…魂を弄くられた強制力どうなった…。

それとも一番身近にいたユウキから話を聞いていたからとか?謎だ…。


「それに、召喚?とか…」

うん、バッチリ聞かれてるな?

「最初は小説とかの話かと思ったんですけど…違い、ますよね?」

これから妹になる子だ。

できるなら嘘は付きたくない…

それにこれから一緒に住むとなると隠しておけないよねぇ。


う〜ん…

ユウキを見ると任せるって感じなので、頷いて未亜さんに向き直る。

未亜さんの意思を確認しよう。


「聞きたくないような話かもしれないよ?秘密を抱えることになる、それでも聞きたい?」

「…はい」

「聞かないって選択をしても家族として歓迎するから心配しないでね」

そう言って未亜さんに笑いかける。


聞きたくもない話をして面倒に巻き込んだり、両親に嘘をつかせたくもない。

でもこれから一緒に住むなら家族だ。歓迎する。これは間違いない本心。


「聞きたいです…それにどんな秘密でも守ります! もし信じられないなら…何でもします、だから…」

随分食い気味だね、なんか必死というか…

「何でもするとか簡単に言ったらだめだよ?未亜さんにも何か事情があるのかな?お互いに話そうか」


「はい…でも私の話なんて面白いものじゃないですよ?」

それはこっちも…いや、人によっては大好物か。王女様はすごく喜んでたしなぁ。


「それは多分お互い様だから気にしないでね。あと、私に敬語はいらないから。これからは家族だし気楽に話してくれていいよ」

「わかりまし…わかったよお姉ちゃん。じゃあ私の事も未亜って呼び捨てにしてほしいな。」


お姉ちゃんか…。 それに…

いきなり呼び捨てはちょっとハードル高い。そのうち慣れるかな…


「えっと、取り敢えず未亜ちゃんでいいかな?」

少し悲しそうになる未亜ちゃん。そんな顔しないで!?

「あ、慣れたら呼び捨てにするようにするから今は許して?」


「なんか、アタフタするアスカ姉ちゃん新鮮」

可笑しそうにいうユウキを軽く睨むと目を逸らされた。


「わかった。約束だよ?お姉ちゃん」

上目使いの破壊力ぅ〜! よくみると未亜ちゃん美少女なんだよな。

キレイな黒髪ロングだけど、どこか日本人離れしたキレイさと言うか…。

ハーフなのかな?


「約束するから! まずは話をしよう。私達の話はかなり長くなるけど、どうする?先に聞きたい?」

少し悩んで未亜ちゃんは

「聞きたいけど、まずは私の話をします。秘密ってほどじゃないけど…」

あぁ…先に自分の秘密を話すから信じてほしいってことかな?

いい子じゃん。信じてって言葉で言うより信じてもらえるような行動をする、凄いことだよね。


「わかったよ、未亜ちゃんの秘密、誰にも言わない。ここに居る3人だけの秘密。ユウキもいいよね?」

「もちろん。秘密は守るよ」

意図が伝わったとわかった未亜ちゃんは嬉しそうに、でも話しづらそうにぽつりぽつりと話し出す。





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