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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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幸せは些細なことほど身に沁みる



プリンを蒸し器に入れて、あとは待つだけ。


二人もちょうど帰ってきたみたいだから、しょうが焼き作りますかー。


「ただいまー。お姉ちゃん、手伝わなくてごめんなさい」 

「おかえり。いいよー、気にしなくて。 お買い物はできた?」

「うん、あれ?知ってたの?」

「ユウキから、一緒に買い物に寄って来るって連絡あったからね」

「あーなるほど…」


「ティー、リア。冷蔵庫からサラダ出して運んでもらえる?」

「「はーい」」

「未亜は荷物置いて着替えておいでー」

「うん」


豚肉が焼き上がる直前くらいに、作っておいたタレをかけて、香ばしく。

タレに漬け込むよりこっちが好きなんだよね。

お皿に盛って完成!

「姉ちゃんただいま」

「おかえり、ご飯できたから運んでもらえる?」

「はーい。良い匂いだね。お腹ペコペコだよ」



みんな揃っての夜ご飯。

しょっちゅう召喚されてた時には考えられない光景。

アレはあれで楽しんでたけど…今のが楽しいって言える。

また異世界には行きたいけどね。

ピアスを外してランダムで行くことはもう考えてない。

一人で行くのはもう止めにしようかなって。

心配する人の顔が浮かぶから…。


「お姉ちゃん、なにか考え事?」

「あーうん。こうやって皆で賑やかに食事が出来るのって幸せだなぁと思ってね」

「そうだね、当たり前が幸せなのって素敵だね」

皆も同じ気持ちなのか笑顔で頷いてくれる。


「そうだ、デザートも作ってるからね。冷やしてくるよ」

「おーママの手作りデザート! なんだろ?」

ティーは分体が見てると時と見てない時が本当に判別がつかないな。

常に傍にいるって訳でもないのかな? (気まぐれ?)

そうなのね。まぁ自由にしててくれて良いけどね。 (心配なときはー、傍についてるー)

お手数おかけします。 (いえいえー?)



キッチンへ行き、蒸し器からプリンを取り出して風と氷の魔法で粗熱を取り冷やす。

あとは冷蔵庫で食後まで冷しておく。 (ママのプリンっ!)

そだよー。後で食べようね。 (わーい)


「ちょっと、ティーどうしたの!?ご飯食べながら突然踊らないでよ。びっくりするじゃない!」

リビングからリアの叫び声。

ティー、本体も動いてない? (嬉しくてつい?)

あははっ。



リビングに戻ると全員が私を見てる。

「なに?私なにかした!?」

「いや、ティーが踊りだしたのって、姉ちゃんと台所で何かあったのかなと…」

「あぁ…。デザート見て喜んでただけだよ」

「実体の無い分体と、本体ってどこまでリンクしてるの?」

「うーん…そもそも、分体が幾つ居て、どこに居るかもわからないからね」

「ティーはママの為にしかうごかないのー」

「ありがとね、でも危ないことはしたらダメだよ?」

「はーい」



夕食を食べ終わり、片付けもして。

リビングで寛いでる時に、ふと思い出したから皆に聞いてみることに。

「今から魔石を並べるから、それぞれ好きな色を選んでもらえる?」

「いいけどさ、説明はなし?」

「後でちゃんとするよ。 あと、選び直しを要求する場合もあるからその時は応じてね」

「アスカの事だから、理由があるのよね。分かったわ」

「ティーもー?」

「そうだよー」

緑、青、赤、その中間色も色々。そして黒。


「この中から1つ気に入った色を選んで私に見せてね」

四人がそれぞれ魔石を手に取り見比べてる。

透明は申し訳ないけど、私の選択肢がそれしか無いから省かせてもらった。


「ティーはこれ!」

「見せてくれる?」

手渡してくれたのは予想通り紫色だった。


「僕はこれかな」

ユウキも思ったとおり黒。


「悩むわね…私のイメージカラーならコレ、他にも好きなのはコレとかコレ…」

目線から察するに水色、ピンクや薄紫も選択肢らしい。


「お姉ちゃん、私はコレ」

未亜はピンクだね。


「1つしかだめ?」

「うん、ややこしくなるからごめんね」

「それならやっぱりこれかしら」

手渡してくれたのは水色


見事にかぶらなかったし、容量も平気。

「ありがとう、皆選んでくれたもので大丈夫だよー」

「それで結局、姉ちゃんはこの魔石で何をするのさ?」

昨日未亜にも見せた、腕時計によく似た図面を皆に見せる。


「魔道具で通信機を作ろうと思ってね。こっちならスマホとかあるけど…リアやティーは持ってないし。異世界だとそもそもスマホ使えないでしょ?」

「つうしんきってどんな物なのかしら?」

「離れたところにいても話ができる道具かな」

「便利そうだけど…私に使えるのかしら」

「その辺も考えてあるよ。簡単に扱えるようにね。早めに作るから、できたら説明するよ」

「姉ちゃんの魔道具はついにここ迄来た! って感じだなぁ。科学に追いつきそう」

流石にそれは…。


ベルト部分もみんな魔石と同じカラーで統一してくれたからわかりやすい。



「そうだ、アスカ。この後、魔力操作の訓練はできそう?」

「うん、そのつもりしてるよ。デザート食べたら希望者は地下に集合ね」

「ありがとう」

「デザート! ママの手作りー♪」

ティーが待ちきれなくなってるし準備しないとね。



「ティー、スプーンを出してみんなに渡してあげて?」

「はいっ!」


私は冷蔵庫へ取りに行かないと。

うん、よく冷えてる。



「お待たせー」

リビングのローテーブルにプリンを並べる。

「プリン! プリン!」

ティーが飛び跳ねてる。そんなに喜んでくれると作ったかいがあるよ。


「ティー。わかったから座りなさいな。せっかくアスカが作ってくれたのだから落ち着いて食べたいわ」

「うんっ!」

「姉ちゃんのプリンかぁ…久しぶりだよ」

まだ男だった頃に数回作った程度だしね。


「お姉ちゃん、これって、カラメル?」

「うん、別にしたの。少し苦味があるから好きな人だけかけれるようにね」

「私、ちょっと苦手だったから嬉しいよ」

「同じだね、私もない方が好きだから」

ティーはかけないで食べてる。

リアは少しかけて、ない方がいいって判断したみたい。


「皆使わないなら貰っていい?」

「ユウキは好きだよね。いいんじゃないかな?」

「いいよー」

「私ももういいわ」


ユウキは喜んで全部かけたよ…。

流石にかけ過ぎだと思うけど。


「ママーこないだ食べたのよりずっーと、んっまいよぉ!」

「良かった、ティーのリクエストだったからね」

嬉しそうな顔が見れて私は幸せだよ…。


「お姉ちゃん、作り方教えてもらえる?」

「いいよー。難しくもないし」

「ありがとう!」

「あと、明日お留守番してくれる三人にはもう1つずつ、冷蔵庫にあるから。明日のおやつに食べてね。ちなみにカラメルはなくなったけど…」

「おーーー。もう一個ママのプリン!」

「マジか…。そう言えば明日は土曜日だから姉ちゃん達二人で外出だっけ」

「うん、お留守番お願いね?」

「私がいるから心配ないわ。ティーとユウキの事は任せて!」

「ありがとね、リア」



片付けは未亜達がしてくれるって言うから任せた。

この後は魔力操作の訓練だし、先に地下に行ってようかな。







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